2025年6月26日 (木)

Creating Garden : 日陰の小さな植え込み vol.6

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AFTER                    Jun.16.2025

 最近、随分夢中になっていたこの場所の手入れも、「もうそろそろ夏!」と思うと、「もう、やめておこう!」という気持ちになってきました。

夏前の最後の開花した植物、ノリウツギと、ムラサキツユクサを紹介しておこう思います。

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BEFORE                    May.07.2025

5月の時点で左側は、しっとりと日陰の植物の開花リレーとなりましたが、だんだん右側になるとクルメツツジが枯れかかって、枝が少ないものが続き、西日も入ってくるという環境に変わっていく部分となりました。高温、乾燥にさらされる場所になってきます。

そこで、ぎりぎり西日の影響が少ない場所にもう一株と思い、梅雨のころにアジサイがいいと思い、ノリウツギを植え込みました。

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植え込む時は、鉢いっぱいに根が回っており、花芽を上げるか心配でしたが、どうにかつぼみが上がり、花を咲かせてくれました。

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Hydrangea paniculata Siebold

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Hydrangea paniculate ’Dharuma’

前回紹介したイワガラミと似ているけれど、こちらは、がく片が4枚。

実は、ノリウツギの ’ライムライト’ だと思って、(札があったような)購入したのですが、原種のノリウツギでした。

そして、いろいろ調べているとダルマノリウツギという品種と似ているので、たぶん、そうではないかと思っています。

そうなると、矮性品種なので、これでよかったのではないかと思っています。

新梢咲きなので、そこも管理しやすい。

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Tradescantia ohiensis

最後に、ムラサキツユクサの写真。

この花を見ると、懐かしい気持ちになります。つぼみを指でつぶしていたことを思い出します。

マンションの他の場所で自然にひっそり毎年咲いていたものを今回、移設。花もつぼみも咲いていたので無理やり連れてきてしまったので、逆にダメにしてしまうかと思いましたが、どうにか、今年の花を再び、咲かせてくれました。

ムラサキツユクサは、日本の植物だと思っていましたが、アメリカ大陸が原生地。

きれいな澄んだあおむらさき。ノスタルジックな植物です。

 

 

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季節のBlooming flower :イワガラミ ’ムーン・ライト’

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Hydrangea hydrangeoides (Siebold & Zucc.) Bernd Schulz ’Moonlight'

                         May.26.2025

 マンションのフェンスに植えたイワガラミが今年は満開でした。どうも3年に一度、満開になるようです。

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                      April.25.2025

4月に3㎜ほど小さな球形のつぼみが集まって出来ていました。

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小さなつぼみが開くとおしべが花火のように広がり、独特のいい香りを放ちます。

この時も蜂がブンブン、気づいて寄ってきていました。アジサイなので、花弁のような部分は、がく片。でも一枚しかつかないので、ガクアジサイとも咲き方が違います。

この場所に植えて15年ぐらい経過。元は、私がガーデニング・ショーに出た時に養樹園で2本、購入したものの一つ。バラ以外の植物でラティスに絡める植物を探していた時、青みがかったしっかりとした葉で茎も長く丈夫で長尺に育てられたこの植物を見つけました。

それまで、知らなかった植物でしたが、最初見た時に、葉が青白く、葉脈も見え、妙に魅力的。花も見ていないのに、葉の美しさから購入を決めたものでした。ただ、イギリスのお庭の写真で壁に這わせているのを見たことだけはありましたが、実際に見るのは初めてでした。

その後、広島県にある「花の山」と言われる吾妻山に行った時、ブナ林の中にこのイワガラミが木に寄生しながら、縦に昇るようにして花を咲かせていたのに、遭遇。イワガラミのポテンシャルをそこで初めて、知りました。

