2024年9月 1日 (日)

Useful Tools : 宮島の杓子

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 この夏は、いつものように実家に帰省。宮島が近いので、帰る前にやはり、一度行っておこうと主人と行ってきました。フェリー乗り場で船を待っていると、西の海峡から吹いてくる海風は涼しく、「暑い、あつい!」と家の中にこもっていないで、出かけてよかったと思いました。

フェリーに乗り、海風を感じながら、青空の元、ぽかんと出来ることが何よりの幸せで、自宅では、決して味わうことが出来ない時がここには流れています。長かった大鳥居の工事も2022年の晩秋には終わり、船の上から朱色の大鳥居が海のブルーの色と弥山の原生林の青緑を背後にくっきり映えて見えてきました。亡き父とこうやって、フェリーに身をゆだね、子どもたちとともに「海水浴だ!」「弥山に登ろう!」と宮島を通して、楽しく過ごした家族の思い出がここにはあるな、と思い出していました。そして私がこの世からいなくなってもここには、変わらない自然に囲まれた宮島の姿があるんだなと思いながら宮島に着きました。

今回のお目当ては、数年前に開館した北大路魯山人美術館。町屋を改築した美術館で、コレクションが膨大でした。「これにどんな、料理を盛ったのだろう?」と思いながら、見させていただきました。

帰る道すがら、知人へのお土産を求めに宮島木工製作所に寄らせていただきました。ここの木工品の調理道具を私は、長年いろいろ使っていて愛着があるので、バター・ナイフか手巻き寿司用の小さな杓子のどちらかを買いたいと思っていました。

山櫻のバターナイフのことを書いた記事は こちら

レードルのことを書いた記事はこちら こちら

靴ベラのことを書いた記事は こちら

お店は、作業場兼用で機械や昔作った調理器具の見本や型が壁にかけられています。お目当てのものは、ショーケースの中にあり、それを見せてもらいながら、奥さんと立ち話。木目や色が違うので、「好きなのを選んで!」と言ってくださいました。Img_3635

お土産に購入したバター・ナイフや小さな杓子

ただ、ポロリと「私は、宮島を応援しているので、お宅のを使いますが、実は、主人は、炊飯 器についていたぶつぶつがついたポリプロピレンの杓子の方が好きで・・・。」と話をしたら、奥さんが急に主人の方を向いて「それですよ。それが、うちにとっては、大打撃だったんですよ~!」と口火を切られました。パパは、いきなり、話に引っ張り出された感じでしたが、正直な感想を話し始め、『モノづくり』のコストの話など3人でするようになりました。商売のことは、疎いので何も言えませんでしたが、私なりに木の杓子が好きなことをつぶやいていました。考えをまとめると、

炊いたお米が杓子にくっつきにくいのは、突起をつけやすいポリプロピレン製。価格も安い。だから、そちらに人がなびく。しかし、木の杓子は、急いで乾いたままで使ってしまうとご飯がくっつきますが、使う前にしっかり吸水させて使えば、くっつかない。むしろ炊き立てを蒸らす時に適度の水分をご飯に与えれ、よそいやすくなる。

そして最大の魅力は手触り。無塗装の木に触れるということは、現代の生活では、少ないものです。杓子に触れることは、「自然」を感じるひと時。見た目にも自然の木が水を含んでいく色の変化を見て、安心感を感じている。

値段は、1本1000円~2000円として、32年使っているから、1年間32円~62円。なんてことはない。割れても欠けてもそれが、自然の素材だからと捨てないで愛着を持って使っている。

ポリプロピレンの耐久年数は、どのくらいなのだろうと調べると5年以下。石油由来のプラスチック製品。

あなたは、どちらを選びますか?

私は、実家が宮島の対岸になってから、かれこれ40年近く、平均して年に2回は、行っているけれど、自然環境や建築の美しさも魅力ですが、杓子やお盆、棗などの木地仕上げの美しい木工品を見れることも魅力でした。この島には、それを生業として取り組まれている方が何件かあり、美術科の学生時代、それをのぞかしてもらっては、「私もがんばろう!」と思ったものでした。

