The Cinema : The postman from Nagasaki 長崎の郵便配達
独身時代、Ralph Laurenの広告写真がとってもかっこよくて、その世界観に憧れて、背伸びしてお洋服を買っていました。素材や縫製もよくて、実は今でも数点現役。ベルトはヴィンテージ感が出て、娘が使ってくれています。そのブランド・イメージを強烈にしたのが、モデルの Isabella Townsend イザベラ・タウンゼントさんの凛とした美しさ。ただの美人さんではなくて、風景の中で遠くを見つける眼差しや子どもと一緒のシーンなら母性やたくましさを感じさせるもので、「こんな女性になりたいなー」なんて一枚の写真から物語を感じさせるものでした。写真家は、Bruce Weber。
2019年9月、沖縄のやちむんを展示しているギャラリーで彼女の写真が載った映画のチラシを見つけました。映画監督の川瀬美香さんの新しい映画の『長崎の郵便配達』という映画で、イザベラさんのお父様が1982年、長崎に行き、取材した16歳の時に被爆した谷口さんの話をまとめたドキュメンタリー小説 ”The Postman’s from Nagasaki” の舞台に娘のイザベラさんが訪れるというドキュメンタリー映画のようでした。映画の公式サイトはこちら
公開された時には、絶対に行こうと思っていたら、コロナの影響で公開の予定が立たなくなってしまいました。監督のブログを時々チェックしていましたが、かなりの待機状態となっていました。この間、イザベラさんと彼女の娘さんと長崎の高校生がオンラインで話をする機会を持ったり、広島の映画祭で上演したりしたようでしたが、劇場公開も決まらず…の状態であったようでした。
そして、先月、インスタグラムでイザべラさんの近況を伝えるコメントを見たら、「映画が8月5日から公開されることになった!」と書いてあり、日本でのこの夏公開のことを知った次第です。
映画はイザベラさんがお父様が長崎を歩いた場所や感じたことを文章や音声テープから辿る旅で、亡きお父様への彼女の心の隙間を満たしたことでしょう。さらに被爆地である長崎のことを彼女自身が一人の人間として知ることで、彼女自身が平和への願いを確固としていった旅となっていったのではと推測しています。
私の父も、海外に長期滞在が多く、子どもとしては、ちょっと寂しかったような気もします。しかし、むしろ必ずスライドやビデオを見せて現地の様子を話してくれたので「こんな場所が世界にはあるんだ。」と自分の世界観に影響を与えてくれました。
私は父の仕事の関係で広島で生まれ育ったので、原爆に関してもいろいろな話を聞いてきました。今でも帰省する度に必ず平和公園に必ず立ち寄り、平和への誓いを心に刻みます。
以前は、遠い国の美しいミューズのような存在であったイザベラさんがこの映画を通じて、より現実にこの世界をともに生きる人間として共感を抱く存在となっていくような気がします。
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