ここに植えてから、何年も花を咲かせるのに時間がかかりました。でも、いつかは、白い花を咲かせると思いながら、待っていました。

出入りの植栽業者さんも大切にしてくださり、伸びた枝をフェンスに麻紐で誘因してくれるようになっていました。

いつからでしょうか、わっと咲くようになりました。そして、それは、毎年ではなく、前述したように3年に1回の頻度で全面にわたって花を咲かせる感じです。

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先日、江戸時代後期に日本に訪れたオランダ人のシーボルトが日本の植物についてまとめた『日本植物誌』(”Flora Japonica”) に掲載されている植物をまとめた京都大学貴重資料デジタル・アーカイブを見ていたら、このイワガラミも入っていました。石販彩色の図版があるらしく、どんなふうに表現していたのか見たいのですが、ネットでは、みつかりませんでした。当時は、別の属に分類されていたようですが、現在は、アジサイ属に入るということになっています。

リストを見ると、日本の植物をくまなく、収集していることに驚いています。ツバキ、アジサイ、ギボウシ等、その後のヨーロッパにおけるジャポニスムの流行は、浮世絵から始まったという説を美術ではよく取り上げますが、むしろ見たこともなかった美しい植物を目にしたところから始まっていたと考えた方が自然だと今は、思っています。

調べて行くと、もっと時代をさかのぼった頃から、出島の三学者、ドイツ人のケンペル(1690年~1692年滞在)、リンネの弟子のスウェーデン人のツンベルグ(1775年~1776年滞在)、そしてシーボルト(1823年~1829年と1859年~1852年2回にわたって滞在)は、日本の植生に関する研究を行い、ヨーロッパに紹介していったということです。

 

 

 

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2025年6月 7日 (土)

Creating Garden : 日陰の小さな植え込み vol.5

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 最近、マンションのクルメツツジが枯れた部分を補うことに取り組んでいます。「季節に花がいつの間にか咲いている」そんな感じで、なるべく元からそこにあったかのような植え方をしたいと思っています。先日帰省した折、実家の庭からいろいろ株分けして植物をもらって帰ってきました。ビニール袋に植え土とともに入れて、水を含ませ、口をしっかり結び、車のトランクに入れておいて何日か経ちましたが、大丈夫でした。

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Nassella tenuissima in Mother's garden  

母に名前を聞くと、「わかんない。勝手に生えてきたの。」と言ってた縞葦(シマアシ)。日本に自生するイネ科クサヨシの斑入りです。

すっと立ち上がって、斑入り。何気なく間を埋める感じがいい。写真を見てもわかるうように京都以西の地面の色は、明らかに関東の色に比べて明るい。それは、花崗岩に覆われた土地であり、それがぼろぼろと崩れた土地。ざるのように水を通すので、肥料の効きが悪い。しかし、じめっとせず、足の踏み心地がいい、と私は思っています。

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Front : Bletilla striata ラン科シラン属

Back : Polygonatum falcatum キジカクシ科アマドコロ属

それから、白花のシラン。アマドコロも。おまけにヤブコウジももらって帰ってきました。

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これらをまた、マンションの植え込みに植え付けていきました。すっとした剣状のような葉物がほしかったので、先日、植え付けたノリウツギの背景に仮置きしてあれこれ考えてから植え付けました。

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Hosta 'Patriot' ギボウシ Yellow variegated leaves

いつのまにか、5月に購入したギボウシが花茎をのばし、先週から開花。他に何も咲いていないので、主役のように見えます。

手前に細々と残っていたクルメツツジも奥に移動させて、「日陰の小さな庭」とタイトルを付けた割には、範囲が広くなってきました。

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これからは、建物の北角なので、右側の部分、午後の西日の影響も出てくるで、耐えられるかどうかを今後見ていきたいです。

これまでの様子は、下にスクロールしていただき、Creating Gardenを選んでいただくと見ていただけます。

 

 

 

 

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2025年5月31日 (土)

Visiting a Garden : エミール・ガレの庭 in下瀬美術館

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Shimose art museum         May.20.2025

 先日、広島県の西の端、自然のままに樹木が茂る宮島の南西端が見える大竹市に2023年3月に開館した下瀬美術館に行ってきました。2024年ユネスコの建築に与えられるベルサイユ賞で『世界で最も美しい美術館』に選ばれた美術館です。コレクションは、個人のコレクターであった下瀬夫妻の収集したエミール・ガレのガラス作品や印象派、人形作家の作品などがあります。これをベースとして、随時企画展を行う美術館となっています。

