2009年1月29日 (木)

About An Artist : ジョン ヘンリー ダール :「生活と芸術 - アーツ&クラフツ展」 2

モリスの仕事を手伝った人に弟子の John Henry Dearle という人がいました。18歳でモリスの工房の見習いとなり、モリスが1884年より社会主義運動に力を傾けるようになってから、工房の監督を引き継ぎ、その後50年近くモリス商会の芸術監督を務めたそうです。モリスのスタイルを踏襲しながら、彼自身の才能も開花させた人だと思います。

この人のデザインした柄のサンダーソン社のカーテンをリビングルームにかけているので、ダールについてもう少し作品の実物を見てみたいと思っていました。オークの葉とドングリをデザインしたカーテンは、プリントの版数などは、モリスよりも少ない分、平面的かつ少し現代的。また、植物の描き方がモリスよりもふっくら、模様の動きが大胆な感じです。
展覧会でも名前が確認できたので、携わった作品をじっくり見ました。

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図版は『芸術新潮 特集 ウィリアム モリスの装飾人生  1997 6月号』 新潮社刊より

モリスとともに作ったタペストリーは、『森』という名前のタペストリー。真ん中にライオン、両脇にクジャク、ウサギ、キツネ、カラス。モリスの好きなアカンサスの葉が渦蒔きながら動物たちを囲んでいる。手前にはチューリップ、デージー、ゲウム?、ワスレナグサ、コーンフラワー、スイセンなどが咲いています。わからないものもあり、ヨーロッパに生息する野草の本など見たけれど、ん~特定できない。この植物のデザインがダール担当なのだそうです。

ライオンの顔が優しい。ふと、モリスの風貌を思い出し、「このライオンはモリス自身?」と思いました。子どものころ森を歩くのが好きだったモリス自身がそこに投影されているかのようでした。

言葉が書かれています。『荒れた森の野獣は、静かにたたずみ、動きも急ぎもせず。』

荒れた森というのは、その頃から特に開発が進んだ森のことかな。自然保護、文化財保護の活動も熱心に行ったモリスのメッセージのこもったタペストリー。

タペストリーに使う糸の染めもモリスは天然染料を研究して、染め出し、模様の一つひとつを糸を替えながら織ったのだそうです。微妙なグラデーションや、細かな表現もされ羊毛と絹を使ったもの。

ダールのデザインはやっぱり、ふっくらした形と軽やかなラインかな。他にも会場の作品の中で最も大きい『果樹園または四季のタペストリー』、『装飾刺繍パネル』も ダールのデザインでした。

参考文献『図説 ウィリアム モリス ヴィクトリア朝を越えた巨人』 ダーリング ブルース、 ダーリング 常田益代 著 河出書房新社刊

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2009年1月 6日 (火)

Beautiful things : 薪ストーブ : MORSO

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冬の北海道、日程が合えば、雪の積もる景色を味わえる宿に泊まります。今回、訪れるのが3度目となった宿はフィンランドのログで作られたコテージに泊まれます。そこには、鋳物で作られたストーヴがあります。薪をくべて火を焚くと、やっぱり、あったかく、穏やかな空気が流れ、よかったです。おうちが北国だったら、こんな薪ストーヴ、いいなぁ。

私が、なんと言っても一番好きなところは、側面にあるリスとオークのレリーフ。黒い、鋳物のストーヴという重厚なイメージをかなり和らげているところ。

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リスは、北海道に住むエゾリスに似た耳の毛がふさふさ立っているもの。オークは、ナラのことですが、日本には自生していないヨーローッパナラ。イギリスのナショナル トラストのシンボル マークにも使われていますね。

おうちに帰ってから、刻印されていたMORSOで調べるとデンマークの鋳物ストーヴメーカーの製品でした。
ホームページはこちら  MORSO

日本でも入手できるようです。

ホームページを見ていたら、このMORSOの製品は、世界で最も厳しい環境基準を持つ北欧の The Swan Eco-Label に21の製品が認証されているそうです。

「限りのある化石燃料である石油、石炭、ガスをエネルギーに使うよりも木材という再生可能な資源をストーヴに使うことは、環境に優しいのです。木材が燃えた時に出る二酸化炭素は、長い目で見れば再び植えられた木に吸収されるので、結果的には 炭素中立 Carbon neutral です。
簡単に言えば、Morsoストーヴに木を燃やすことは、温室効果を減らすのに役立ちます。」

