2025年1月15日 (水)

About cooking:おせち 2025

D7k_0467-1

 主人の実家に帰省するときは、いつもお重を頼んでくださったので、美味しい北海道の食材のつまったおせち料理をいただいてきました。

肉も魚も野菜から穀物、豆に至るまで全国に美味しいものを提供できるほどの場所なので、自宅に帰る頃には、「もう、この世のごちそうは食べつくした!」という気持ちになるほどでした。孫の顔を見せたい一心で毎年、帰省したものでした。

そんな私たちも今年は、帰省される方になり、掃除や料理のことなど老体に鞭打って、初めてほとんど一人で準備をしました。

子どもたちも独立したり、予定があったりで、わいわい、「こうやるの!」なんて伝えながら、手伝ってくれていたこともかなりの労働力を担っていたんだと、今回は、つくづく感じましたし、パパさんに家事を覚えてもらわないといけない、といったことも感じました。

きれいなデパートのおせち料理のカタログを見ながら、「この手もある。」と思いながら、締め切りを素通りして年末に突入。なんとか、掃除が出来れば、料理はなんとでも、と思ったところがまさかのインフルエンザ。混沌とした頭で、おせちのことを考え、作りたいものだけを作ろうと決めて体調が戻ってきた28日から料理に入りました。

それが、レシピをブログにあげた28日の黒豆、29日の栗きんとん、30日の紅白なますです。それから、お煮しめは31日。

D7k_0472-1

お重から取るものと銘々皿に取り分けておいた方が食べやすいものを分けています。D7k_0470-1

山の幸 伊達巻、★牛肉の八幡巻、よもぎ麩、錦玉子

D7k_0471-1

海の幸 紅白かまぼこ、数の子、★エビの養老煮、昆布巻き

 無印良品の磁器には、銘々にわけておいたほうが食べやすい黒豆,栗きんとん,紅白なますを事前にもって出すようにしています。

ただ、数が足りなかったので、お嫁さんの分も揃えておきたく、数年前から販売されている角鉢、木瓜型の豆皿、小皿など一つずつ追加でクリスマスの日に買いに行きました。もう生産中止ということもありますが、これらは、現在も購入が出来たので、うれしかったです。電車賃の方が高くつく買い物でしたが、12月は宅配業者も忙しいだろうと思い、自分で遠くの大型店舗まで買いに行きました。

イメージ通り、黒豆は角鉢、木瓜型の豆皿には、紅白なます、丸い小皿に栗きんとんを銘々に並べて出すことが出来ました。

センターにひいたのは、注染手ぬぐいの「かまわぬ」さんの手ぬぐい。梅のおしべが紅の地色の上に染め抜かれたもの。年末恒例のポチ袋を購入したと時に丸の内で求めたもの。お重は、深澤真人さんデザインの山田平安堂の長手の黒漆の二段のお重。小鉢は、唐津焼の隆太窯のふちなぶり皿。

そんな器たちも並べて、お重におせちを詰めるのをお嫁さんに手伝ってもらいながら、無事にお正月の朝を迎えることができました。

何風とかどこ風などというものはなく私が過ごしてきた日々の中でいいな、取り入れたいなと思った味やものたちが並びました。

ちなみにテーブルクロスは、結婚以来持ち続けている白い麻のテーブルクロス。

どの色よりも光を反射する白のテーブル・クロスで新しい朝の始まりを迎えるのがベストだと思っています。

 

 

| | | コメント (0)

2025年1月13日 (月)

About cooking : お煮しめ 2025

D7k_0468-1
 今回は、いつもは、筑前煮を作るところをお煮しめに変えてみました。母は、お煮しめを作っていました。こどもの頃は、地味な料理であまりうれしい感じはしなかったけれど、いろいろと下ごしらえのお手伝いをした思い出があります。

そんな私も年齢的に薄味に、ということもあり、久々に高野豆腐の入るお煮しめを作りました。

日本列島の地図でこの2つの煮ものをおせちに作る実施地図作ると九州は、筑前煮なのは、確かであると思いますが、関西以西は、お煮しめ、東日本はどうなのだろう思いますが。筑前煮とはいわず、いり鶏、うま煮という地域もある。名前は違っても、2つの煮ものは根菜の種類もほとんど似ているけれど、油でいためてから煮る、というのが筑前煮で、煮しめは油は使わず、だしで煮るという違いなのだろうと思っています。