広大な埋め立て地を活用したグランド・デザインは、紙芯を使って、阪神・淡路大震災以来、被災者のためにベッドや間仕切りを組み立てるプランを提供したことで有名な坂茂氏によるものです。ここでは、桜色、ターコイズ、ライム、ラベンダー、オレンジ等のコンテナーのような可動展示室が池のような場所に固定され、それを展示内容によって浮かせ、動かせるユニークなものとなっています。訪れた時も作家ごとに展示室が使われ、その空間に入ると、作家の世界観に集中して向き合えるような展示空間であると思いました。

また、本館の内部も外壁も鏡が使われ、きらきらした瀬戸内海の雰囲気を永遠に満喫できる空間となっています。反転した世界も私たちは現実の世界のように受け入れ、空と海のはざまで自然を感じながら、ゆっくり過ごしていました。

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庭は、美術館の廊下を出ると、現実の世界が別世界のようにすっと現れました。私が訪れた日には、赤いポピーが風に揺れて出迎えてくれました。このオレンジがかったポピーは、フランスの田舎の草原に咲いている植物だそうで、フランス人にとって野原をイメージさせる花。

バラは赤紫のガリカ・ローズ。 ’カーディナル・ド・リシュリュー’ でしょうか、満開でした。下瀬美術館のガレの作品に『フランスの薔薇』という作品があり、それにちなんでこのバラを選んだのだと思います。調べて行くとイギリスのヴィクトリア時代までは、フレンチ・ローズといえば、このガリカ・ローズのことを指していたそうです。しかし、フランスが原産地ではないそうです。大場秀章先生の『植物学のたのしみ』八坂書房刊によれば、ガリカ・ローズの原産地は、西アジアのコーカサス地方のようです。紀元前から文献に載っているとても古いバラの種類で、ユーラシア大陸西側各地で3000年前ごろより自生、あるいは栽培されていったようです。

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庭の全景を見渡すと、池を中心に園路が作ってあり、歩けるようになっています。池泉式回遊庭園という作り方を取り入れています。手前は、ラベンダー色の花々が黄緑色のグラスとともに植えられていいました。遠くの青い山並みを借景として望めます。海抜300m前後。

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植物学も学んだエミール・ガレのガラスに表現された植物をイメージして植栽されたようです。ガレは、北斎の浮世絵に描かれた日本の魚、昆虫、植物を作品に取り入れて表現しました。モネ同様、ジャポニスムの影響を受けていました。ガレの生きた時代には、日本の植物もシーボルトなどにより紹介され始めていました。ジャポニスムは、植物のブームにもあったのだと思いました。

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奥には きれいな楕円形の池が作られており、頭上には、パーゴラが設置。そこにハニー・サックル、フジが柱に絡まり始めていました。ロビーの完成予想模型から将来的には、フジが楕円形に屋根のように這っていくようです。

建物の南面の盛り土に植えられていた数本の桜は、今季は残念なことに芽吹かなかったようでした。「どうしてだろう。」と家に帰ってからも考えています。2024年の3月、各地で山火事が発生したように「萌芽前の雨が少なかったのでは?」。それからここが埋め立て地であり、海に近いので、台風などで潮風にあたることも多いことが原因であるような気もしてきました。よくよく、考えれば私の住んでいる場所は、ずいぶん海岸から離れていますが、台風のあとは、葉水をかけないと葉がカリカリになってしまう植物もあるからです。

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フランスを中心に流行したジャポニスムの時代に表現された芸術は、今を生きる私たち日本人にとっては、親しみを感じる西洋文化への入口です。

そこから、またここにフランス人のエミール・ガレの世界観をイメージして新しい庭を生み出そうと挑戦した方々に敬意を表したいと思います。

多くの方がこの庭を愛されることを願って、この場所をあとにしました。

 

 

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2025年5月12日 (月)

Creating Garden : 日陰の小さな植え込み vol.4

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BEFORE                              May.4.2025