との文章があり、へぇーと思ってしまいました。なんだか、木を燃やすことも森林破壊にならないかと思うけれど、また、植えるということを加味すれば、化石燃料を使っていくよりもエコというわけなんですね。

見た目は、クラシックなデザインですが、構造は機能的に設計され、必要最小限度の薪を効率よく燃やすという感じでした。

家庭で、眠るまでの一時、暖をとるのにちょうどいいサイズ。

ストーヴの火を見ながら、北海道での夜は更けていきました。

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2008年9月 6日 (土)

Beautiful things :ソレイアードのプリント

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'La fleur de Maussane' SOULEIADO

8月にコバルトブルーの地色にお花がデザインされた生地で作ったシンプルなバッグを海に持っていったら、なんだか、景色にぴったり。海は日本の地中海、瀬戸内海ですが。街中で持つのとは、気分が違いました。

これは、' ラ フルール ドゥ モーサンヌ ' という名前の生地。ソレイアードのもの。モーサンヌは地中海に面した南フランスの地名でそこに咲くお花をモチーフにデザインしたというもの。海の色、花の色がプリントに反映されています。

色の感覚、どんな作品にせよ、作る人がどんな色を使おうとするかは、その人がどんな自然環境に囲まれているかが深く関わっていくものだと思います。

東京のファッション デザイナーがモノトーンを使うのは、コンクリートに囲まれているから、とか。

シャガールやピカソが晩年、純色がきれめく絵を描いたのは南仏の景色、青い海と鮮やかに咲く花を目の前にしていたから、とか。

それでは、私や子ども達は、どんな色を作品に使うのかな?

私は、置いといて、子ども達には豊かな色彩を使える感性を持たせたいものですね。

今私が住んでいるところは、昔、山だった所の住宅地という環境。緑は街中にしては多い場所。ん~でも人が多い!!

だから、やっぱり私は、お花を育てよう!!!


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2008年8月19日 (火)

Beautiful things : セミの刺繍入りサシュ

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お盆が過ぎ、さすがに日が短くなってきました。西に帰省して東に帰ってきたので、余計に早く暗くなることに気付きました。今年は、昨年の猛暑に比べると、暑いながらも過ごしやすかったように思います。

また、ガソリン代の値上がりの影響でしょうか、外を走る自動車の音が今年は少なかったような。いつもの夏なら、夜、寝る前に車の音が気になるので窓を閉めて、エアコンをつけてたのですが。

おかげで、今年は、夜風や蚊取り線香の匂い、セミの鳴く音を感じながら過ごす晩が多く、ノスタルジックな夏を自宅でも過ごすことができました。

セミの刺繍入りのサシュは、母の友人が南フランス プロバンスの旅行のおみやげにずいぶん前にくださったもの。中にラベンダーの花がカリッと乾燥したものが入っています。いまだに香りがあり、押入れの隅につるしています。ピーター メイルの原作の邦題 『プロバンスの贈り物』 "A Good Year" の映画では、「ラベンダーを線香のように焚いたお皿を夜に窓辺に置いておくと、さそりが来ない。」というシーンがありました。近所にさそりがいないので、実践できませんが、蚊取り線香ならぬ、さそり線香の存在に驚きました。

サシュをいただいた時、「どうしてセミなんだろう?」とその刺繍のモチーフのセンスに疑問を感じましたが、最近ようやく意味がわかってきたような。

南フランスの夏も日本の夏と同じようにセミがあちこちで飛び回り、元気に一斉に鳴き続けるのでしょう。そのセミの力強い生命力をフランスの人は賛美している、という解釈。

そういえば、プロバンサルプリントにもセミをモチーフにしたデザインの布があります。調べるとプロバンスでは、セミは幸福のシンボルだそう。

今、深夜なのですが、耳を澄ますとセミの合唱は、まだ続いています。ということは、そこらじゅう、幸せだっていうことね。


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2007年10月16日 (火)

平山 郁夫展 : Beautiful Things

日曜日、東京国立近代美術館にて行われている平山 郁夫画伯の展覧会に行きました。サブタイトル「祈りの旅路」

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Ikuo Hirayama A Retrospective-Pilgrimage For Peace

平山画伯は今年、77歳になられたそうです。ちょうど、私の父と同世代であり、両親も絵を見るのが好きだったので、子どもの頃から、何度も氏の日本画を見に行きました。今回は、大回顧展であり、2回、3回と見たものもあり、「あっ!この絵!」とかつての私の記憶もよみがえってきました。