実家の母は、煮しめを作っていましたが、具材は,それぞれ煮て最後にちらし寿司のように器に合わせてもっていました。

私が参考にしたレシピは松本忠子さんが雑誌ミセスで紹介した「関西風 煮しめ」です。こちらには、筑前煮には入れない高野豆腐が入ります。またとりのつくねを入れるというものです。高野豆腐は、最近では、手軽に電子レンジで戻しながら粉末付きの煮汁を吸わせるものもあり、昔より調理しやすくなっていることに最近ようやく気付くほど、食べていませんでした。先日、生協で頼んで作ってみるとおかずの一品として十分食べ応えがあり、脂肪分の少ない植物性たんぱく食品としてもっと取り入れようと思っていたところ。

〇材料 (レシピの量を半量にしています。多品種のものを入れ、量が多くなりますので半量で。昆布だしは、前日の晩に水につけておく。)

・煮汁 

 昆布だし 4カップ

 酒 1/4カップ

 塩 小さじ1

 薄口しょう油、砂糖 各大さじ1と1/2

 みりん 1/4カップ

・ゆでたけのこ 1/2本

・里芋 3個 (皮をむいて半分に切る、今回は京芋使用 六角形に面取り)

・干ししいたけ 3枚 (水につけて戻し、軸を取り、そぎ切り)

・にんじん 1本 (1㎝厚さに切り、梅型に抜く)

・レンコン 1節 (皮をむき、1㎝厚さに切り、水にさらす)

・ごぼう 1/2本 (皮をこそげ取り、斜め切りにして水にさらす)

・ゆり根 適宜 (昆布だしに砂糖、塩を少々入れた煮汁で煮る)

・ぎんなん 適宜 (炒って、殻を割って薄皮を取り除いておく)

・高野豆腐 1枚 (手がようやく入るぐらいの湯につけ、皿などで抑え、もどし、厚さ1㎝に切る)

・油揚げ 1枚 (熱湯をかけ油抜き、4㎝幅ぐらいに切る)

・こんにゃく 1/2枚 (1㎝厚さに切り、中心に切り込みを入れ、片方を穴に入れ、たづなこんにゃくにして、ゆでる)

・きぬさや 適宜 (昆布だしでさっとゆがく)ゆがき過ぎて、色が悪くなってしまったので、かわりにグリーン・ピースを使用

・とりつくね団子 (鶏ひき肉を粘りが出るまで混ぜ、調味料を入れ、別鍋に取った上の煮汁の中にお団子を入れて、煮る)

 鶏ひき肉 150g

 卵 1/4個

 しょうが汁 小さじ1/2

 酒、片栗粉 大さじ1/2

 塩 少々

 

〇作り方

① なべに前日からつけておいた昆布と水4カップを沸騰直前まで煮立て、昆布を取り出す。(ゆり根、きぬさやを煮るだしを取っておく)

② みりん以外のすべての調味料を入れて、にんじん、きぬさや、ゆり根以外のすべての材料を入れ、20分煮る。あくを取っていく。

③ 煮汁を別鍋に取り、とりつくねを丸めて落とし、煮ていく。

④ ②にニンジンとみりんを加え、さらに10分ほど煮る。

⑤ 器に④と③の鶏つくね、きぬさや、ゆり根、ぎんなんを散らして出来上がり。

久しぶりに母の煮しめに近いものができました。記憶をたどれば、ぎんなんを歯で割るのも、たづなこんにゃくを作るのも、高野豆腐が戻っているのかを注意してみるのも子どものころのお手伝いの一つでした。

これだけの食品を揃えると、年末の食費は奮発しかない、という大盤振る舞いでしたが、これも一年に一度のハレの食事。昔から家族でとる食事を大切にした証。大地の恵みを盛り込んだものだったことがわかります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| | | コメント (0)

2025年1月12日 (日)

About cooking : 紅白なます 2025

D7k_0445-1

 絶対作りたいおせちの一品は、三浦大根で作る紅白なます。年末、三浦半島に行くことが出来たら、ラッキーですが、今回は、何十年かぶりにインフルエンザになってしまい、そんな時間的余裕は一切ありませんでした。ただ、30日に近くの食材店に行くと、三浦大根があったので、希望通り、紅白なますを作ることが出来ました。青首大根と何が違うかといったら、繊維が柔らかい、透き通っていてきめが細かい舌ざわり、優しい甘味。ふろ吹き大根にすると、それが如実に表れるのですが、生で食べた時も、その違いは、表れるのです。一昨年は、久しぶりに実家でお正月だったので、三浦大根をお土産に持って帰り、ふろ吹き大根を母に作ってあげました。

