2021年7月22日 (木)

Wild Fermentation : 青瓜の糀漬け

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今年は、駅から歩いて帰るようにして運動量を増やすようにしています。買い物もスーパーに行くといっぱい買ってしまうので、野菜は、帰り道の八百屋さんでいるものだけ買って帰るようにしています。この間は、青瓜をみつけたので、糀漬けにしてみました。

実家にいる時は、母が漬け物をつけていましたが、塩分が多い、なんてことを言い分けに私は漬け物は作っていませんでした。

しかし、ここにきて、体調管理のために植物性乳酸菌を食事の中で積極的に取るには、漬け物もいいことを知り、あれこれ作るようになりました。

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小倉ヒラクさんの著作『日本発酵紀行』に福島の麹漬けの床として紹介されていた「三五八(さごはち)」。本では、会津若松の石橋糀屋さんを訪問したことが紹介されていて、ていねいに糀蓋と呼ばれる1箱に1㎏しか入らない木箱で麹を作り、均等に糀作りを行っている様子を知りました。

以前、近くのスーパーでそういえば「なんだろう?」と思って糀漬けの元「三五八」を買ってしばらく作っていた。もう一度、買ってきました。写真は、宝来屋の製品。「三五八」は商品名ではなくて、漬け物の製法名のようです。

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①中身は、塩 3、蒸米 5,糀 8の割合で混ぜてある少し、乾燥している状態のつけ床の素に180㏄の水を入れ、総量500gのつけ床を作ります。ステンレスの容器に入れました。

②初回は、野菜を7~8時間漬け、その後は、10~14時間漬けておくと、出来上がり。

塩分が薄くなってきたら、塩を小さじ2ぐらい入れたり、水気が多くなったら、スポンジ等で水分を取り除いて味噌くらいの固さにしてください、と袋には書いてありました。

お休みする時は、野菜を取り出し、冷蔵庫で保管する。

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きゅうりのぬか漬けと糀漬けの2種類の漬物をつけてみました。

糀漬けは、米の炭水化物を糖分に素早く帰るニホンコウジカビ Aspergillus Oryzae アスペルギルス・オリゼーの胞子を植えつけた糀を使うので、ほんのり甘しょっぱい漬け物。

ぬか漬けは、乳酸菌発酵で酸が作り出されるもので、きりりとしてさっぱりとした漬け物。

どちらも美味しい!

現在、どちらも冷蔵庫でスタンバっているので、夏野菜をみつけては、漬け込んでいる。

ちなみに今日は、水ナスを糀漬けにつけています。

 

 

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2021年7月21日 (水)

Wild Fermentation : しば漬け

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 しば漬け、作ってみました。5月24日から漬け込み、ようやくしば漬けらしい紫蘇の風味と酸味がでてきたので、OK.

きっかけは小倉ヒラクさんの『日本発酵紀行』(D&DRPERTMENT 2019年 初版 )を読んだこと。日本各地の発酵食品を保存料など入れないで、昔ながらのバクテリアの働きのみで食品を加工している産地を訪ねた旅行記でその中にもしば漬けものっていました。京都 大原の辻しば漬け本舗は、塩と茄子のみで作ると紹介されており、読んでいるとこの間、作ったシュークルートと同じ植物性の乳酸菌が風味を変化させる過程と同じだな、と思ったことから。

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                    May.24.2021

生の赤紫蘇が店頭にあるうちにと5月の下旬、高知産の長ナスとともに担いで帰ってきた次第。

●材料

茄子  1㎏ (長なす 8本)

赤紫蘇  1パック (枝付きで800gぐらいを茎から葉をはずすと300gぐらいになる。赤紫蘇がない場合は、漬け物のしそでもいいが、その分、塩分を減らす。)

塩 (ミネラル分の多い海塩がいい。ゲランドの塩を使いました。) 茄子の重量の6~8%ぐらい ここでは、60g=大さじ4 

保存瓶 セーラ メイトの3㍑ガラス密閉保存瓶

重しとして、ジッパー付きの保存袋に水を入れて使用

●作り方

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①赤紫蘇をさっと水洗いし、ざるに上げ水を切り、水分をふきんで取っておく。