シルクロードを渡るらくだの列を黄土色の山並みと砂漠、そして光りがもれる空を背景に描き、大地の広大さを大画面に表現した《絲綢之路天空》1987年

アフガニスタンの大石仏を描いた《バーミャン大石仏》1968年。この絵をはじめて見たとき、子ども心に「どうして、顔を壊したの!」と人間の野蛮な行為に憤りを感じました。それでも、氏が静かに堂々とこの石仏を描いたことにだんだんと人間の持つ赦しの気持ちと穏やかさを覚えた作品。しかし、タリバンによって、再び最近、破壊されたというテレビ映像を目にした時、世界はまだまだ、争いの耐えない世界であることを痛感したこと。

仏教のこと、お釈迦さまのことを知りたくて、子どもと一緒に読んだ「平山郁夫のお釈迦の生涯」という絵本に納められた素晴らしい絵の一連のシリーズ。特に《入涅槃幻想》1961年は、私の好きな世界遺産になっているスリランカのポロンナルワの石仏の涅槃仏陀のイメージと共通する自然体の仏陀の姿が描かれているもの。お釈迦さまが死を迎えようとしている時、季節はずれの沙羅双樹の花が咲き、鳥、リスなどの動物、慕う人々が、集まってきている様子が描かれています。モチーフとなっている動植物のシルエットそれぞれが、デッサンにデッサンを重ねた末の究極のシルエットであり、美しく自然な配置に構成され、臨終の時を、皆が祈りを込めて見守っている瞬間が伝わってきます。

そして、燃える広島の街、黒いシルエットで描かれた原爆ドームを描いた《広島生変図》1979年 この絵は、今年の夏に広島県立美術館で見たばかりでした。子どもも覚えており、すぐに駆け寄って見に行きました。空も真っ赤な炎で包まれている中、不動明王があの怒った顔で、街を見下ろしています。しかし、この不動明王は、原爆への怒りをあらわにしているのではなく、これからの広島の復興をしっかりと見守っているということを知り、心強い支えを感じた絵。

世界の平和を願う街として美しく復興した広島で、この絵を見たことは、子どもにとっても心に残る経験であったと思います。

静かな画面の中に込めたメッセージを読み解きながら、この展覧会を後にして、お堀の水面を見ながら、「芸術の最終目的は鎮魂だ。」と思わず、つぶやいていました。

平山 郁夫 画伯の画業により、一人の鑑賞者として私にもその時々に、メッセージをいただいたと思っています。ありがとうございます。


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2007年7月24日 (火)

Beautiful Things 8:ウィリアム モリスのカーテン

先日、私自身、ウィリアム モリスのデザインしたカーテンだと思っていたリビング ルームのカーテンは、実はモリス商会にいたチーフデザイナーJ.H.Dearleの作品だということが、たまたまカタログを見ていて気がつきました。手元にある、モリスのデザインだと思っていた図案 'Honey suckle 'ハニーサックルもモリスの娘のMay Morris メイ モリスのものでしたし、つるバラの図案 'Sweetbriar' スウィート ブライアーもディールのもの。昔に住んだ家用に作り、現在、洗面所のカーテンとして使っているこのカーテンを調べると、これは、モリスのデザインでした。

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'African Marigold' Linen Cotton Designed by Willam Morris in 1876

今日は、窓辺にかけてみました。色合いが気に入っています。これは、昔、ローム(株)で販売されていたものです。残念ながら、今は手に入りません。

モリス本人のデザインであるにせよ、そうでないにせよ、モリスの美しいと感じた壁紙や布の図柄は、お弟子さんにも、娘さんにも受け継がれ、それぞれに良い、デザインを生み出したと思いました。

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2007年7月17日 (火)

Beautiful Things 7:サンダーソンのカーテン

もう少しで暑い夏になると思うと、緑に適度に湿り気を与えてくれるこの梅雨っぽい空気もなかなかいいなと防衛本能で思ってしまいます。さて、今日は、カーテンのこと。

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'Oak Tree' Design by J.H.Dearle in1896 Fabric by Sanderson(En)

我が家のリビング ルームのカーテンは、日本のナラの葉とは違うのこぎり葉のヨーロッパ ナラ Quercus robur とどんぐりをモチーフにコットン プリントの生地です。