紅白なますのレシピは、松本和子さんが雑誌『ミセス』に掲載されていたものを参考にさせてもらっています。このレシピのポイントは「二度漬けする」というところ。なますは、ダイコンやニンジンからの水が味付けした後も必ず出てきます。決めたと思った味が変わってしまうということが、子どものころ、おせち作りを手伝っていた時に経験したことがあったので、この松本さんの抜かりのないレシピに飛びついた私でした。

酢は、純米酢と自家製柿酢を使いました。前に熟した柿をもらってきて、保存瓶の中で発酵させて柿酢を作ったものが冷蔵庫に保存してあるので、単体だと酸味が弱いけれど、ブレンドすることで、フルーツのさわやかさと微かな甘味、うま味を感じる酢として主に、すし酢に使ってきました。

〇材料

 ダイコン(三浦大根) 正味800g

 ニンジン (京人参) 正味50g

 イクラ 少々

【下漬け汁】

 酢、昆布だし(前日より昆布を水につけておき、火にかけ沸騰直前で昆布を引き上げたもの) 各1/2カップ

 てんさい糖 1/4カップ

 塩 小さじ1

【本漬け汁】

 酢 (柿酢)1/3カップ

 昆布だし 1/2カップ

 てんさい糖 大さじ3

 塩 小さじ1/2

 

〇作り方

D7k_0440-1

 ① ダイコンはマッチ棒よりも細く、ニンジンは、さらに細く切る。

 ② それぞれに塩少々を振り、しんなりしてきたらしっかり手で絞る。

 ③ 下漬け汁の調味料をよく混ぜて煮溶かして冷まして、②に混ぜ、4~5時間おく。

 ④ ざるに開けて再び水気をきっちり絞り、本漬け用の調味料を合わせて煮溶かし、冷ましたものと合わせ、保存瓶に入れて、保存。

 

 30日に漬けて元日の朝から、銘々の小皿にもり、イクラを少しもって、出しました。冷蔵庫がいっぱいでいれられなかったのですが、酢にしっかり使っているので、大丈夫でした。鏡開きの11日まで、箸休めのように出して食べきりました。最後が一番おいしかったような。

 

 

 

| | | コメント (0)

About Cooking : 栗きんとん 2025

D7k_0437-1

 栗きんとんって手間がかかるのに、スーパーに行くとドテッとプラ容器に入って売られて、なんだか、買う気にはなれません。子どもの頃、母がゆでたサツマイモを姉と杓文字を使って、目の細かい網を張った裏ごし器で一生懸命裏ごししたりしたことを思い出すと、手間をかけてでもその記憶を辿ることをあえてしてみたいと思ってしまい、「簡単、手軽、時短!」が叫ばれる世の中に背を向けている私です。忙しい時期に手間をかけるだけの意味があるのかというと、ただ、自己満足の追憶でしかないのかもしれません。

栗きんとんは29日の午前中、コンロで前日から作っていた黒豆を煮返しているのと並行して作りました。

私は、文化出版局の雑誌『ミセス』に掲載されたり、付録についていた松本和子さんのおせち料理のきんとんの作り方が丁寧な作りなので、参考にさせてもらっています。掲載されていた量の半分量。また、糖分を控えたいので、お砂糖は、てんさい糖に。栗のシロップも甘味をみながら、あまり入れずに仕上げました。くちなしの実できれいな色になりましたが、てんさい糖を入れると、色は栗色になりました。自然な色で甘さを引きずらない美味しい栗きんとんになりました。

必要な道具として裏ごし器がないので、困っていましたが、今回は、油跳ね防止ネットをよく洗って使うと、きめの細かい裏ごしが出来ました。また、裏ごしした芋をさらし布で作った袋に入れ、流水でもみ洗いします。これも手持ちのさらし布を切って、手縫いで両端を急きょ縫って、作りました。

〇材料

サツマイモ 鳴門金時 500g

クチナシの実 1個

栗の甘露煮 一瓶 (10個以上は入っていたかな。)

栗のシロップ 1/2カップ(加減して)