②茄子を洗い、縦に八割し、4㎝ぐらいの長さに切る。水分をふきんで取っておく。

③保存瓶に茄子、紫蘇、塩と繰り返し重ねていく。

④最後に重しをかけますが、最初は、容器の上の方まで茄子、しそのかさがあるので、重しの中の水は少なめにしておく。塩水があふれそうになったら、多少捨ててもよく、重しの水をその分増やす。常に茄子が塩水につかっているようにしないと、空気に触れている部分にカビが生えてくるので、時々チェックしておく。

⑤ふたをして、冷暗所に置く。とはいっても、なかなか場所の確保が難しいけれど、私は台所のエレクタシェルフの下段あたりに置き、なにか異変がないか、気にかけていました。

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漬けてから約1ヵ月             June.27.2021

まだまだ、といったところ。紫蘇の色が浸出してきた青紫色の水分に溶け込んでいますが、茄子自体の果肉はまだ白く、味も・・・。

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約2か月経過                July.17.2021

青黒かった浸出液がきれいな赤紫に変わってきた。何かが、変わった!ブドウや黒豆やブルーベリーなどにも含まれる色の元、アントシアニンが発酵で出来た酸によって変色した!茄子自体の皮の色は、脱色されたように白くなった後、再び、染め直されたように赤紫色に変わっていきました。

ということは、・・・もうそろそろ、出来上がりかな。

それから浸出液の上部に白いアクのようなものが浮かんできました。これも、シュークルートと一緒の現象。

これは、産膜酵母と呼ばれる好気性のバクテリアで、その下の塩水の浸出液の中にある嫌気性の植物性乳酸菌が活性化する条件になってきたということ。

役者がそろった感があり、取り出して食べてみることに。

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茄子の果肉にも赤紫色がしみ込み、食べてみると、・・・しば漬け!着色料などつかってな~い!

ちょっと、自分自身がスーパーのしば漬けの味になれてしまって、それを求めようとする味覚になってしまっているので、いけませんが、

明らかにホームメードな素朴なしば漬け。2カ月ぐらいかかってじっくり最初は、大腸菌、2番目はロイコノストック菌、最後はラクトバチルス菌が優勢になるというバクテリアのリレーで、酸味の元であるアスコルビン酸が作られていったのです。

 

こうなってから、ちょっと夕飯のおともに出してみたり、お弁当箱のご飯の上の隅にひっそりとしば漬けを置くのが楽しみになってきました。

黙食でお昼にこれを一人でじんわりいただくのが秘かな愉しみ。

Japanese slow food !

 

 

 

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2021年5月29日 (土)

Wild Fermentation : ヨーグルト 2

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 前回、シュークルートの発酵液を使って、ヨーグルトを加温して作った話を紹介しましたが、今度は、そのヨーグルトを種菌として、室温でヨーグルトを発酵させてみました。その時の記事はこちら

朝、ガラスの広口の1㍑の密封ビンに30㏄のレードル2杯分ぐらいと牛乳1㍑を入れました。

カウンターの上に置いて、夕方、家に帰って見てみると、ちゃんとプルプル揺れていました。固まっていた。

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すくってみると、ご覧の通り。なんだか、加温して発酵させた時より、トロリと垂れていきます。

12時間経つと完成しており、酸味は加温して作った時より、少ない感じ。

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瓶の側面を見ると、泡がぷくぷくヨーグルトの中に浮かんでいました。生きている。

このやり方だと、後始末が楽ちん。市販のヨーグルトは、食べた後のヨーグルト・カップを洗うのが何だか、面倒でした。紙カップだと思い、きれいに洗って、乾かして紙ごみとして回収に回していましたが、発酵食品の入っていた紙はリサイクル・ペーパーに混ぜてはいけないそう。