最近、ヨーロッパ ナラも日本で入手可能ですが、西欧では、この樹は、'King of Oak' と呼ばれ、長寿の樹としてあがめ、また、家具材などにも有用であることから大事にされてきた樹。ヨーロッパとその周辺に生えています。

ナショナル トラストのシンボル マークもこの樹ですね。

近所の公園でどんぐりがいっぱい拾えるので、その雰囲気を室内に伝えてくれるので、この柄にしました。色の黄緑色もベランダの植物の色を取り込んでいるようで、気に入っています。

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産業革命で工業化の進んだ19世紀のイギリスで手工芸の重要性、美しさを唱え、デザイン、制作、販売を手がけたウィリアム モリス(1834~1896)。社会主義者であり、そのような社会をめざそうとするメッセージも発信した思想家でもあった人。とても、熱心に仕事をする人だったらしいです。

そのモリスの元で働き、モリス亡き後は、チーフデザイナーとして、モリス商会の壁紙、布、タペストリーのデザインを手がけたジョン ヘンリー ディールがこのカーテンのデザインをしたそうです。

昔、モリスの展覧会に行った時、紙に鉛筆で描いたモリスの下絵のスケッチがとても印象的でした。それは、モリスが何度も描いたり消したりして、線を決めていった跡が伺え、こうやって、アイディアを練っていったのだということが伺えるとても親近感を感じるものでした。

それまで、完璧なモリスの図案しか知らなかったので、舞台裏をのぞかせてもらった気がしました。

そんな、自然を愛し、生活に取り入れようとデザインし、丁寧に作ったモリスの仕事に共感を感じます。実際にモリスの作った家、庭を見にイギリスを訪れてみたいなあと思う旅へのあこがれも持ちながら、どんぐりのカーテンを窓辺に下げています。

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2007年7月16日 (月)

Beautiful Things 6:結び 日本丸

今日は海の日。横浜 みなとみらい地区に保存されている帆船 日本丸の帆を全部張る総帆展帆が行われるので、見に行きました。

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Nippon maru

台風の後の風で、いつもは吹かない北西の風をはらんで、白い帆をいっぱいに張った日本丸。それぞれの帆の解説を聞きながら帆が張られていくのを見ていました。いつもより、日本丸が今日は大きく立派に見えました。

その後、船の見学。デッキに足を踏み入れる場所にセイラーズマットが置かれています。これを見て私も作りたいと思ったのです。日本丸の横にある横浜マリンタイムミュージアムで売られている「Knot 結び」という本を参考に
に私も作り、ベランダに置いています。私のマットはこちら

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Sailor's True Love Mat on the deck of the Nippon Maru


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Napoleon's Bend Mat on the deck of the Nippon Maru

こちらは、ナポレオン マット。どこが違うのかというと、横幅が一山編み込みが少ないですね。どうして、ナポレオンの名前がついているのか、いつか知りたいと思いますが、・・・。

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Sampler

結びの見本が、船内とミュージアムに飾られています。特にロープで、平面を作っているところの写真です。手編みでいろいろなバリエーションが生まれておもしろいですね。

長い航海中に、限られた材料、ロープから生まれた結びの数々。中央の表編みのような模様に編まれているのは、Spanish Mat スパニッシュ マットだそう。どうやって編むのでしょう?やってみたいな。

最後におまけの映像  For Rose Lovers
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Rose Kont

これは、ブルボン ローズ って感じかな?

☆Beautiful Things, ハンドメイド, 住まい・インテリア | | コメント (3)

2007年6月 7日 (木)

Beautiful things 5:KAKIの家具とホワイトキルト展

昨日6月6日から10日(日)まで目黒区美術館区民ギャラリーで行われているKAKIの家具とホワイトキルト展に行ってきました。1989年、富山の立山のふもと粟巣野にあるKAKI工房を訪れてから18年経ち、久しぶりにKAKI工房の作品に触れ、なつかしさと出版された本に感動して本物を訪ねていった自分自身をも思い出しました。

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Dresser 材 ベニマツ

KAKIの家具の美しさは、まさしく「用の美」だと思います。使い勝手が良くて、美しい。長い間、生活道具として人々に使われ、普遍的な形となったもの。そんな形を求めてデザインされた柿谷 誠さんは2004年に亡くなられました。しかし、ご兄弟とその子どもさんたちが、引き続き工房で家具を作っていらっしゃいます。