砂糖 150g 低GI 大東製糖「からだにやさしいお砂糖」使用

塩 一つまみ

みりん 大さじ2

 

〇作り方

Photo_20250112164702

① サツマイモは、3cm厚さの輪切りにし、縁から5㎜ほおのところにある輪の内側まで厚く皮をむき、水に落としてさらす。

② クチナシの実は、半分に切り、だしパックに入れておく。

③ 鍋にたっぷりの水を入れ、サツマイモとクチナシの実を加えて、柔らかくなるまでゆでる。

Photo_20250112164701 ④ ざるに上げ、熱いうちに裏ごしをする。

Arai

⑤ さらし布で作った袋に④の芋を入れ、浄水器の水を流しながら芋臭さがなくなるまで、もみ洗いをする。

Neri

⑥ 鍋に⑤の芋と調味料、シロップを合わせ、弱火で40分以上、透き通るような照りが出るまで練り上げる。

⑦ 鍋底に道が出来るようになったら汁気を切った栗の甘露煮を加え、さらに10分ほど軽く混ぜながら火を通す。

⑧ 保存容器に入れ、冷ましてから蓋をして冷蔵庫で保存。

 

おせちの中のデザート。お重に入れないで、栗が一人一粒入るようにして小皿に盛りました。

 

 

 

 

 

 

| | | コメント (0)

About Cooking : 黒豆 2025

D7k_0651

 おせち料理は受験生がいる時など帰省しない時に、その子と二人のお正月を過ごすためにささやかながら、作ってきました。実家にいた頃、黒豆は、母の領分で、夜に無水鍋で炊いて、何日か火を入れていた印象があります。母は、リング・ノートに書いた手書きのお料理の先生に倣ったレシピを見ていて、国産の赤玉ポートワインを入れるのが特徴でした。私は、この味に慣れていて、結婚してから「こんな感じかな。」と適当なのですが、ポルトガル産のPort wineを入れて作るようになっていました。

黒豆は、生協で購入した兵庫の丹波篠山市の小田垣商店のもので大玉特選です。他の料理家の方のレシピも作ったことがあるのですが、この袋に書いてあるレシピは皮は破けずに、中は柔らかく一番上手く煮れますので、空き袋を保管しており、今回も参考にしています。砂糖は。血糖値が上がりにくい低GIの大東製糖の「からだにやさしいお砂糖」を使ってみました。今回は、12月28日から作りました。

〇材料

丹波黒大豆 大玉特選 小田垣商店 200g

水 1000㏄

ポート・ワイン 200㏄ 

砂糖  170g 「からだにやさしいお砂糖」サトウキビ由来100%

しょう油   20ml

塩  小さじ1/3

鉄玉

 

●作り方 取りかかる時間帯も【】に書いています。

① 【朝一番】黒大豆を水で洗ってざるに取ります。

② 厚手の鍋に水とポート・ワインを入れて強火にかけ、沸騰したら調味料全部入れて火を止め、黒大豆を入れて、そのまま5時間くらいつけておきます。

Img_0160

③ 【午後から】再び、中火にかけ、沸騰前に火を弱くして泡を取り、さし水1/2カップぐらいをして、もう一度煮立て、さらにさし水1/2をします。泡は全部取ります。

④ 落とし蓋をし、さらに鍋に蓋をして。吹きこぼれないように弱火で5~6時間煮ます。途中で蓋を取らないようにします。

⑤ 一晩おいて、翌日水の量を確認して足りないようであれば、水を少し足して、豆が柔らかくなるまで弱火で3~4時時間ぐらい煮て火を止め、そのまま味をしみ込ませます。

⑥ 保存容器に入れ、冷蔵庫、あるいは、寒い場所で保管。

D7k_0662

以前ブログに書いたときは、黒豆300gのレシピでしたが、今回は200gのもの。

今年は、生協で頼んだ3Lサイズの黒豆の値段を見て、びっくり!年末年始の食材全般、高かったことが、ここ最近の状況を反映していました。

ただ、上記のように作った黒豆、みんなが「おいしい!」と言ってくれたので、作った甲斐がありました。お砂糖も味が違った要因かも。熟練した職人さんが選別しただけあって、煮あがった時に皮が破れたものがたぶんなかったと思います。

以前、煮た時に皮が破けて、煮汁も濁ってしまった時もありましたので、いい豆を使うこともきれいに仕上がる条件のようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| | | コメント (0)

