« Visiting a garden : 曹源池庭園 天龍寺  | トップページ | The Roses : Academie d'Orleans 2022 »

2022年4月16日 (土)

Visiting a garden : 三法院庭園 醍醐寺 京都

Img_2527_20220416190601

 Daigo-ji                 Apr.4.2022

 帰省の帰り、京都に5時間滞在。まだ行ったことがない醍醐寺に行ってきました。貞観16年(874年)空海の孫弟子にあたる聖宝理源大師により開創された真言宗のお寺です。訪れてみたいと思ったのは、日本画家の奥田土牛さんがこの寺の桜を描いた『醍醐』(1972年)を見てから。やっと桜の時期の訪問がかないました。

『醍醐』は切手にも使われましたが、山種美術館で20数年前、実際の作品を見ました。桜を中心に据えたシンプルな構図。春のぼんやりとした空気の中、白壁を背景とした桜のはんなりとした色が優しく、私たち日本人が桜を見る喜びをそのまま表しているような作品。

P1060456

太閤シダレザクラ  

三法院の門をくぐると、多くの人が写真を撮るのに集まっていたので、この木かなと思って近寄ってみました。ちょうど、土塀が曲がっている部分がキーポイントなので、このあたりからかな、とシャッターを切りました。

しだれ花火のように花が下に向けて降るように咲いています。高さは何メートルあるのでしょう。大きな木です。左に伸びていく枝は、朽ちたのでしょうか、切られていましたが確かに「この桜だ。」とわかる枝ぶりでした。

樹齢170年だそうです。

実際の桜を見ると、幹の太さと比べると花の径は案外小さく、絵に描かれた桜は一輪の大きさを大きくふっくら描いていることがわかりました。奥村土牛の『醍醐』は、私達が花見の時に自然と花に近寄って一輪の花を見て、「かわいい。」と感じる気持ちと樹全体を覆う桜色の花のボリュームを見て「春が来たな。」と安堵の気持ちを持つ、両方を一枚の作品で表現していると気が付きました。

さてさて、幸運なことに三法院の特別拝観が行われていましたので、ここは、是非にと、拝観させていただきました。庭園のみ撮影が許可。

表書院と純浄観という2つの建物に面して南側に庭園が広がっていました。

 

Img_2473-1

広い庭園で石が多く使われています。大きなクスノキが築山の奥に生え、高さもぐっと感じる庭です。

Img_2482

ここは、室町時代には、金剛輪院という名前の寝殿があり、元はその南庭として造られた寝殿系庭園であったそうです。

応仁の乱の時に醍醐寺は戦火で焼かれ、多くの建物が焼失しました。その後、豊臣秀吉が晩年に醍醐寺にしばしば花見に訪れるようになり、慶長3年(1598年)有名な「醍醐の花見」を催すために桜を7000本植え、寺の建物を再建。自ら庭園も書院造系庭園に大改造しました。しかし、その年に秀吉が亡くなり、庭は未完成であったので、住職の指揮の元、小堀遠州の片腕として働いていた庭師 賢庭が引き継ぎ、1623年頃に完成させたということです。

小堀遠州は、宣教師から西欧の建築や庭園について学び、幕府関係の建造物に西欧の技法を様々な所で使っており、ここにもその頃珍しかった花壇を作ったようです。また、今もソテツが植えられていますが、南国の植物のソテツもずい分ハイカラであったようです。

表書院に上がらせていただきましたが、襖絵にソテツと孔雀が描かれていました。それも今で言ったら、「パームツリーと・・・、イルカ?ラッセン?」はちょっと違うかな?、とにかく、この土地のものではない、南の植物を楽しむことが流行であったようです。今と同じですね。

Img_2477

三段の滝 高さを持たせた石組で水の流れ落ちる音がお庭に響いていました。

D7k_2182

醍醐寺 冊子撮影

渡り廊下を奥に進むと本堂がありました。そこには、端正なお顔立ちの弥勒菩薩坐像がおられました。全体の高さは1mくらいでしょうか、人、一人拝むのにちょうど良い大きさの仏像で、自然と向き合い手を合わせました。この出会いが今回、一番心に残った時間。建久3年(1192年)後白河院追善のため若き快慶が造った仏像でした。いつもは、非公開(2017年 奈良国立博物館での快慶展で公開)なので、一生に一度の拝観であったような気がします。

Img_2511-1_20220410000901

三法院を出て、奥の伽藍に行く道すがら、多くの桜が開花していました。清瀧殿のまわりに可愛い桜がありました。バラのフェリシテ・エ・パーペチュに似ているような感じ。敷地内の桜は、寄進によって植えられたようで、一本一本に名前の書かれた木札が立てられていました。

Img_2502

清瀧宮のたたずまいと奥の桜の対比が美しかった。

Img_2509_20220416184701 

奥に進むと桜の囲まれて、五重の塔がどっしりと建っていました。軒を支える組み物ががっしり太い塔でした。

天暦5年(951年) 醍醐天皇を弔うために建てられたもの。京都で一番古い木造建築です。1071年も経っています。

 

背後には、笠取山があり、山上には、最初にお堂が建てられた上醍醐があるそうです。そこには、行けませんでしたが、いつか上ってみたいなと思いながら、ここを後にしました。

参考文献

醍醐寺 パンフレット

『日本庭園のみかた』 宮元健次著 学芸出版社

 

 

 

 

 

 

 

 

|

« Visiting a garden : 曹源池庭園 天龍寺  | トップページ | The Roses : Academie d'Orleans 2022 »

ガーデニング」カテゴリの記事

□お庭訪問 Visiting a garden」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« Visiting a garden : 曹源池庭園 天龍寺  | トップページ | The Roses : Academie d'Orleans 2022 »