でもそもそも、神の島である宮島の木は、昔からむやみに切ることは出来ないことで、原生林の森が今に残され、巨木が現存しています。厳島神社をはじめ大願寺、仁和寺塔頭大聖院などの立派な木造建築が存在しているのは、島外から材料を船に乗せて運んできたのでしょう。そして小さな木工品の加工は、それがいつ頃から始まったのかということを考えていると、青山にある伝統工芸の展示販売をしている青山スクウェアのパンフレットに宮島の木工細工について『鎌倉時代、神社や寺を建てるために鎌倉地方、京都地方から大工、指物師が招かれました。』との記述がありまして、やはりこの産業も歴史のあるものであることを知りました。仏具の加工については、鎌倉彫りが有名ですが、規模は違うけれど、宮島でもその需要があり、技術が育まれたのです。ろくろで作られた木工品が多いのも仏具制作の技術からなのでしょう。

杓子については、1700年代後半、伊予の国から来た誓真和尚が島民の生計のためにと厳島弁財天の琵琶の形からヒントを得てデザインしたのが、始まり。宮島が発祥の地。釜の底の丸みに合うように杓子の先端は丸く仕上げられ、持ち手の長さも人の手に合わせて、太さや長さがデザインされている。日本発の炊飯用オリジナルのデザインの調理道具。

その当時は、今に比べると生産量も少なく材料の木が、島内の材を使って作ったのかもしれません。しかし、現代では、生産量も増えているのでどうしているのだろうかと思っていましたが、今回奥さんと話をしてわかりました。宮島と海を挟んで向かいには、中国山地の山々が連なる森林豊かな場所。対岸の廿日市には、材木港もあり、全国的にも有名な家具メーカー、木質の住宅設備メーカーが軒を連ねている地域。その地域の山々の間伐として切り出された山桜を乾燥してから、宮島に運び、加工に使っているそうです。

建築材料にするのには、不揃いの材ですが、生活道具などの小さな木工品への加工には、充分使える。宮島のいくつかある木工品製作所で、一つひとつ人の目で木の質を見ながら、杓子をはじめとする木工品に加工しているものなのです。

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右から2本が我が家の杓子 母が持っていたものを譲り受けたのでかれこれ40年もの

小さいものは、手巻きずし用 20年前ぐらいに昔あった宮島口の販売コーナーで購入 

一番左が現在のもの 息子さんが製作所を引き継いでいる。

 

だらだらと書いてきて、落ちがやっと分かった。宮島の木工品の一番の魅力は、人が材を見極めて、木取りしてていねいに手仕上げで加工しているところ。人がこうすると美しいと思って作ったものは手に取った人にもその美しさが伝わるのです。そこが、なければ、例え同じデザインが大量に作られて安く仕上がったとしても魅力を感じない道具となってしまう気がします。

安くするために木の木目も見ずに大量に作られたものや石油由来の可塑性の便利な素材が出回っていますが、今一度、ものを使う喜びを大きな価値として考え、ものを選んでいきたい。

我が家のポリプロピレンの杓子は、数年前に電気釜をやめてからも台所に存在し続けてきましたが、もう5年という耐久年数をとっくに超えていました。パパを説得して、さようならしたいと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2024年8月 1日 (木)

About Cooking : きつねうどん

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 手間がかかりますが、自分で煮たきつねと出汁も一から取ったものでうどんを食べるのにちょっとはまっています。お揚げは、「手揚げ風」などと呼ばれている厚いお揚げを使います。噛むとじわっと汁が出て、食べ応えもあるので、「肉がない!」と主人も言わないうどんとなります。参考にしたのは、『クロワッサンの本 あの店のあの料理を真似したい』マガジンハウス刊に掲載された「今井」さんのきつねうどんのきつねの炊き方を自分なりにアレンジした分量です。

きつねの炊き方

●材料 

手揚げ風お揚げ  4枚

水 1000㏄

混合削り節(さば、片口いわし)  25g

砂糖 100g

薄口醤油 大さじ5

●作り方 

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① 揚げを鍋に入れ、かぶる位の水を入れ、落とし蓋をして40分くらい煮て、油ぬきをする。

② 水を火にかけ、沸騰したら、混合削り節を入れ、すぐに火を止め、削り節が沈んだら、濾す。

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③ ②に揚げと調味料を入れて、弱火で一時間半ぐらいコトコト煮る。