2024年10月16日 (水)

Useful Tools : 栗の皮むき

D7k_9877

 9月の下旬、生協で頼んだ栗が届きました。我が屋では、カルヴァドスと白ワインで栗を手羽元と蒸し煮にする料理を作るのが定番。でも、今まで出刃包丁で剥いていて、なかなか、気合がいる作業でした。栗の平な面の下の方に少し切り込みを入れて水を張った耐熱容器にいれた栗をレンジで加熱して、温かいうちに出刃包丁の角を切り込みにひっかけて下から上に剥いていました。

D7k_9879

栗むき道具                    suwada

今回は、夏休みに実家に帰った時に見つけた栗の皮むき道具。そういえば、私が母に買ってきたような気がしてきました。これをもらってきていたものがあったことを思い出し、久しぶりに使ってみました。メーカーは、SUWADAと刻印してありました。現在、新型が出ているので、このタイプは、ないのですが、さらに使い勝手がよくなっているのだと思います。

D7k_9891_20241016194701 

生では、使っていませんが、前述のように少し、切込みを入れて、今回は鋳物鍋のStaubに少し水を入れて蒸し、むく栗のみ取り出し、他は、鍋に入れて保温しながら、作業しました。冷めると、むきにくいのです。ギザギザの刃で栗を抑えて、刃が研いである方で皮をむいていきます。

渋皮は、少々残っていても気にならないなので料理で、むいた後、しばらくは、あく抜きのつもりで水に浸しておきました。

D7k_9907

手羽元に対して、栗が多いぐらいでしたが、ブイヨンで炊いたピラフを添えて、こっくり甘じょっぱい、一皿をたいらげました。

この料理のレシピはこちら

 

 

 

 

| | | コメント (0)

2024年9月30日 (月)

My Favorite Desserts : 洋ナシのタルト 2024

D7k_9857  

 9月は、パパのお誕生日だったので、久しぶりに洋ナシのタルトを作りました。比較的簡単なお菓子ですが、しっかり焼かないと生焼けの部分が出来るので、そこを注意して作りました。レシピはこちら

特別に買っておく材料は、洋ナシの缶詰。カルディの洋ナシの缶詰の洋ナシは小ぶりで、タルトの並べる時にちょうど良かったです。

その他、アーモンド・プードル。スライス・アーモンド。

D7k_9848

お休みの日に朝一番にタルト生地を作って、成型前の生地を冷蔵庫で冷やしておきました。

午後3時ぐらいから、タルト生地を伸ばして、型に敷き込み、フォークで穴を開け、冷蔵庫で30分ぐらいは、冷やして休ませます。

これを取り出し、底にオーブン・ペーパーを敷いて、重石を敷いて、180度に加熱しておいたオーブンで焼成。途中で、重石を取り除き、底の部分も焼いておきます。

焼いている間にアーモンド・プードルの入ったクリームを作っておきます。

D7k_9849

クリームをタルトに敷いた後、アーモンド・プードルをふりかけます。これは、洋ナシから水分が出るのを吸わせるため。

タルトを空焼きしている時に、もう一枚の天板で軽く焼いておいたスライス・アーモンドをふりかけ、オーブンで焼成。

D7k_9858

タルト自体もしっかり火が入り、後から入れたクレーム・ダマンドにも火が入り、きつね色に焼き上がりました。

最後にアプリコート。ジャムを表面に塗っておき、つやや酸味をつけて出来上がり。

 

| | | コメント (0)

2024年9月 1日 (日)

Useful Tools : 宮島の杓子

Img_3616

 この夏は、いつものように実家に帰省。宮島が近いので、帰る前にやはり、一度行っておこうと主人と行ってきました。フェリー乗り場で船を待っていると、西の海峡から吹いてくる海風は涼しく、「暑い、あつい!」と家の中にこもっていないで、出かけてよかったと思いました。

フェリーに乗り、海風を感じながら、青空の元、ぽかんと出来ることが何よりの幸せで、自宅では、決して味わうことが出来ない時がここには流れています。長かった大鳥居の工事も2022年の晩秋には終わり、船の上から朱色の大鳥居が海のブルーの色と弥山の原生林の青緑を背後にくっきり映えて見えてきました。亡き父とこうやって、フェリーに身をゆだね、子どもたちとともに「海水浴だ!」「弥山に登ろう!」と宮島を通して、楽しく過ごした家族の思い出がここにはあるな、と思い出していました。そして私がこの世からいなくなってもここには、変わらない自然に囲まれた宮島の姿があるんだなと思いながら宮島に着きました。