写真でも分かると思いますが、使われている材の繊維がとても細かく、光っています。これはシベリア産のベニマツ。この美しい材を日本の指物技術 (ネジ 釘を使うのではなく、凸凹を組み合わせるように材を加工するホゾ組仕上げなど)で家具を組み上げていかれます。のみやカンナの手道具による仕上げもていねいで、本当に人間の技の素晴らしさを実感できる家具です。

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1989年の夏、私も本を見ながら作ったベンチを車に積んで、粟巣野を訪ねた際、喜んで作品を見てくださり、仕上げ用のオイルを分けてくださったことなど、お世話になったことを思い出しました。

右下の本「KAKIのウッドワーキング」は、道具の扱い方、手入れの仕方から、家具から小物までの詳しい作り方を紹介した本。自分も手を動かし、家具を作ってみたくなる、イコール夢をふくらませ実現させることの喜びを味わうことの出来る、素晴らしい本

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今回の展示会の会場には昔、あこがれたライティング ビューローや誠さんが絵を描かれていたアトリエを再現したコーナーそして、KAKIのSECOND GENERATION 次世代家具としてサイズがコンパクトで価格もリーズナブルなラインKAKI NEW BASICも展示されていました。また、白のベッドスプレッドのホワイトキルトが優しく家具に掛けられ、リラックスした空気の漂う展示会でした。

会場にいらした誠さんの弟さん柿谷清さんとお話をすることが出来ました。

私もこれから、身の回りの自然を 日々楽しみながら、手を動かし物を作り家族、周りの人々との間に"LIFE IS BEAUTIFUL"と思える日々を重ねていきたいなと思った一日でした。

KAKI 工房さん、マザーズキルトさん、ありがとうございました。


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2007年4月29日 (日)

Beautiful Things 4:モネ 大回顧展

「MONET モネ 大回顧展」を見に、国立新美術館へ行きました。学生時代は、絵描きとしてのモネさんをまた現在は、ガーデナーとしてのモネさんの仕事を追いかけ、ずっと昔からファンです。

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左の本「Monet ジヴェルニー モネのアトリエを訪ねて」の1ページ

スイレンの咲くメダカの住む水鉢を設置し、3年前より、管理しています。ちょうど濃いピンクの花を浮かべた水面の横に濃いブルーの鉢植えのアガパンサスを置くと、ぴったりの組み合わせ。目に焼きついたのですが、その後、モネがこの組み合わせで、作品を描いていたことを発見。

100年も前にモネが筆をとった感動が、現在の私にも伝わってきました。

そんな、体験があるので、モネさんが美しいと感じた「印象」を写すようにキャンパスに描き取った作品は、光り、空気が存在する中で今を生きている私たちにも、同じように感動を伝えてくれます。

本当にすごい不思議な仕事をされたのだなーと思います。

フランスの空気を感じながら、会場を後にする前に花の種を発見。


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Royal fleur (仏)社の花の種 日本ではヴァラリス商会が扱っていらっしゃいます。

それぞれの花の一番、美しい花色を集めたような種袋。モネも選んだかなと思うようなイメージの花たちが咲く種。

発芽率のとても良い種だということです。

一重のあっけらかんとしたタチアオイ、ピンクのルドベキア、ライム色のジニア、アグロステンマ、ゴテチャなどが咲く、サマーフレッシュガーデンMIX,、それから高さの差、花期に差をつけて育てようと思っているヒマワリの種などを入手しました。

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2007年3月 4日 (日)

Beautiful Things 3:千住博展

今日が最終日であった千住博展 -フィラデルフィア 「松風荘」襖絵を中心に-を2月の上旬に見に行っておりました。やはり、素晴らしかったので、ご紹介いたします。

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Fusuma Painting of Philadelphia's Shofuso

会場に入ると、まだ、木枠などなく、仕立てられていない状態の襖絵が、会場の壁面に展示されていました。部屋は薄暗いのですが、この静かに、豊かに流れ落ちる滝の水面あたりにライトがあてられ、視線を集中させられました。

何種類もの滝が流れ落ちる様が、部屋を取り囲むように飾られ、圧倒され、最初言葉を失った状態でした。今、思うと、絵を見ながら、聞こえるはずのない滝の音を心に響かせようとしながら、見ていたのかもしれません。