 春先から5月にかけて、マンションの建物東面の右側のクルメツツジが今年も数本、枯れこんでいることがはっきりわかってきました。枯れた木を抜き、地面に繁茂しているカタバミやドクダミの根をできるだけ取り除くように抜いていくと、ずいぶん寂しくなってしまいました。

緑の流れを右側にも作りたいと思いながら、手持ちの植物の配置転換を考えて作業。

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Juniperus squamata ’Blue Carpet’

シラユキゲシの葉陰ですっかり見えなくなってしまったコニファー ’ブルー・カーペット’を右側に植え替え。枝先の色の違う部分が今年伸びてきた部分。雨が降っているときに日陰の庭を見ると、雨粒がとてもきれいです。

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Athytium niponicum 'Metallica'

葉色の珍しいニシキシダ ’メタリカ’も移動させました。メタリカは、日本にも自生する品種で、暑さ、寒さにとても強いそうです。昨年から植え込み、冬は地上部が枯れこみ、春になって、昨年の4倍ぐらいのボリュームになっています。

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Ligustrum sinense 'Variegatum'

クルメツツジが建物の角で枯れこんでしまった場所。樹高60㎝ぐらいあたりが、ぽっかり抜けてしまったので、挿し木苗で小さなポット苗で買って15年ぐらい育ててきた斑入りのセイヨウイボタノキを地植えすることにしました。鉢植えの管理もできるだけない方が楽。葉の形、樹高など溶け込んで見えました。小さな白い花を咲かせます。

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 Hydrangea paniculata ‘Limelight’ 

そして、もう一つぽっかり空いてしまった場所に「何がいいかな」、と園芸店をのぞいてみると、ノリウツギの鉢植えがありました。たぶん。昨年から置いてあったポット苗で春先、旧枝を春先カットして分岐して花芽が上がり始めたもの。

このような花芽が動き出している苗は、今植え替えると根の成長が始まり、花が上手く上がらないかもしれません、地植えにするのを迷いましたが、プラ鉢に入って窮屈そうなので、つい植え込んでしまいました。どうだろう。

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AFTER                      May.12.2025

クルメツツジは、かろうじて残っているものもありますが、相当弱っています。ノリウツギはここで土や日当たりの様子が合えば、代わりに大きくなってくれるだろうと期待しています。

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北面沿いのクルメツツジも2か所枯れて、抜きました。ここは、枯れた原因が夏の高温、乾燥もあるけれど、電気工事で植木を掘り返された後、根付かなかったのが原因。丸の部分に2022年9月にハンギング用に購入した苗を終わった後、鉢植え育てていた植物を植えてみました。

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Scutellaria javanica 'veranda'

中米原産のシソ科タツナミソウ属 スクテラリア ジャワニカ。名前が本当に覚えられないけれど、丈夫であることは確か。2022年9月、秋のハンギング・バスケット用に購入。ハンギングから鉢植えに植え替えると花が咲かずにいましたが、あきらめないで育てていると昨年、やっと濃紫の花を咲かせた小低木。この品種は、特に、暑さにも寒さにも強いようです。残っているクルメツツジの高さ、葉の形とも違和感がないので、今のところはOK.

植え込みには、赤玉土にバーク堆肥を混ぜたものと元肥になる有機質肥料をそれぞれ入れて元の土と混ぜています。元の土は、目がつまって、泥のようになり、石ころがあちこち入っているような土でした。少しは、水持ちのよい生きた土になってもらいたい。

今後の様子をそれぞれ観察していきたいです。

 

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2025年5月10日 (土)

Creating Garden : 日陰の小さな植え込み vol.3

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                     Apr.22.2025

 昨年の冬からマンションのクルメツツジが枯れこんだ場所をどうにか潤いのある場所になるよう考えて作業しています。4月、地中で越冬していた植物が一斉に葉を広げ、柔らかな緑でいっぱいになりました。カタバミがグラウンド・カバーになってしまいました。