④ 煮あがったら、そのまま汁につけて味をふくませる。

⑤ 半分に切って、使う。残りは、汁ごと冷凍。

「関西風うどんだし」の作り方(3人分)参考サイト Foodie

●材料

羅臼昆布(合わせ出汁では、真昆布や日高昆布が合うそうです。)5×10㎝くらい

さば、いわしの混合削り節(関東のスーパーで置いている所とないところがあります。にんべんのものを使用)50g

煮干し 5尾

水  1200㏄

薄口醤油 90㏄

みりん  90㏄

うどん、きつね、九条ねぎ

●作り方

① 鍋に水を入れ、昆布、煮干しを入れて弱火にかけ、沸騰直前で昆布を取り出す。

② 混合削り節を入れて弱火のまま、10分ぐらい煮出す。別鍋でうどんを茹でる準備をしておく。

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③ 火を止め、蓋をして1分ほど蒸らす。

④ 出汁を濾す。

⑤ 別の鍋で薄口醤油とみりんを中火にかけ、煮切る。

⑥ ④に分量を1200㏄に水を入れ調整し、⑤を加え、弱火にかけ、沸騰直前で火を止める。

⑦ 茹でたてのうどんを入れ、出汁をはり、きつねと九条ねぎをちらすと、出来上がり。

 

この記事を書いたのは、7月上旬でした。今は、ちょっと日中、台所仕事敬遠気味なので、お揚げの冷凍を刻んで、そうめんの時の具にして食べようっと。

 

 

 

 

 

 

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2024年7月31日 (水)

About Foods:ココナッツ・ウォーター

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 近所の輸入食材もおいているスーパーに行くと、タイ産の「ココナッツ・ウォーター」のパックがならべられていました。No added Sugarと書かれていたので、昔、スリ・ランカに行った時によく飲んだものと一緒であろうと思い、買ってきました。

暑い日でしたので、封を開けて、飲むと、「ああ、この味!」と思いましたし、のどを通ると、スーと体にしみこむ感じがしました。熱中症対策で、「水分を取って!」と家族に耳が痛いくらい、言われる、熱中症気味になりやすい私.どうしたらいいのか、困っているところでしたので、昨日も追加で3本買い込んで、朝から何度も飲んでいます。

1985年に父の仕事に同行して夏にスリ・ランカに行った時に、各地を回りました。その時、現地の生水は飲まないようにしていましたが、唯一、道沿いで薄緑の実をいっぱい台車にぶら下げられて売られていたココナッツの水は、OKで、よくみんなで飲んだものです。

売っている人は片手に、実をのせ、斧のようなもので、先のほうをザクッとスライスして、白い果肉に穴を開けてくれました。そして、直飲み。最初は、青くさくて、甘味もほのかで、「あまり、美味しくない。」というのが、正直な感想でした。しかし、何度も飲んでいると、体に浸み込むことがわかってきて、車での移動中、そろそろ水分補給が必要だなと思う頃は、車窓から屋台を探して、見つけると、「パポ、パポ!」と言って、車を停めてもらい、喜んで飲んでいました。

ヤシの木は、スリ・ランカの海岸部に生えていて、初めての外国の地に降り立つ私にとって暗闇の中、飛行機の窓から下を見た時にモンスターのように地面がヤシの木の茂みに覆われ,人家の明かりは、まばら。日本の景色との違いは、今でも忘れられません。滞在中は、ヤシの実を落とす作業も近くで見せてもらいました。ゴム・ベルトのようなものを幹と胴に巻き、ほいほいと素足で蹴って登っていき、刃物で実を落としていました。若かったけれど、真似できないと思いました。

また、家庭では、ココナッツの実を半割りにして、白い果肉を上を向いた大きな杭のようなもので、ゴシゴシしごくようにおろし、汁を絞って料理に使っていました。これが、ココナッツ・ミルク。これは、缶入りやパックのものが日本でも購入できるので、スリランカ風のカレーの味を食べたい時は、これをを使っていました。スリ・ランカは、海に囲まれた島国なので、魚が豊富に取れ、私は、新鮮な魚の入る「ツナのカレー」をいつも頼んでいました。

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Memories of SLI LANKA   Woodprint             

海岸部に立つ家は、椰子の葉を編んで、壁や屋根に使っていました。ヤシノキは、暮らしに欠かせない植物でした。あーなつかしい。2004年、スマトラ島沖地震の際、スリランカが津波に襲われた時、私に「お茶を飲まない?」と言ってくれた子どもたちが住んでいたその家々のことを案じました。

仕事で一緒の現地の方は、ココナッツ・ウォーターは「体にいい。」と説明してくれましたが、それ以来、飲むこともなかったので、何がいいのか、調べていませんでしたが、先ほどパックのタグについている英語を訳してみると、「天然のスポーツ・ドリンク」、「5つの必須電解質(カルシウム、マグネシウム、リン、カリウム、ナトリウム)」「低カロリー」などと書いてありました。なんか、スポーツ・ドリンクと似ていると思っていましたが、その通りで、こちらの方が、優秀な組成なのだそうです。