今回のお目当ては、数年前に開館した北大路魯山人美術館。町屋を改築した美術館で、コレクションが膨大でした。「これにどんな、料理を盛ったのだろう?」と思いながら、見させていただきました。

帰る道すがら、知人へのお土産を求めに宮島木工製作所に寄らせていただきました。ここの木工品の調理道具を私は、長年いろいろ使っていて愛着があるので、バター・ナイフか手巻き寿司用の小さな杓子のどちらかを買いたいと思っていました。

山櫻のバターナイフのことを書いた記事は こちら

レードルのことを書いた記事はこちら こちら

靴ベラのことを書いた記事は こちら

お店は、作業場兼用で機械や昔作った調理器具の見本や型が壁にかけられています。お目当てのものは、ショーケースの中にあり、それを見せてもらいながら、奥さんと立ち話。木目や色が違うので、「好きなのを選んで!」と言ってくださいました。Img_3635

お土産に購入したバター・ナイフや小さな杓子

ただ、ポロリと「私は、宮島を応援しているので、お宅のを使いますが、実は、主人は、炊飯 器についていたぶつぶつがついたポリプロピレンの杓子の方が好きで・・・。」と話をしたら、奥さんが急に主人の方を向いて「それですよ。それが、うちにとっては、大打撃だったんですよ~!」と口火を切られました。パパは、いきなり、話に引っ張り出された感じでしたが、正直な感想を話し始め、『モノづくり』のコストの話など3人でするようになりました。商売のことは、疎いので何も言えませんでしたが、私なりに木の杓子が好きなことをつぶやいていました。考えをまとめると、

炊いたお米が杓子にくっつきにくいのは、突起をつけやすいポリプロピレン製。価格も安い。だから、そちらに人がなびく。しかし、木の杓子は、急いで乾いたままで使ってしまうとご飯がくっつきますが、使う前にしっかり吸水させて使えば、くっつかない。むしろ炊き立てを蒸らす時に適度の水分をご飯に与えれ、よそいやすくなる。

そして最大の魅力は手触り。無塗装の木に触れるということは、現代の生活では、少ないものです。杓子に触れることは、「自然」を感じるひと時。見た目にも自然の木が水を含んでいく色の変化を見て、安心感を感じている。

値段は、1本1000円~2000円として、32年使っているから、1年間32円~62円。なんてことはない。割れても欠けてもそれが、自然の素材だからと捨てないで愛着を持って使っている。

ポリプロピレンの耐久年数は、どのくらいなのだろうと調べると5年以下。石油由来のプラスチック製品。

あなたは、どちらを選びますか?

私は、実家が宮島の対岸になってから、かれこれ40年近く、平均して年に2回は、行っているけれど、自然環境や建築の美しさも魅力ですが、杓子やお盆、棗などの木地仕上げの美しい木工品を見れることも魅力でした。この島には、それを生業として取り組まれている方が何件かあり、美術科の学生時代、それをのぞかしてもらっては、「私もがんばろう!」と思ったものでした。

でもそもそも、神の島である宮島の木は、昔からむやみに切ることは出来ないことで、原生林の森が今に残され、巨木が現存しています。厳島神社をはじめ大願寺、仁和寺塔頭大聖院などの立派な木造建築が存在しているのは、島外から材料を船に乗せて運んできたのでしょう。そして小さな木工品の加工は、それがいつ頃から始まったのかということを考えていると、青山にある伝統工芸の展示販売をしている青山スクウェアのパンフレットに宮島の木工細工について『鎌倉時代、神社や寺を建てるために鎌倉地方、京都地方から大工、指物師が招かれました。』との記述がありまして、やはりこの産業も歴史のあるものであることを知りました。仏具の加工については、鎌倉彫りが有名ですが、規模は違うけれど、宮島でもその需要があり、技術が育まれたのです。ろくろで作られた木工品が多いのも仏具制作の技術からなのでしょう。

杓子については、1700年代後半、伊予の国から来た誓真和尚が島民の生計のためにと厳島弁財天の琵琶の形からヒントを得てデザインしたのが、始まり。宮島が発祥の地。釜の底の丸みに合うように杓子の先端は丸く仕上げられ、持ち手の長さも人の手に合わせて、太さや長さがデザインされている。日本発の炊飯用オリジナルのデザインの調理道具。