何より、ローメンテナンスは、外せないので、その場所にあった植物を取り入れたいと思って、あれこれ画策中です。

1回目の記事はこちら

2回目の記事はこちら

2024年の12月に植え込んだスキミア、クリスマスローズは、3月まで、花を楽しませてくれました。現在両方とも新しい葉を展開して株を大きくしようとしています。

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Eomecon chionantha シラユキゲシ 中国原産

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Aqilegia flabellata var.pumila ミヤマオダマキ

昨年5月に植え込んだシラユキゲシは、驚くべき繁殖力でした。あちらこちらに根を伸ばし、2株植えた場所の直径1mは、広がりすっと伸ばした花茎30㎝ぐらいから4弁の直径3㎝ぐらいのシンプルな花を咲かせ、風に揺れていました。そして花形が波上にエッジが切れ込んでいるところがユニーク。

知らなかったと思っていたら、実家の庭にも植えてありました。

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その後開花したのは、オダマキ。名前をいったい何人の人に聞かれたことでしょう。スモーキーな青緑の美しい葉からベルのように下向きに咲く姿は、本当に美しい。ベランダの鉢植えだとなかなか継続的に管理できませんでした。

それが、地植えだと寒くなると葉を落とし、春から萌芽。そして今年は、昨年よりもマウントが大きくなり、満足の生育。

こうなると、調子に乗って枯れこんだクルメツツジの部分もなんとかしなくては、と先日いった「横浜フラワー&ガーデニング・ショウ 2025」でもヒントになる植え込みを見させてもらって、「ギボウシ」を入れることにして、会場のブースの江口ナーセリーさんからギボウシを購入して帰りました。

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名前を聞くと、「パトリオットなんだけど、黄斑が出たんだよね!」とご主人。名前は、’Unknouwn’ちゃんとしておき、それを植え込んで流れを延長させていきました。

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Hosta 'Patriot' ギボウシ Yellow variegated leaves

雨粒がきれいです。

今日の記事は、ここまでにします。To be continued。

 

 

 

 

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2025年5月 8日 (木)

Visiting a Garden : アメリカ山公園

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Rosa ’Rainy blue’     Tantau, Germany,  1912

                                                                      May.5.2025

 昨年、訪れるのがちょっと遅かった横浜のアメリカ山公園のバラ園。地下鉄の駅舎の上の部分が屋上緑化ガーデンになっています。エレベーターやエスカレーターで上るといきなり、薄紫のバラ”レイニー・ブルー”が満開の姿が出迎えてくれました。

この場所は海岸段丘の崖の淵にあたり、明治時代は、アメリカ公使館、戦後はアメリカ軍の施設であった場所。地下鉄の駅舎を高くして、その屋上と淵の部分がつながった構造になっています。横浜市が2009年に公園として整備し開園した場所です。バラ園は、人工基盤の場所ですが、日当たり、風通し、そして管理がいいのでしょう、バラそれぞれのが持っている力を存分に発揮しているかのように咲き誇っていました。

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Rosa 'Hamamirai'   Keisei, Japan, 2006

横浜市制150年を記念して名前がつけられた高芯大輪のサーモン・ピンクのハマミライ。各小中学校に3本ずつ、苗木が贈られました。私も何度もこのバラの手入れをしてきました。香りもたっぷりで堂々としています。

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Rosa ’MEEBUL’ Jardins de France  Meilland, FR, 1998

隣には、昨年訪れた時に小山のようにまとまる樹形がよく気に入った”ジャルダン・ドゥ・フランス”。中輪のすっきりしたサーモンがかった彩度高めのピンク。アメリカ山にある「フランスの庭」という???な感じですが。

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Rosa 'Ausmas' Graham Thomas  Austin, UK, 1983

少し白の入る黄色のバラ、グラハム・トーマス。

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Rosa 'Francois Juranville'  Barbier, France, 1903

アーチには、フランソワ・ジュランビル。濃緑色の照葉。中輪の花でランブラー。誘因しやすい品種。

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Rosa ’Meiviolin' Pierre de Ronsard   Meilland, France, 1987