結局、一応洗って、燃えるゴミへ・・・。非常に食べた後の片づけに手間がかかりすぎる市販のヨーグルト。

今回、ヨーグルトが出来た後、冷蔵庫で保存しながら、家族にもレードルですくって、好きなだけ食べていいよ、と伝えるとそれぞれ、この瓶からすくって、ガラスのコップに入れて食べていました。

なくなる前に、瓶を洗わずに牛乳を注ぎ、再び室温下、発酵させてみると、またまた12時間もすれば、ちゃんとカウンターの上で出来ていました。

楽。

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 なんだか、ネットや本屋での立ち読みで始まった発酵食品作り、いろいろザッピングの中で一番、この本が知りたいことが書いてある本で、何度も本屋に行って立ち読みしていたので、とうとう購入させてもらいました。

この本によれば、長い時間、ヨーグルトを発酵させて作ると『より多くの乳糖が乳酸に変わるため、もっと酸味が出ます。また発酵時間を長めにとると、乳糖不耐性の人でも消化できるほどのヨーグルトになることも良くあります。』

それから、種菌の量については、『多すぎると、酸っぱい仕上がりになってしまいます。菌に十分な「生活空間」があると、豊かで優しく、クリーミーな味わいになります。』とも書いてありました。

種菌は、大さじ1杯(15㏄)でよいそう。

また、『ヨーグルトにはかなり特異な性質があり、成長している間に衝撃を加えられることを好みません』ともあり、発酵は、定位置で行わせると良いそう。

 この方法で、落ち着きそうですが、何かアクシデントが起こるかもしれない。一応、腸は大丈夫だし、何より、発酵食品作りにはまり、いつのまにか、Lost Weight!何か、体の調子が良くなっているようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2021年5月23日 (日)

Wild Fermentation : ヨーグルト

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 シュークルートの菌を調べていたら、最終的にLactbachillus plantarum 植物性乳酸菌が最終的に出来ていることがわかりました。

その時の記事はこちら

「それじゃあ、それを使って、ヨーグルトができるんじゃない?」と思い、シュークルートの汁を30㏄ぐらい500㏄の保存容器に入れた牛乳に入れ、ヨーグルト・メーカーに入れて加温して、1日置くと、固まっていました。

食べてみると、「大丈夫。」ヨーグルトといってもいいのではないか、というものが出来ていました。最初だけは、シュークルートっぽい青臭い味がありましたが、2回目以降はそれは、消えました。

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母からもらった年代物のヨーグルトメーカー40年ぐらい前のもの、まだ使える

そこから、1000mlの牛乳でも、そのヨーグルトを30㏄のお玉、2杯分、つまり60㏄ぐらいすくって、種菌にしてヨーグルトを作るようになっています。入れる時は、少し、牛乳を出さないと、あふれるので注意ですが。

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酸っぱすぎたりしませんし、牛乳のまろやかさも感じられるヨーグルト。なくなる手前で、底に残ったヨーグルトを新しいパックに移すようにして、次のヨーグルトを作ります。出来立てはぬるいヨーグルトなので、冷蔵庫で冷やすと、すっきりとした味で食べられます。

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今は、いちごソースを作って、ヨーグルトにかけたり、ハチミツをかけたりして食べています。

スムージー、ラッシー(牛乳で割って、ハチミツを入れる)、カレー(鶏肉をスパイスとヨーグルトで漬け込む)等にもどんどん使え、より自家製メニューがふえた感じ。

 

以前、ケフィア菌の顆粒を買って来て、ヨーグルトを作ったりしたこともありましたが、それ以外はずっと、市販のものを食べていました。

自家製乳酸菌だと思うと、よりヨーグルトに愛着?がわくようになってきました。(不思議な気持ち、でも生物なんだよね。)

 

Lactbachillus plantarumは、酸や熱に強く、腸まで届く性質があるので、快調です。

最後に今後の挑戦としては、乳酸菌の活動温度が15℃から45℃なので、加温しないで室温での発酵させてみようと思います。

現在の室温は、23℃、先ほど種菌を入れた牛乳をセットしました。いつ頃、固まるかな。

 

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2021年4月 4日 (日)

Wild Fermentation : シュークルート

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Choucroute  20th day          Apr.2.2021