その当時は、今に比べると生産量も少なく材料の木が、島内の材を使って作ったのかもしれません。しかし、現代では、生産量も増えているのでどうしているのだろうかと思っていましたが、今回奥さんと話をしてわかりました。宮島と海を挟んで向かいには、中国山地の山々が連なる森林豊かな場所。対岸の廿日市には、材木港もあり、全国的にも有名な家具メーカー、木質の住宅設備メーカーが軒を連ねている地域。その地域の山々の間伐として切り出された山桜を乾燥してから、宮島に運び、加工に使っているそうです。

建築材料にするのには、不揃いの材ですが、生活道具などの小さな木工品への加工には、充分使える。宮島のいくつかある木工品製作所で、一つひとつ人の目で木の質を見ながら、杓子をはじめとする木工品に加工しているものなのです。

D7k_9764

右から2本が我が家の杓子 母が持っていたものを譲り受けたのでかれこれ40年もの

小さいものは、手巻きずし用 20年前ぐらいに昔あった宮島口の販売コーナーで購入 

一番左が現在のもの 息子さんが製作所を引き継いでいる。

 

だらだらと書いてきて、落ちがやっと分かった。宮島の木工品の一番の魅力は、人が材を見極めて、木取りしてていねいに手仕上げで加工しているところ。人がこうすると美しいと思って作ったものは手に取った人にもその美しさが伝わるのです。そこが、なければ、例え同じデザインが大量に作られて安く仕上がったとしても魅力を感じない道具となってしまう気がします。

安くするために木の木目も見ずに大量に作られたものや石油由来の可塑性の便利な素材が出回っていますが、今一度、ものを使う喜びを大きな価値として考え、ものを選んでいきたい。

我が家のポリプロピレンの杓子は、数年前に電気釜をやめてからも台所に存在し続けてきましたが、もう5年という耐久年数をとっくに超えていました。パパを説得して、さようならしたいと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| | | コメント (0)

2024年8月 1日 (木)

About Cooking : きつねうどん

D7k_9492

 手間がかかりますが、自分で煮たきつねと出汁も一から取ったものでうどんを食べるのにちょっとはまっています。お揚げは、「手揚げ風」などと呼ばれている厚いお揚げを使います。噛むとじわっと汁が出て、食べ応えもあるので、「肉がない!」と主人も言わないうどんとなります。参考にしたのは、『クロワッサンの本 あの店のあの料理を真似したい』マガジンハウス刊に掲載された「今井」さんのきつねうどんのきつねの炊き方を自分なりにアレンジした分量です。

きつねの炊き方

●材料 

手揚げ風お揚げ  4枚

水 1000㏄

混合削り節(さば、片口いわし)  25g

砂糖 100g

薄口醤油 大さじ5

●作り方 

D7k_9482

① 揚げを鍋に入れ、かぶる位の水を入れ、落とし蓋をして40分くらい煮て、油ぬきをする。

② 水を火にかけ、沸騰したら、混合削り節を入れ、すぐに火を止め、削り節が沈んだら、濾す。

D7k_9487

③ ②に揚げと調味料を入れて、弱火で一時間半ぐらいコトコト煮る。

④ 煮あがったら、そのまま汁につけて味をふくませる。

⑤ 半分に切って、使う。残りは、汁ごと冷凍。

「関西風うどんだし」の作り方(3人分)参考サイト Foodie

●材料

羅臼昆布(合わせ出汁では、真昆布や日高昆布が合うそうです。)5×10㎝くらい

さば、いわしの混合削り節(関東のスーパーで置いている所とないところがあります。にんべんのものを使用)50g

煮干し 5尾

水  1200㏄

薄口醤油 90㏄

みりん  90㏄

うどん、きつね、九条ねぎ

●作り方

① 鍋に水を入れ、昆布、煮干しを入れて弱火にかけ、沸騰直前で昆布を取り出す。

② 混合削り節を入れて弱火のまま、10分ぐらい煮出す。別鍋でうどんを茹でる準備をしておく。

D7k_9485

③ 火を止め、蓋をして1分ほど蒸らす。

④ 出汁を濾す。

⑤ 別の鍋で薄口醤油とみりんを中火にかけ、煮切る。

⑥ ④に分量を1200㏄に水を入れ調整し、⑤を加え、弱火にかけ、沸騰直前で火を止める。

⑦ 茹でたてのうどんを入れ、出汁をはり、きつねと九条ねぎをちらすと、出来上がり。

 