ピエール・ド・ロンサールは、これから、満開。いい感じの開花状態。

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CistusL.  Rockrose  

こんなバラのようなバラ科ではない植物がありました。「ハンニチバナ科 ロック・ローズ スカンベルギー」と書いてありました。 

調べると、日本ではかなり珍しい植物でした。

名前の通り、栄養のない岩場に育つ地中海沿岸地域の石灰質土壌、ヨーロッパ、北アフリカ、西アジアの植物。

ここで元気に育っているのは、屋上という場所に客土しているので、生育に合っているのではないかなと思いました。

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Rosa ’MEITRONI’ My Garden  Meilland, France, 2008

購入を何度も検討したマイ・ガーデン。美しく咲いていました。

 

アイスバーグの花壇もあり、白、ピンク、バーガンディーのアイスバーグが群植されていました。

 

緩やかな坂道を登っていくと外国人墓地の脇の道につながっていきます。そこを左折すると港の見える公園にたどり着けます。

 

 

 

 

 

 

 

 

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2025年3月 5日 (水)

Creating Garden : 日陰の小さな植え込み vol.2

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Before                                                Dec.21.2024

 2023年の猛暑でマンションの植え込みクルメツツジが8本も枯れた部分。

ここは、建物に接しているので,ほとんど日が差し込まず、雨水も届きにくい場所です。

 面積にして2平米ぐらいの範囲。ここを造園さんに頼むと人件費も発生し、低木でも費用がかかるので、本当にこの場所に合う植物が茂っていればいい,という発想で、昨年よりポツリポツリ植え込みをしています。 

24年の2月には、這性のコニファー’ブルー・カーペット'を3ポットを植え込み、石を配置。高山のロック・ガーデンのイメージ。

5月には、シラユキゲシ,オダマキ、フイリスズラン、シダ、リリオペを入れてみました。その時の記事はこちら

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 After                                                   Feb.3.2025

 12月には、さすがに山野草類は枯れて黄変したので、ヘレボルス ニゲル、本当のクリスマス・ローズとスキミアを植え込みました。

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Helleborus niger    クリスマス・ローズ Feb.3.2025

この2つは、寒い時期も白く凛とした姿と赤いスキミアのつぼみが見えるので、年末年始の植え込みとしてふさわしいものだと思いましたので、購入。

結果、冬中花の少ない時期も自然とニゲルの姿を見ることができましたので、多くの方も楽しめたと思っています。今はさすがにがく片が黄変してきました

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Skimmia japonica cv. rubella スキミア・ルベラ  Feb.3.2025

スキミアは、これから、開花し、小さな白い花が咲きます。

昨日、近くのショッピング・センターの植え込みに使われているスキミアが開花しているのを見ました。

 

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2024年12月 3日 (火)

Plants problem : 生垣の枯れ

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Loropetalum chinense (R.Br.) Oliv.  

先日、マンション の南西角部分のサザンカの生垣の植え替えを造園さんに行ってもらいました。

この場所に植えて25年以上経過したサザンカが2023年の猛暑で15本ぐらいが枯れてしまったからでした。樹種もトキワマンサクに変更しました。

たまたま、近所で見たベニバナマンサクの生垣の紫がかった葉の茂みがきれいで、造園さんと話をしている時にそれを口にすると、「暑さに強く、いいかもしれない。」ということで候補にあがった樹種。確かに原生地を見ると、日本でも中部以南、九州、中国南部、インド東北部に生育となっていました。

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抜いたサザンカ

植え替えがひと段落ついたところで、帰宅したので、トラックに積まれた木を見ると、申し訳ない気持ちになりました。こんなに生長していた木を枯らしてしまっては、いけなかった、と。

前の造園さんは、それまで、電動のバリカンで生垣を刈り込み、晩秋より咲くはずのサザンカの花は、少なく、元は、内側にあった弱い枝に咲いた花で、季節の花の開花を楽しむといった剪定ではありませんでした。

私も園芸の勉強をして、それが形を整えるためだけの剪定であることがわかってきました。その後、現在の造園さんに入ってもらうことになりました。花芽のついていく枝を見極め、バリカンも使いますが、時期によっては、手切りで仕上げてくれるので、だんだん、サザンカも花が多く咲くようになってきていました。

