Ecological Steps : 水
The deep blue of the sea in Nice Jun.18.2026
主人と慰労旅行で34年ぶりにフランスに行ってきました。6月下旬、西ヨーロッパが熱波に覆われた時期で、空は真っ青、日差しは鋭く、キラキラ。気温は37℃から40℃。しかし、湿度が低いせいか、体調を崩すことはありませんでした。
事前に「空のボトルを持っていけば、給水施設がある。」と知っていたので半信半疑で水筒を持参し、ホテルのロビー、パリの公園、役所前の給水施設などで水を入れさせてもらいました。旅行中は現地で購入したミネラルウォーターも常に飲んでいたので、暑さの中でも元気に過ごせたのだと思います。
家でも、南仏のヴェルジェーズ(Vergèze)産のペリエ(Perrier)が一番好きで、常備しています。本場では、レモンやライムで香りづけしたものもあり「ここでしか味わえない」と思い、ペリエのボトルを片手に喜んでいました。
日本よりも「水を飲む。」ことが手軽にできたのは、公共の給水サービスが無料で利用できることが大きかったです。マルモッタン美術館を出て公園を横切った時、高校生ぐらいの子たちが楽しそうに水を汲んでいました。私も空になりかけていたボトルに水を満たすことが出来たのですが、飲むとピリッとしたのです。「あれ、ガス入り?」と驚きました。公共の給水施設で炭酸水が出るとは思っていなかったので、帰国後地図で場所を確認しながら調べてみました。

出典:フランス環境省「Où boire de l’eau à Paris ?」
(パリ市内の給水ポイント地図)
調べてみると、パリには約1200の給水施設があり、そのうちスパークリングウォーターの出る場所は15か所。ペリエのような天然炭酸ではなく二酸化炭素を添加したものですが、地区毎に異なる水源の水が安全に管理されて供給されているとのことでした。
子どものころ、公園で水をごくごく飲んで、「おいしい!」と思った記憶が、年齢とともに薄れていました。しかしフランスでは、毎日平均17000歩歩いたせいもあり、あのころのように水をごくごく飲めて、懐かしい感覚が蘇りました。
フランスでは、「水へのアクセスは基本的権利」とされ、2022年1月1日より施工された「AGEC法(反・使い捨てプラスチック法)」により、公共空間(301人以上)に給水施設を設置が義務付けられています。使い捨てプラスチックボトルの消費を減らすための取り組みです。
以前は、レストランに行っても水が出てこないので、ワインよりも高いミネラル・ウォーターを頼んだこともありましたが、今回はボトルに入れた水はいつも提供してくれるようになっていました。
日本では、自動販売機がどこにでもあり、水分補給は容易です。しかし猛暑の中、大量のペット・ボトルを運び、空のボトルを回収する人やトラックを見ると「大変だな。」と思います。その努力のおかげで回収率は世界最高水準の92%なのだそうです。ただ、一度しか使っていないボトルをペレットにしてリサイクルに回していく仕組みはよく考えられているものの、やはりプラスチック製品に頼り使いすぎていると改めて感じました。
A fruit and vegetable stall in Aix-en-Provence Jun.20.2026
34年前にパリのスーパーでブドウを買った時も量り売りで買い、ホテルで食べたことを思い出します。今回も露店のチェリーもスーパーのチェリーも量り売りで、プラスチックの覆いはありませんでした。セザンヌがリンゴを描いたように果物そのもの自然の色や形を楽しみながら、食べる分だけ買おう、という気持ちになります。そういう余裕がフランスにひかれる理由でもあります。しかし、今回は時間の都合でチェリーを買えなかったのが少し心残りです。
それに比べ、日本の果物や野菜はほぼすべてプラスチック包装。忙しくても買いやすいという利点はありますが、やはりプラスチック依存を感じます。
EUでは、2021年からSUP指令(Single-Use Plastics Directive)が適用され、使い捨てプラスチックの環境影響を減らすための包括的規制が進んでいます。果物や野菜をプラスチックで包むことは、崩れやすい場合を除き、ほとんどありません。ファースト・フード店のカトラリーはポプラ材、ホテルの部屋のコップは紙製。シャンプーのボトルは壁に備えつけでした。ヨーグルトはディスペンサー方式のところもありました。
SUP指令を読んでいて、ペットボトルのふたがきれいに取れず、飲み口に一部がぶら下がって飲みにくく、「出来が悪いのだろう。」と思っていたのですが、これは、以下の理由によるものでした。
「一体型キャップ」義務の発効:プラスチックキャップまたは蓋を備えた飲料容器は、使用中キャップが容器に固定されるよう設計されなければなりません。参考:フランス環境省「プラスチック汚染への取り組み」
フランスでは、プラスチックの取り扱いについて厳しくなっていますが、以前からの習慣や販売法が、結果として環境負荷が少ないという裏付けを得たところも大いにあると思いました。
今回の日本の石油由来製品の不足に関しても、ヨーロッパはプラスチックを使わない暮らしにシフトしてきているため、日本とは違う受け止め方であったと思います。
プラスチック製品を見直す議論が、日本でもっと起きてもいいのではないかと感じています。海、人間、地球のために。






















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