青い椰子の実の中にある水で現地でしか飲めなかったものでしたが、このようにパックで日本でも買えることができるようになっていることに今頃、気づき、今年は、スリ・ランカを思い出しながら水分補給に飲んでいこうと思っています。

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2024年6月21日 (金)

Clearly Delicious : フムス

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Homemade Houmous

 おととし、フムスがスーパーで売られていたので、買ってみて、Hummと思い、昨年は、ひよこ豆を買ってきて、『血管をよみがえらせる食事』 コールドウェル・B・エセルスティン・Jr.著 ユサブル刊 を参考に自分で作ってみました。少し、薄味に仕上げたので、こんな感じかな、と思いながら食べていました。そして、今年3月、麻布台ヒルズ・ギャラリーで行われたオラファー・エリアソンの展覧会に行って、ミュージアム・ショップの隣にあったコラボ・カフェ”THE KITCHEN” で偶然食べたまかない飯のプレート料理にのっていたフムスは、とっても美味しかったので、印象がぐっと変わったフムス。下の写真のフォークの先のペーストがフムス。今見ると少し、黒っぽいので、黒ゴマペーストが入っていたのかも。

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スタジオ・オラファー・エリアソンが今回のみのメニュ―を日本人シェフと共同プロデュ―ス。日本の食材、根菜類、梅、麹、海藻などを上手く組み合わせたいわゆるお惣菜がワン・プレートにのっていました。このキッチンの料理本の日本語版も美術出版社より出版されています。買わなきゃ!

自分が最初に作った時より、レモンの酸味やスパイスがもっときりっと効いていました。その美味しかった記憶をたどりながら、この間、購入した『アラン・デュカスのナチュール・レシピ』世界文化社刊のレシピにもフムスが載っていたので参考にしながら、家にあるもので、アレンジして本日作ってみました。見様見真似でやってみた過程をまとめたものです。

●材料 (200mlぐらいの保存瓶2個分ぐらいの量)

ひよこ豆(ガルバンゾー)乾燥 200g

玉ねぎ 1/2個

にんじん 1/3本

ローリエ 1枚

塩  少々

クミン・シード 小さじ1/2

コリアンダー  小さじ1/2

パプリカ・パウダー 小さじ1/2

胡椒  少々

いりごま  大さじ1(タヒニと呼ばれる練りごまペーストを本来は、使うようですが、なかったので)

にんにく Ⅰ片

レモン汁  1/2個分

 

●作り方

① ひよこ豆を水に一晩つけ、ふやかす。

② ひよこ豆を柔らかくなるまで水煮する。(レシピは、香味野菜と一緒に煮るのですが、本を見る前に今回は水煮して柔らかくしています。)

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③ 冷めるまで放置しておき、薄皮をすべて、取り除く。(丁寧バージョン)

④ 皮をむいた玉ねぎの半割、にんじん4つ割り、ローリエ、かぶるくらいの水とともにひよこ豆に野菜のスープを吸い美味しくなるまで再び1時間ぐらい煮る。

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⑤ 煮ている間にクミン、コリアンダー、パプリカ、胡椒、いりごま、にんにくを石臼で粉砕しておく。

⑥ レモン汁を絞っておく。

⑦ ひよこ豆が柔らかく煮あがったら、軽く塩で味付けする。

⑧ ミキサーにひよこ豆、玉ねぎ、にんじん、煮汁半カップぐらい、スパイス類、レモン汁を入れ、粉砕して、ペースト状にする。

⑨ 味を見て、塩味を調整したら、出来上がり。

⑩ 保存瓶に詰める。

フムスは、元々は、アラブやトルコのお料理だそうです。ひよこ豆は、豆類の中でも特に糖質、たんぱく質、ミネラルが豊富でβ-カロチンやビタミンEといった抗酸化物質も含むそうです。

今日は、自家製サワードゥ・ブレッドにたっぷりフムスをのせて、お昼ご飯に食べました。昨年のフムスより、結構、きりっとしながら、甘味、旨味が感じられるフムスが出来上がりました。野菜のディップ・ソースとしても。

腹持ちがいいと思います。ン・でもガスが出るかも。

 

 

 

 

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2024年6月 9日 (日)

Useful Tools : さくらんぼの種取り器

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 サクランボの出回る頃となりました。昔から、サクランボの種を簡単に取ることが出来る道具があると知っていましたが、そこまではいらない、と思っていました。しかし、さくらんぼのクラフティ―を作った時に、種が簡単に抜けるといいなと思うことがありました。