しかし、ここ10年前から突然一本、枯れるというようなことが毎年のように起こっていました。その原因を考えると、植えている場所の下部がが粘土層であることで、根を伸ばすことができる土の層が浅いのではと考えていました。そこは、新しいものに植え替えをしてもらっていました。

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枯れこんだサザンカの生垣        May.2024

しかし、昨年2023年の夏、一気にサザンカの生垣が枯れこんでしまいました。私も熱中症をおこしやすい体質なので、暑いあついと7月、家に閉じこもっていましたので、植木を見てまわるということをしていなかったので、気づくのが遅れました。

今年は、春先かもしかしたら、残った部分から萌芽するかも、という期待もあり、そのままにしていましたが、完全に枯れこんでいるものが多く、管理組合も植え替えを決断して、今回の作業を行ってもらうこととなりました。

昨年、枯れこみを確認してから、しみ出すホースを増やして冠水をしたのですが、今年は気温が高温だった割に、冠水は、ほとんどしなくてもいいと判断しました。

そもそも、枯れこんでいるので、しなくてもいいということもありましたが、2023年の方が植物には、ダメージが多かったような気がして、住んでいる地域の気温と降水量の記録を見てみました。

すると2023年の7月の降雨量が極端に少なかったことが判明。月別の降水量平均と気温の平均気温です。

2023年7月    39㎜  28.1℃  8月 155.5㎜     28.1℃

2024年7月 122.5㎜  28.6℃    8月   545.0㎜      28.8℃   

2024年の夏の気温は観測史上最高を記録しましたが、降雨がある程度、あったことで、植物は、生長を続けることができたのです。

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AFTER トキワマンサクの生垣

来年に向けて、しみ出すホースにタイマーをつけようと計画していますが、地面の水分量を測って、水やりが必要であるかを感知するセンサーがあるようなので、それにしたいと思っています。

無駄に水を与えすぎるのももったいないので、そんなセッティングを計画しようと思います。

 

 

 

 

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2024年11月24日 (日)

The Roses : ジャルダン・ドゥ・フランス

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Rosa 'MEEBUL' Jardins de France  Floribunda, Meilland, FR, 1998

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 晩秋に向けて、マンションの入り口にバラの鉢植えを置きました。ちょうど、ホームセンターで、セールをしていて中苗というタイプなのでしょうか、幾分枝も細いけれど、”ジャルダン・ドゥ・フランス” のこんもりとまとまっている株が売られていました。

今年の5月、横浜の港の見える丘公園のバラ園に行く途中、アメリカ山で、このバラがこんもりと大きな茂みになって、ふわふわとすっきろとしたピンク色の花をたわわに咲かせて、ベイ・ブリッジを背景に咲いているのを見かけて、品種名を記憶していたバラ。

アメリカ山にある「フランスの庭」という名のバラという変な組み合わせですが。

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 アメリカ山にて        Date: May.21.2024, Yokohama

つぼみがいくつか上がっていたので、植え替えはしないで、大鉢の中に小さな鉢に鉢底を詰めたものを置き、その上にこのバラの鉢を置きました。

こうすることで、排水した水がその鉢底石の方に流れるようにしておきました。周りには、土を入れ、フェイク植え替え。

上手くいって、自然に開花をしています。そして、このバラ、花びらが落ちない。あれ、ずいぶん長いこと咲いたまま。

そういえば、そういったこともバラの品評会で審査の基準になっているお話を聞いたことを思い出しました。セルフ・クリーニングというらしいです。

作出は、1998年。フランスのバガデルのコンクールで金賞、その他の受賞も多々あるバラだということを今回、調べていて知りました。

秋のバラの色は幾分クリアなサーモンがかったピンク。日も短くなってなんとなく、花も少ない今日この頃、このバラの色は、はっと目立ってきれいです。

幾分、花びらの縁がひらひらとフリルになっている所も大らかなイメージ。もう少し、このままにしておき、来年2月の冬の土替えの時期に植え替えを行いたいと思います。

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