About An Artist : ジョン ヘンリー ダール :「生活と芸術 - アーツ&クラフツ展」 2
モリスの仕事を手伝った人に弟子の John Henry Dearle という人がいました。18歳でモリスの工房の見習いとなり、モリスが1884年より社会主義運動に力を傾けるようになってから、工房の監督を引き継ぎ、その後50年近くモリス商会の芸術監督を務めたそうです。モリスのスタイルを踏襲しながら、彼自身の才能も開花させた人だと思います。
この人のデザインした柄のサンダーソン社のカーテンをリビングルームにかけているので、ダールについてもう少し作品の実物を見てみたいと思っていました。オークの葉とドングリをデザインしたカーテンは、プリントの版数などは、モリスよりも少ない分、平面的かつ少し現代的。また、植物の描き方がモリスよりもふっくら、模様の動きが大胆な感じです。
展覧会でも名前が確認できたので、携わった作品をじっくり見ました。

図版は『芸術新潮 特集 ウィリアム モリスの装飾人生 1997 6月号』 新潮社刊より
モリスとともに作ったタペストリーは、『森』という名前のタペストリー。真ん中にライオン、両脇にクジャク、ウサギ、キツネ、カラス。モリスの好きなアカンサスの葉が渦蒔きながら動物たちを囲んでいる。手前にはチューリップ、デージー、ゲウム?、ワスレナグサ、コーンフラワー、スイセンなどが咲いています。わからないものもあり、ヨーロッパに生息する野草の本など見たけれど、ん~特定できない。この植物のデザインがダール担当なのだそうです。
ライオンの顔が優しい。ふと、モリスの風貌を思い出し、「このライオンはモリス自身?」と思いました。子どものころ森を歩くのが好きだったモリス自身がそこに投影されているかのようでした。
言葉が書かれています。『荒れた森の野獣は、静かにたたずみ、動きも急ぎもせず。』
荒れた森というのは、その頃から特に開発が進んだ森のことかな。自然保護、文化財保護の活動も熱心に行ったモリスのメッセージのこもったタペストリー。
タペストリーに使う糸の染めもモリスは天然染料を研究して、染め出し、模様の一つひとつを糸を替えながら織ったのだそうです。微妙なグラデーションや、細かな表現もされ羊毛と絹を使ったもの。
ダールのデザインはやっぱり、ふっくらした形と軽やかなラインかな。他にも会場の作品の中で最も大きい『果樹園または四季のタペストリー』、『装飾刺繍パネル』も ダールのデザインでした。
参考文献『図説 ウィリアム モリス ヴィクトリア朝を越えた巨人』 ダーリング ブルース、 ダーリング 常田益代 著 河出書房新社刊
























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