この記事を書いたのは、7月上旬でした。今は、ちょっと日中、台所仕事敬遠気味なので、お揚げの冷凍を刻んで、そうめんの時の具にして食べようっと。

 

 

 

 

 

 

| | | コメント (0)

2024年7月31日 (水)

About Foods:ココナッツ・ウォーター

Img_3205

 近所の輸入食材もおいているスーパーに行くと、タイ産の「ココナッツ・ウォーター」のパックがならべられていました。No added Sugarと書かれていたので、昔、スリ・ランカに行った時によく飲んだものと一緒であろうと思い、買ってきました。

暑い日でしたので、封を開けて、飲むと、「ああ、この味!」と思いましたし、のどを通ると、スーと体にしみこむ感じがしました。熱中症対策で、「水分を取って!」と家族に耳が痛いくらい、言われる、熱中症気味になりやすい私.どうしたらいいのか、困っているところでしたので、昨日も追加で3本買い込んで、朝から何度も飲んでいます。

1985年に父の仕事に同行して夏にスリ・ランカに行った時に、各地を回りました。その時、現地の生水は飲まないようにしていましたが、唯一、道沿いで薄緑の実をいっぱい台車にぶら下げられて売られていたココナッツの水は、OKで、よくみんなで飲んだものです。

売っている人は片手に、実をのせ、斧のようなもので、先のほうをザクッとスライスして、白い果肉に穴を開けてくれました。そして、直飲み。最初は、青くさくて、甘味もほのかで、「あまり、美味しくない。」というのが、正直な感想でした。しかし、何度も飲んでいると、体に浸み込むことがわかってきて、車での移動中、そろそろ水分補給が必要だなと思う頃は、車窓から屋台を探して、見つけると、「パポ、パポ!」と言って、車を停めてもらい、喜んで飲んでいました。

ヤシの木は、スリ・ランカの海岸部に生えていて、初めての外国の地に降り立つ私にとって暗闇の中、飛行機の窓から下を見た時にモンスターのように地面がヤシの木の茂みに覆われ,人家の明かりは、まばら。日本の景色との違いは、今でも忘れられません。滞在中は、ヤシの実を落とす作業も近くで見せてもらいました。ゴム・ベルトのようなものを幹と胴に巻き、ほいほいと素足で蹴って登っていき、刃物で実を落としていました。若かったけれど、真似できないと思いました。

また、家庭では、ココナッツの実を半割りにして、白い果肉を上を向いた大きな杭のようなもので、ゴシゴシしごくようにおろし、汁を絞って料理に使っていました。これが、ココナッツ・ミルク。これは、缶入りやパックのものが日本でも購入できるので、スリランカ風のカレーの味を食べたい時は、これをを使っていました。スリ・ランカは、海に囲まれた島国なので、魚が豊富に取れ、私は、新鮮な魚の入る「ツナのカレー」をいつも頼んでいました。

D7k_9614_20240802093901

Memories of SLI LANKA   Woodprint             

海岸部に立つ家は、椰子の葉を編んで、壁や屋根に使っていました。ヤシノキは、暮らしに欠かせない植物でした。あーなつかしい。2004年、スマトラ島沖地震の際、スリランカが津波に襲われた時、私に「お茶を飲まない?」と言ってくれた子どもたちが住んでいたその家々のことを案じました。

仕事で一緒の現地の方は、ココナッツ・ウォーターは「体にいい。」と説明してくれましたが、それ以来、飲むこともなかったので、何がいいのか、調べていませんでしたが、先ほどパックのタグについている英語を訳してみると、「天然のスポーツ・ドリンク」、「5つの必須電解質(カルシウム、マグネシウム、リン、カリウム、ナトリウム)」「低カロリー」などと書いてありました。なんか、スポーツ・ドリンクと似ていると思っていましたが、その通りで、こちらの方が、優秀な組成なのだそうです。

青い椰子の実の中にある水で現地でしか飲めなかったものでしたが、このようにパックで日本でも買えることができるようになっていることに今頃、気づき、今年は、スリ・ランカを思い出しながら水分補給に飲んでいこうと思っています。

| | | コメント (0)

より以前の記事一覧