昨年の春、子育てに追われて合羽橋をゆっくり見たことがなかったのですが、一人ぶらりと平日に見て回ることが出来ました。娘時代からいつか行って見たいなと思っていた有名な吉田菓子道具店に初めて行き、隅から隅までまるで博物館のように道具を見させていただきました。古い道具から知らなかったパンチングしてあるパイ皿等、色々あり、勉強になりました。お菓子の型などは、もういろいろあるから、と思っていましたが、ドイツ製のサクランボの種取り器を見つけ、お土産と思って買って帰りました。

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Cherry stoner         WESTMARK                        

クラフティは、また今度作るとして、この道具に先にサクランボを置いて、ハンドルを握ると種のところに短い円柱状の突起がくい込み、種が下に押し出されるといった仕組みで種が取れます。

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いつも食べる自家製ヨーグルトの上にのせて、ほおばると、あら不思議、サクランボが口の中でパチンとはじけ、ぎゅっとかみしめられました。そういえば、種を気にせず、フレッシュなサクランボを食べたことがなかった、と今更のように新食感を楽しみました。

小さい子どもちゃんにもこうして食べさせてあげるといいんだ、と気づきました。

 

 

 

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Clearly Delicious : にんにくのオイル・コンフィ

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 新にんにくが出回っているので、Alain Ducasse氏の”Nature Simple, sain et bon” (翻訳本 世界文化社 2016年初版)という本にのっていた『にんにくのコンフィ』を参考に作ってみました。本当は、ハーブ類は枝付きのフレッシュなものがあれば、ベストなのですが、なかったので、台所にあったドライ・ハーブを使ってみました。

●材料(密封保存瓶 500ml 一瓶分)

新にんにく 3~4個

タイム ドライ使用 小さじ1/2

ローズマリー ドライ 小さじ1

粒黒こしょう 20粒

粗塩  10g

オリーブ・オイル 適量

●作り方

① にんにくは、外側の皮をむき、塊を分け、皮つきのままで大きいものだけを使う。

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② 鍋ににんにくとタイム、ローズマリー、粒黒こしょう、粗塩を入れ、オリーブオイルをにんにくにかぶる位、注ぐ。

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③ 弱火で加熱し、沸騰させないようにして1時間ぐらい加熱したら、出来上がり。

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④ 保存瓶に入れ、冷めたら蓋をする。

 いささか、ドライ・ハーブ類が焦げやすかったと思いますが、出来上がる頃、香ばしい香りが台所から漂い、食欲を刺激。思わず、野菜料理とともに一粒、つぶしながら食べてしまいました。夜ににんにくを食べると、寝つきが悪くなる私でもこの調理法なら安眠。加熱することで、その成分が変化したのでしょう。口臭もなし。自家製天然酵母のカンパーニュのスライスのベースに塗り、具材とともに食べるのも美味しかったです。

 

 

 

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Clearly Delicious : ルバーブのジャム

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 お休みの日、三浦半島に時々ドライブに行きます。そもそもは、鎌倉時代の先祖の土地を訪れる旅でしたが、何度も訪れると、そののんびりとした風土がわかってきて、ただ海を見に行くようになって、ここがいくつかめの心の故郷のようになってきました。いろいろな好きなスポットがあるのですが、必ず立ち寄るのが、三崎の「うらり」。三浦の農・水産物が集まるマーケットです。今回は、ルバーブを見つけたので、4本ぐらいの茎が入ったものを3袋買って帰り、ルバーブ・ジャムを作りました。

ルバーブは、セロリとかフキに似ているのですが、植物学的には、別ものでタデ科ダイオウ属。原生地は、シベリアですが、世界各地で有用な植物として育てられてきたものです。中国では、根を大黄と呼び、下剤として古くから利用。シルクロードの交易では、珍重され、ヨーロッパにも運ばれたそう。葉は毒があるといいますから、かなりのパンチのある植物。赤い色はアントシアニンによるもので、光合成量が少ない場所で育てられると赤みが増したものになるそうで、味に変わりはないそう。イチゴと混ぜて煮るというのも赤味のあるジャムになるよう。

●材料

ルバーブ 4本×3袋 1㎏

グラニュー糖   500g

レモン 1個

●道具、容器等

 ボウル、鍋ともにホウロウ、ガラス、ステンレス製などを使う。

 温度計 あれば、200度まで測れるもの

 密封保存瓶 今回はWECKの200mlを3瓶とアンチョビーの入っていた密封瓶を使用 

  ジャムを煮ている間に保存瓶や蓋の煮沸消毒をしておく。寸胴鍋に水を入れ、布巾を敷いて、瓶を入れ沸かし、5分間煮沸。取り出し、伏せておく。

●作り方

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① ルバーブの筋を取り、1㎝幅に小口切りし、一時間ぐらい水につけあく抜き。水気を切って、分量のグラニュー糖と合わせる。

