Wild Fermentation : しば漬け
しば漬け、作ってみました。5月24日から漬け込み、ようやくしば漬けらしい紫蘇の風味と酸味がでてきたので、OK.
きっかけは小倉ヒラクさんの『日本発酵紀行』(D&DRPERTMENT 2019年 初版 )を読んだこと。日本各地の発酵食品を保存料など入れないで、昔ながらのバクテリアの働きのみで食品を加工している産地を訪ねた旅行記でその中にもしば漬けものっていました。京都 大原の辻しば漬け本舗は、塩と茄子のみで作ると紹介されており、読んでいるとこの間、作ったシュークルートと同じ植物性の乳酸菌が風味を変化させる過程と同じだな、と思ったことから。
May.24.2021
生の赤紫蘇が店頭にあるうちにと5月の下旬、高知産の長ナスとともに担いで帰ってきた次第。
●材料
茄子 1㎏ (長なす 8本)
赤紫蘇 1パック (枝付きで800gぐらいを茎から葉をはずすと300gぐらいになる。赤紫蘇がない場合は、漬け物のしそでもいいが、その分、塩分を減らす。)
塩 (ミネラル分の多い海塩がいい。ゲランドの塩を使いました。) 茄子の重量の6~8%ぐらい ここでは、60g=大さじ4
保存瓶 セーラ メイトの3㍑ガラス密閉保存瓶
重しとして、ジッパー付きの保存袋に水を入れて使用
●作り方
①赤紫蘇をさっと水洗いし、ざるに上げ水を切り、水分をふきんで取っておく。
②茄子を洗い、縦に八割し、4㎝ぐらいの長さに切る。水分をふきんで取っておく。
③保存瓶に茄子、紫蘇、塩と繰り返し重ねていく。
④最後に重しをかけますが、最初は、容器の上の方まで茄子、しそのかさがあるので、重しの中の水は少なめにしておく。塩水があふれそうになったら、多少捨ててもよく、重しの水をその分増やす。常に茄子が塩水につかっているようにしないと、空気に触れている部分にカビが生えてくるので、時々チェックしておく。
⑤ふたをして、冷暗所に置く。とはいっても、なかなか場所の確保が難しいけれど、私は台所のエレクタシェルフの下段あたりに置き、なにか異変がないか、気にかけていました。
漬けてから約1ヵ月 June.27.2021
まだまだ、といったところ。紫蘇の色が浸出してきた青紫色の水分に溶け込んでいますが、茄子自体の果肉はまだ白く、味も・・・。
約2か月経過 July.17.2021
青黒かった浸出液がきれいな赤紫に変わってきた。何かが、変わった!ブドウや黒豆やブルーベリーなどにも含まれる色の元、アントシアニンが発酵で出来た酸によって変色した!茄子自体の皮の色は、脱色されたように白くなった後、再び、染め直されたように赤紫色に変わっていきました。
ということは、・・・もうそろそろ、出来上がりかな。
それから浸出液の上部に白いアクのようなものが浮かんできました。これも、シュークルートと一緒の現象。
これは、産膜酵母と呼ばれる好気性のバクテリアで、その下の塩水の浸出液の中にある嫌気性の植物性乳酸菌が活性化する条件になってきたということ。
役者がそろった感があり、取り出して食べてみることに。
茄子の果肉にも赤紫色がしみ込み、食べてみると、・・・しば漬け!着色料などつかってな~い!
ちょっと、自分自身がスーパーのしば漬けの味になれてしまって、それを求めようとする味覚になってしまっているので、いけませんが、
明らかにホームメードな素朴なしば漬け。2カ月ぐらいかかってじっくり最初は、大腸菌、2番目はロイコノストック菌、最後はラクトバチルス菌が優勢になるというバクテリアのリレーで、酸味の元であるアスコルビン酸が作られていったのです。
こうなってから、ちょっと夕飯のおともに出してみたり、お弁当箱のご飯の上の隅にひっそりとしば漬けを置くのが楽しみになってきました。
黙食でお昼にこれを一人でじんわりいただくのが秘かな愉しみ。
Japanese slow food !
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