 先日、一日で作るシュークルートを紹介したのですが、本当にキャベツを発酵させて酸っぱいくなるシュークルート、ドイツではザワークラウトを作ってみました。

途中、変なことになって失敗するのでは、とか家族を腹痛にさらしては、・・・とか思ったりして、怖かったけど、出来ました。

ちゃんと、発酵し、酸っぱくなりました。白菜の漬物と発酵の仕方は、同じようです。実家の母が年末に白菜を漬け込んでいたのを思い出しました。

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●材料

キャベツ 2個  およそ2.4㎏

塩   45g  大さじ3  キャベツ重量 2%

キャラウェイ  大さじ1

ジェニパー ベリー 6粒

ローレル      2枚

 

●作り方

① キャベツを千切りし、大きなボウルに入れ、塩をまぶす。

② 手でもみ込み、しばらく放置。浸透圧で水分が出てくる。

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③ 保存瓶に②をギューギューに入れ、浸出液も注ぐ。めん棒で押します 。

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1日目                      Mar.13.2021

④ 発酵には、3段階あるそうです。最初は、キャベツの葉に元からついている菌や空気中の菌が活動。嫌気性細菌が活動するので、キャベツが空気に触れないよう常に浸出液に使っている状態にします。

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4日目                       Mar.16.2021

⑤ キャベツの色が黄白色に変わりました。浸出液も多くなりましたが、これ以上増えることはありませんでした。

 泡が立っています。発酵が始っているようです。瓶の蓋は、シリコンパッキンをしないで、中のガスが出るようにはしています。エタノール、酢酸、エステルが出来ているようです。

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6日目                      Mar.18.2021

⑥ 明らかに浸出液の色が澄んできました。第2段階のようです。調べたことによると、ロイコノストクメンテロイドという菌が働いているようです。この菌は、自分の分泌物で自分を殺してしまうそうです。乳酸、酢酸、マンマイト、二酸化炭素が作られているそう。

ちょっと、食べて見たら、少し酸っぱくなってきましたが、中途半端な酸っぱさで美味しいとも感じれない。カビや腐れなどはないので、これでいいのだと思うけれど、大丈夫~?と思いながら、ふたを閉めました。

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12日目                     Mar.24.2021

⑦ キャベツが白くなってきました。白いあくのようなものが浮かんでいました。

  第3段階らしい。ここで、活動しているのは、ラクトバチルスプランタラム Lactbachillus plantarum。

  この乳酸菌が活動して、発酵していき、完成。

  耐塩性があり、15℃から45℃で生育するそうです。

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19日目                      Apr.1.2021

⑧ キャベツの色が茶色っぽくなってきました。2,3日前から食べた時に、完全に酸っぱくなって、味が落ち着いた感じになってきました。

 アスコルビン酸が出来ているそうです。忙しかったので、この日になりましたが、ちょっと古漬けになってきたので、15,16日目がちょうどいいのではないかな。

 肉類も揃え、この日の料理に使うことに。調理時に生の状態よりビタミンCが多くなるけれど、煮すぎるとビタミンは破壊されるそうなので、気をつけて。

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シュークルート ガルニ

前回の作り方とほぼ同じです。シュークルートは500g使いました。こちら

 

スペアリブは、酸でほろっと柔らかくなり、肉の旨味もスープに加わり、美味しくいただけました。

少し、隠し味に自家製醤油ニンニク一かけ、お砂糖を大さじ1杯入れるとちょうど、味が安定し、いい感じ。

 

シュークルートは、生でタルタル ソースに刻んでも美味しかったです。

 

ラクトバチルスプランタラムは、酸っぱい漬け物、白菜の漬物、千枚漬け、すぐきの漬物作りのも作用している菌で、人間の腸まで生きて届くので、お腹の調子を整えてくれるのに役立つということです。

 

保存瓶にある発酵液は、もうこの菌が出来ているので、キャベツを追加して漬けた時に、早く漬かるということなので、追加で千切りキャベツを入れておいています。

 

 

 

 

 

 

  

 

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