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② 国産レモンを半分に切り、果汁を絞る。種と皮は、不織布の出し袋に入れておき、果汁とともに①のボウルに入れ、混ぜて一晩ぐらい放置し、水気を出させる。

③ ②をホウロウやステンレスの鍋に入れ、ぐつぐつするまで、強火で加熱。少し弱めて、15分間ぐらいは、かき回さないで、煮詰めていく。

④ 少し、ジャムを取り、冷たい皿の上でとろみがついて固まるようであれば、出来上がり。あるいは、温度計(200度)で測って104度まで達していたら、煮あがり。

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⑤ 表面のアクを取り除き、瓶の7分目まで入れ、ゴムパッキン、蓋。クリップをとめる。

⑥ 寸胴鍋にふきんを敷き、瓶を煮沸し、瓶内を滅菌させる。

⑦ 取り出し、瓶を冷ます。

一度、近所の農家で作ったものを買って少量、作ったことがありましたが、あっという間に食べちゃったので今回は多めに作りました。毎日食べる自家製ヨーグルト、グラノラ☩コラーゲン・パウダーにのせると、すごくおいしくて、グレードアップ。美味しすぎて、食べ過ぎるので要注意。

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2024年1月26日 (金)

My Favorite Desserts : 黒豆と栗のロール・ケーキ

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 ココアを入れたロール・ケーキの試し焼きをしたかったので中に黒豆と栗の甘露煮を入れることに。

おまけに生クリームが家になかったので、クリーム・チーズとヨーグルトで代用してみました。日持ち発酵しているクリームなので10日間は冷蔵庫でも大丈夫。むしろ味が馴染んで作り立てよりも美味しかったような。

●材料 (27㎝角ロール・ケーキ型)

A ココア入りロール生地

卵   3個

グラニュー糖 75g (卵白に半分、卵黄に半分)

薄力粉 60g

コーン・スターチ 15g

ココア   15g

無塩バター 10g

水    小さじ2

B シロップ

グラニュー糖  30g

水       60㏄

ラム酒     小さじ1

C クリームチーズとヨーグルトのクリーム

クリームチーズ 50g

ヨーグルト  100g

板ゼラチン   1枚 3g

D 甘味

黒豆の甘煮   適宜

栗の甘露煮   適宜

 

●作り方

A ロール生地

ブッシュ・ド・ノエルのロール生地を参考に こちら

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B クリーム

クリームチーズとヨーグルトは合わせて,ホイップし、ふっくらしたら、水でふやかしておいて,レンジで加熱して溶かしたゼラチンを混ぜます。

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黒豆と栗の甘露煮を散らします。

米粉で作ることも出来ます。栗のモカ・ロール・ケーキの作り方 こちら

 

 

 

 

 

 

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2024年1月22日 (月)

My Favorite Desserts : ブッシュ・ド・ノエル 2023

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 昨年は、久しぶりにクリスマスにブッシュ・ド・ノエルを作りました。作る度にいろいろな方のレシピを試してみたり、自分で変えて見たりするので、ブログに過去4回ものせながら一度もレシピをのせていませんでした。今回は、家庭を持った息子が「レシピを教えて!」というのでできるだけわかりやすくまとめてみました。

天板は、今まで、オーブン・レンジを買い替える度に生地が同じ量でも厚みが変わるといったことが起きていたので、ロールケーキ用の型(27㎝角)を購入したので、これを使って焼くことに。

2023年のケーキは、卵4個を使いましたが、27㎝四方のロールケーキ型に対して、生地が厚かったので、レシピを卵3個に変更しました。

また、巻いた時に外側が割れてしまったので、レシピでは、溶かしバターと水を少し入れたものにしました。今日、このレシピで試しに作ると、口当たりも軽く焼けましたので、大丈夫です。

まわりに何も塗らないロール・ケーキよりも外側にも生クリームを塗るので、内側のクリームは比較的薄く塗る感じです。

材料 

●ロール生地 (10切れ分)

卵   3個

グラニュー糖  75g (卵白に半分、卵黄に半分入れる)

薄力粉     60g

コーンスターチ 15g 

ココア     15g 

無塩バター   10g

水       小さじ2

 

●シロップ

グラニュー糖  30g

水       60㏄

ラム酒     小さじ1

 

