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2024年7月 6日 (土)

Visiting a garden : 北海道大学植物園

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Botanic Garden, Hokkaido University          Jun.28.2024

 6月の末、結婚式があったので札幌に行きました。札幌に行くのは、いつも年末年始の頃で雪の中。今回は、大通り公園のバラ園を見て、北大植物園へ行きした。閉園までの時間が40分間でしたので、受付にあった『見ごろ情報』を頼りに回りました。

灌木園の場所には、花が咲いているものが多いようなので、巨木に囲まれた誰もいない散策路を地図を頼りにざくざく歩いていきました。

園芸品種では、名前を知っているなと思ってもここにあるのは、原種のものが多く、森の中でひっそり咲いているのをひとり占め状態で鑑賞できました。

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Hydrangea serrata var. yesoenisis

特に、印象に残ったのは、エゾアジサイです。鎌倉の明月院のアジサイを初めて見た時、品種を調べていたら、ホンアジサイ(ガクアジサイ)とエゾアジサイの交雑から生まれたということを知りました。そこから、「エゾアジサイ」は、開花しているのをなかなか見れないだろうな、と思っていたアジサイなので、今回、見ることが出来て、とてもうれしかったのです。とても美しい水色をして、楚々と咲く姿が気高く心に残りました。明月院に行った時のブログはこちら

今年の2月、サッポロっ子としては、珍しく2月5日の関東で雪が降った時に脚を滑らせ、足首を骨折してしまった主人は、あまり散策できずに建物付近にいたので、この写真を見せると「そこらで咲いているアジサイとどこが、違うの?」と聞いてきました。

「う~ん、葉っぱに艶がなかったよ。きれいなブルーなんだよ。」と言うと、「もっと、牧野富太郎みたいに言ってよ。」と朝ドラをしっかり録画してみていて、セリフもちゃんと聞いていたのか、難しいことを言ってきました。

植物好きな私としては未消化な感じがずっとしていて家に帰ってからも、写真を見て「葉っぱの先が尖っていたなー」とか、「葉っぱはセイヨウアジサイよりも薄かったよ。ダーク・グリーン!」と追加コメントを言ったりしていました。

そして、少し盛りを過ぎた職場で咲いていたセイヨウガクアジサイを見つけ、じっとエゾアジサイと比較するように見ると、装飾花と呼ばれるガクの部分の形がエゾアジサイは、「尖っている」ことがわかりました。厚みも薄い、ダブル装飾花ではなく、シングル、花序の大きさは直径12~13㎝ぐらいかな、とか。

エゾアジサイは、葉も装飾花も先が尖っている(余談ですが、園で見かけたエゾリスの耳も尖っている)ので、なんだか、野生の気品を感じさせる植物のように見える、と私なりに「植物の色、形の違いによる美を感じさせる要素」なるものを整理しました。これは、主人には、もう説明していませんが。

とにかく、この出会いは、貴重なものでした。

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Ribes sativum

近くに実をつけていたアカスグリ。思わず、誰もいないので、指でつまみたくなる程、つやがあり赤くなった実をつけていました。

祖母は、札幌の女学校に行ったので、高齢でベッドで寝ていた頃、側にいると「札幌で食べたクロスグリのジャムが美味しかったのよね。」という話をしてくれました。子どもの頃、そんなものを食べたことがなかったので、札幌ってなんてハイカラな所なんだろうと想像を膨らませていたことを思い出しました。

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Ulmus davidiana var.japonica

また、ハルニレの森では、「自生していたハルニレの樹々を残した。」という説明を見て、祖父もこの場所に立ってこのハルニレを見たかも、と思い、調べてみました。樹齢150~200年ぐらいということで、明治時代に札幌農学校の林学科で学んだ祖父は、この植物園で学んだことは間違いないと思いました。卒寿を過ぎた自称 ”元祖 山ガール” の母にこのハルニレの森の動画を送りました。

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Sahalin Husky ”Taro”      

そして縁のあるもの最後にもう一つ、南極観測に連れて行かれたタロウの剥製が展示されていました。東京国立科学博物館で南極展が開かれた時、タロウもジロウも並べられて展示され、父、夫、息子と見たのですが、それ以来、タロウは、久しぶりの対面でした。

南極から戻ってきてから、ここで飼育され、余生を過ごし天に召されたそうです。タロウは、私の父が南極で実際、「エサをやったよ。」と話していた犬で、南極で生き抜いたそのたくましい話は、聞いたり、報道されたり、映画化もされたた犬でした。

父が世話をしたというタロウは、アパート住まいで犬が飼えなかった私にとって唯一、身近なワンちゃんとしてとらえていた犬でした。

父は、その後、私がアルバイト先の部長さんから譲り受けた犬を飼うようになってからも「犬は犬。人間のように甘やかしてはいけない。」と言って、接していました。今のようにワンちゃんを子どものように飼う姿には、相容れないものがありました。

そんなこんなの北大植物園。ここを歩きながら、「進路選択を誤った。北大農学部に進学したかった。」と来年還暦を迎える私は、正直に思いました。

札幌生まれの主人と結婚することになって、初めて北海道の地を踏み、帰省の際に訪れる場所となった私ですが、それだけではない祖父、祖母の時代からの縁をこの土地は持っていることを改めて感じさせてくれた北大植物園でありました。

 

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