部屋の中心には、日本庭園においてあるような長いすが置いてあり、私も座ってただ、ぼーっと滝の絵を眺めていました。

オランジェリー美術館の壁面を飾るモネの「睡蓮」の絵に囲まれた時のような、自然の中に素直に身を置いた気持ちになり、千住博さんは、「日本のモネ、印象派だ。」と思わす、口走ってしまいました。


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千住博さんの絵に初めて見たのは、求竜堂から出された画集。ハワイの溶岩台地を何枚も何枚も描いたもの。その頃、私は自然の美しさに比べれば、人間の作り出す作品は足元にも及ばないのではと自分自身の油絵制作のモチーフに悩んでいたころでした。こげ茶色っぽいモノクロームな絵は、自然の作り出した色、形に敬意を払い、それを画面に反映したいとひたむきに挑戦的に画家が描いたところが心に残る絵でした。

今回の作品展では、学生時代の作品も展示され、千住さんも絵のモチーフについて試行錯誤された末、最近の作品群が生まれてきたことがうかがうことが出来ました。

いつの時代でも、人の心を捕らえる作品はそれを作り出す人のひたむきな心を反映するもの。ただ、「きれいだから。」と美術作品を見ることも多々あると思いますが、その人の生き様も重ねて見ていくことで人として共感を覚えたり、勇気付けられることがあります。それこそが、本当は作品を見せてもらうことの意味だと思っています。

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2007年3月 3日 (土)

Beautiful Things 2:浄法寺塗り 朱塗り大鉢

今日は、雛祭りだったので、ちらし寿司と蛤のお吸い物を作りお祝いしました。ちらし寿司を盛るのにこの漆器を毎年使います。

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朱塗り大鉢 南部漆器 浄法寺塗り (岩手県 花巻市 漆器の君塚)

これは、木地の厚味がかなりあり、丸みを帯びた形。持つとぽってりしています。またそのシンプルさが、現代生活にも取り入れやすいところが、とても気に入っています。漆の朱の色も決して派手すぎず、いい色。

偶然、旅行した際にこの器に出会いました。そのとき、本当にきれいだなとショーウィンドウを覗き込んでいました。それは、私にもこの器は使えそうな気がしたからでしょう。

今回、紹介するのあたって調べると、その魅力の秘密がわかったよう。

岩手県の浄法寺一帯は、国内でも有数な良質な漆の産地で、その量も豊かであったため、1000年前から、漆器がさかんに作られるようになったそうです。また、北国でたくましく育ったケヤキ、トチ、ホオなどを木地として使っていきます。職人さんがろくろできれいに削り、使い勝手の良い形に成形します。何度も何度も時間をかけて漆を重ねていく技は、本当に自然の恵みを有効に利用した、人間の知恵と美意識から生まれたもの。

現在国内で使われている漆の99%は輸入。浄法寺塗りのように、漆から地域で生産しているところは、稀。この地域の方々が大切に育てた漆を大事に漆器製作に使っている愛情が、何も知らなかった私にもちゃんと伝わっていたのだと気付きました。

漆は、器の表面につやのある美しい塗膜を作りながらも、木地の調湿性を妨げない、素晴らしい表面仕上げ塗料。英語で漆を lacquer または、 japan というそうで、この漆工芸は本当に日本を代表するもの。私たち自身もそれを知り、大事にしていきたいクラフトだと思いました。

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2006年11月 9日 (木)

Beautiful Things 1:ウェッジ ウッドの箱のデザイン THE BEST OF BRITISH DESIGN EXHIBITION

先日、新宿のリビング デザインセンターOZONEに出かけました。ちょうど、'DESIGN UK06’というイベントの中の展示が会場にしてあったので、のぞいてみました。いろいろと、若い方から有名な方まで、これから注目を集めるであろう作品が展示紹介されていました。

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  Wedgewood package design From Jasper Collection

これは、古代ギリシャをモチーフにした図柄が砂を混ぜたような純白と碧色との顔料で仕上げてありました。この色が非常にきれいで、地中海をイメージさせました。


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  Wedgewood Package design  Harlequin Collection 

これも現代のデザイナーが、ロココ趣味的なデザインを取り入れたもの。かわいいですよね。


これらの箱以外には、横浜の国際大桟橋 フェリーターミナルの設計をしたFOAの展示などもありました。たまたま訪れたのですが、英国デザインの今を伝える、大規模なイベントであったことがわかりました。

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