●中に入れるクリーム

サワークリーム  90㏄ (中沢乳業 1パック)

生クリーム    大さじ3 (中沢乳業 乳脂肪45分% 200ml 1パックのうち 残りは外側に使う)

粉砂糖      大さじ2

板ゼラチン    1枚(3gぐらい)

 

●プラリネ

ミックスナッツ  60g ( co-op 3袋 アーモンド、クルミ、カシューナッツ、マカデミアナッツ等)

グラニュー糖   25g

水        10㏄ (小さじ2)

別に栗の甘煮   4粒

 

●まわりのガナッシュ(チョコレート・クリーム) 

生クリーム   150㏄ぐらい (中のクリームに使った大さじ3の残り) 

ダーク・チョコレート  75g (お気に入りは コート・ドール タブレット・ノア・デノアー)

コアントロー、グラン・マルニエ等 小さじ1

 

●飾り

ベリー類  適量

 

〇作り方

A ロール生地作り

① 天板にオーブン・ペーパーを敷きこんでいおく。角は対角線に切り込みを入れると角もきれいに敷ける。

  オーブンは予熱180度

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☆写真は、卵4個ですが、レシピは卵3個 (27㎝角 ロールケーキ型用)にしています。

② 粉類(薄力粉、コーンスターチ、ココア)を合わせてふるっておく。

③ 卵を卵黄と卵白に分け、卵白は電動ミキサーで軽く泡立ててから、グラニュー糖を一つまみ入れ、攪拌。泡立ってきたら、グラニュー糖の半分を入れ、角が立つまでしっかり泡立てる。

④ 卵黄にグラニュー糖(残りの半分)を入れ、もったりするまで泡立てる。(軽く湯煎しながら攪拌するといい。)

④ ③に②を半分ぐらい入れ、しっかり合わせる。残り半分は、ゴムベラなどを使いながら泡をつぶさないように大きく切るように混ぜる。

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⑤ ④に①の粉類をふるいながら、合わせる。どうしても泡が沈むが気にしないで合わせていく。

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⑥ 型に流し込み、パレット・ナイフで表面を平にして、180度に熱したオーブンで10分焼く。

⑦ 焼きあがったら、取り出し、粗熱が取れたら、新しいオーブン・ペーパーをかぶせひっくり返して下に敷いていたオーブン・ペーパーをはがす。

⑧ 再び、ひっくり返し焼き色がついた表面部分を取る。

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⑩ 巻き始めと巻き終わりになる部分を斜め外側に切り、巻き始めの部分と並行に浅く、表面に切り込みを入れる。

⑪ 電子レンジで温めて水とグラニュー糖、ラム酒を合わせておいたものを⑩の表面に刷毛で塗ってしみ込ませる。

 

B 中に入れるプラリネ作り

① 分量のグラニュー糖と水を小鍋に入れ、火にかける。泡立ってしばらくして、一すくいを水を入れた小さな器に入れてみて、小さな水玉のように固まれば、ナッツ類を一気に入れる。

② 一旦、火からおろしかき混ぜていくと、ナッツの表面に結晶化した砂糖が白くついてくる。

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③ 再び火にかけかき混ぜていくと、パチパチと音がしてきて、カラメル状に砂糖が焦げてつやが出てきたら、出来上がり。

④ オーブン・ペーパーの上に広げ、フォークなどで、ナッツ同志を離して、冷ましていく。バターを少量入れると、離れやすい。

⑤ 冷めたら、飾り用にかたちのいいものを取っておき、残りは包丁で5㎜角ぐらいに刻んでおく。

 

C 中に入れるクリーム作り

① 板ゼラチンをふやかしておく。

② サワークリーム、生クリームをボウルに出し、当て氷をしながら、泡立て器で緩めながら、徐々に泡立てていく。

② 粉砂糖を入れ、ふんわりとしたクリームにし、①のゼラチンを入れる。

 

D 巻き

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① ロール生地にCのクリームを広げる。巻き終わり側3㎝ぐらいは、クリームが寄っていくので、塗らなくていい。

② Bのプラリネ、栗を刻んだものを全面にちらす。

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③ オーブン・ペーパーの下に滑り止めにキッチン・タオルをしいておく。巻き始めは、両手の4本指を使って、中心に向かってものさしなどを使ってなるべくきつめに巻き、その後はゆったり巻く。

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④ 下に敷いていたオーブン・ペーパーで覆うように巻き、さらにキッチン・タオルで巻いて、両端を選択ばさみなどでとめて冷蔵庫で冷やしておく。最低でも3時間は冷やし固めたい。冬場は、北側の部屋やベランダなど低温であれば、そこでも。

