
先日、出したSchool Garden No.3。これから、花壇で実際に咲く花のふるさと、つまり原産地を世界地図上に示したイラストを描きました。サブタイトルは「旬の花を楽しもう!」
このSchool Gardenを取り組もうと思ったきっかけは、上の子がまだ在校の頃、ちょうど3月、この花壇に色とりどりのペチュニアが植えられ、「あれっ」と思ったのがきっかけ。
サクラの咲く前からペチュニア。季節と花が合っていない風景に居心地の悪さを感じたのです。
多分、ペチュニアが、その時シーズン初めで店頭で、目立っていたのだと思います。
しかし、その花はほとんど手入れされないまま雑草に埋もれていきました。その場限りの「飾り」として扱われ、誰も手入れせず、草ともに6月には引き抜かれました。
「まだ、楽しめるのに、もったいない。」と私はひどくがっかりしたのでした。

それから「草抜きからでも。」とボランティアを申し出たのが始まりでした。

園芸って昔からスローな楽しみの象徴のはずが、いつの頃からか「ガーデニング」という言葉で代わり、温室で栽培された季節先取りの花苗が売られ、カセット式に花苗を好みに合わせて植えれ替えればばいい、という方法が紹介されるようになりました。
世界中の珍しい植物が紹介され、良い面もたくさんあったけど、育て方が分からないまま、だめになった植物も増えたことは、事実でした。初めの話に似た無残な植物は至る所で見られるようになりました。
母たちが、小さな花壇でも上手に育てていた光景とは、明らかに違うものに園芸は変わってしまいました。
そう園芸が大量生産大量消費というサイクルになってしまった。それに伴う言葉、大量廃棄=使い捨て の流れ

植物がなければ、人間は、この地球上に存在しなかったということ、酸素を作ってくれることを皆、わかっているので枯らした植物に対して、罪悪感を感じてしまうのは、当然。本質的に植物に敬意を払っているのです。
このジレンマの解決策は、やはり 手を動かすことしかないと私は思いました。植物も Reduce Reuse Recycle 。つまり園芸でいえば、水遣り、土をよくしたり、種まき、挿し木、株分け、植え替えなど、いろいろと「育てていく」基本のテクニックを学ばなければいけないと思うようになったのです。
少しでもこれを私たちは身に付けなければ、エコでなくエゴな趣味だと今も思います。育てていくことこそ、園芸。
また、生産者は早出しの苗を作るためのどれほどのエネルギーを使っているのでしょう。昔ながらの園芸ならば、環境に与える影響(環境負荷)が少ないのに、近頃の園芸は、その逆です。
今の地球を温めているのは、過去に排出された温室効果ガス。近年、今までになかったような豪雨、干ばつが世界のあちらこちらで増加。
現在の私たちの暮らしは、過去よりもはるかに多い温室効果ガスを排出しており、そのつけが未来の地球を脅かすことは必至。
あらゆる知恵で少しでも温室効果ガスの排出を減らそうとする行動は、私たちが出来る未来の地球へのせめてもの償いと思います。

園芸においても、もし昔ながらの季節の訪れとともに花が開花することを「よし」とする文化が主流になれば、生産農家が競って化石燃料を使いながら、苗を生産する流れに歯止めがかかると思います。
大人にも子どもにも「自然にゆだねて春に咲く花は、こんなにあります。春の訪れって素晴らしいね。自然ってすごいね。」と呼びかけたのは、Fast Gardening になれてきた私たち世代へ園芸というものを再認識してもらいたいと思っているからです。
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