 

E 外側のガナッシュ(チョコレート・クリーム)作り

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① 板チョコを割って、刻んでボウルに入れる。

② 生クリームを小鍋に入れて温め、軽く沸騰させ、攪拌しながら冷ます。

③ ①に熱い生クリームを回しかける。少し、そのままにしてチョコレートがやわらかくなったら、泡立て器で混ぜあわせ、もったりとしたクリームにしていく。

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④ 香りづけにラム、コアントロー、グラン・マルニエ等を入れてもいい。

 

F まわりのデコレーション

① Dを取り出し、両端を切って断面を揃える。片方を外側に向かって斜めに切り、切り株の上に仮置きしてバランスを見る。よければ、Eのガナッシュを接着剤がわりに塗り、切り株をのせる。

② ①を皿の上に置く。ケーキの下に両脇からオーブン・ペーパーを差し込み、デコレーションの時に、汚れが皿につかないようにカバーする。切り株の断面に合わせて、オーブン・ペーパーを円形に切り、カバーする。

② 絞り出し袋に星形の口金を入れ、背の高いコップのようなものに入れておいてから、Eのガナッシュを入れる。

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④ 幹の端から端まで樹皮の模様のように絞り出していく。上にのせた枝のまわりにも絞り出す。

⑤ パレットナイフを使って、クリームを整える。

⑥ ナッツ、ベリー類を散らし、粉糖を茶漉しなどを使って全体にかける。(ここからは、子どもにまかせると楽しい。)

⑦ 他にもチョコレートのプレートやサンタ・クロースの人形など市販のものを飾ったりして、完成。

 

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まとめ

 甘いだけでは、単調になるので、酸味のあるサワークリーム、苦味のあるダーク・チョコレート、ナッツの香ばしさや噛み応え、ベリー類で見た目の華やかさと口に入れた時の清涼感を取り入れています。

メレンゲで作ったマッシュルームも子どもに人気であったのですが、今回は、なしにしました。

 

2日目ぐらいが一番美味しいかな。クリスマス会の前日に準備しておくとベストです。

 

 

 

 

 

 

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2023年12月25日 (月)

About cooking : 鴨のソテー・カシス・ソース

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 ほぼ毎年,作ってきたクリスマスのお料理。Shun Cooking という千趣会から出版された本の2月号でフランス人の方が紹介されていたレシピをアレンジして作っています。

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🎄材料 ソースは4人分

赤ワイン (カヴェルネ・ソーヴィニオンのタンニンが合います。)     100cc

ポルト酒 100cc (ない時は赤ワインでその分代用)

カシス・ジャム (St.Dalforeがベスト) 100g

固形ブイヨン 1個

水   200cc

塩、黒胡椒   少々

コーン・スターチ 小さじ1

バター 10g

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鴨肉バルバリー種 津軽産 2人分で1枚 (成城石井にて冷凍を購入)

クレソンなどの香味野菜 適量

 

🎄作り方

1. 鴨肉は袋から出し、室温に戻しておく。

2. [ソース作り] 小鍋に赤ワイン,ポルト酒を入れ,強火でアルコールを飛ばす。

3. ブイヨン・キューブ1個と水1カップも加える。

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4. カシスジャムも加え、大体1/3ぐらいに煮詰めていきながら、塩,引き立ての黒胡椒を入れ,味をみる。

5. コーンスターチを少量の水で溶き,様子を見ながらソースに加え、最後にバターを入れる。

6. [ソテー]鴨肉は,焼く30分ぐらい前に筋を切り,皮目の方からも包丁の先で所々刺しておく。塩を両面に振っておく。

7. 温めたフライパンに皮目を下にして強めの中火ぐらいで焼き、いい焼き色がついたら,ひっくり返す。

8. 火を弱火にしてふたをして5分ぐらい火を通す。

9. アルミホイルの光っている面を内側に焼いた鴨肉を包み、まわりを布巾で包んで10分ほど,保温しながら,肉汁を安定させる。

10. 5ミリ厚さにスライスして皿にならべ、香味野菜も添える。

11. カシス・ソースをかけ、完成。

 

今年は、パパと二人のクリスマスイブでしたが,いつも通り作って,満足。

子どもたちもそれぞれの場所でこのカシス・ソースで鴨肉や,鴨肉が手に入らなかった息子は地元の鹿肉を焼いて食べたよう。

クリスマスといえば、この料理が食べたくなる味の思い出となっています。

 

 

 

 

 

 

 

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