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2021年5月10日 (月)

Visiting a Garden:香りの庭 港の見える丘公園

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未来のばら園   山下公園            May.3.2021

 先日、朝早く家を出て、7時前に快晴の山下公園に到着。3月のチューリップ フェスティバルの時に開花前のばら園を訪れるとグリーンのつややかな葉が茂り、どのバラも蕾が上がり、スタンバっているな、と思って愉しみにしていたので、この景色は、圧巻。

とにかく、地植えと管理の良さで、バラの株が放射状に生育し、元気の良いバラの姿が見れ、夢のような時間でした。

この場所は1923年の関東大震災後、瓦礫を埋め立て、作られた地域。その5年後に博覧会を開くため、この花壇も作られたそうです。海岸なのでさぞかし風当たりも強いことだと思いますが、日照に影響するようなビルに囲まれた場所ではないので、しっかりバラが育っているよう。

瀬戸内育ちの私の感覚としては、海岸線は南に面していると思いがちですが、ここは北東に面しています。南側は、フランス山などの丘陵があるので、風当たりは、ダイレクトではないのかも。

それから沈床花壇と呼ばれる造りで掘り下げられている場所なので、これがまた、風当たりを弱めているのかな。

2017年に横浜で行われた「全国都市緑花よこはまフェア」を機会にバラ園がリニューアルされ、HT中心であったバラ園が古今の新旧交えた品種を使い、配色よく考えられた植栽に変わっています。

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Rosa ’Jubilee Celebration’   ER, David Austin, U.K ,2002

昨年は、行けませんでしたが、国際バラとガーデニング ショウのなくなったことも相まって、ここ最近、毎年山下公園には訪れています。

今年は、香りの立ち込める中、ただただ、ゆったり楽しませてもらいました。

その後、今までバラの季節には訪れていなかった港の見える丘公園にも足を延ばして行くことにしました。

 

ずっと歩道橋が整備されており、車道沿いを歩くことなしWalking.

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フランス山

フランス軍のキャンプ地、フランス領事館があったことから、この地域はフランス山と呼ばれるそうです。

ここも植栽を以前よりも変更していて、この日は石楠花の花が木陰の中、輝くように咲き、楽しめました。

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ちょうど、この日の次の日、NHKの大河ドラマで横浜の焼き討ちの計画(未遂)を立てている場面がありましたが、そういう事情を踏まえ、1863年、ここにフランス軍が進駐を始めたそうです。横浜港を見下ろせる眺めのいい場所です。

この古い写真は、現地にあった看板を撮影したものですが、手前の円形の花壇や道は当時と同じものが、今も現存していることがわかりました。心の中では、芭蕉の「兵どものゆめのあと」という句が浮かんできました。

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Rosa ’Francis Debreuil’ The Roses,Debreuil,France,1894

 さらに上り、有名な港の見える丘の展望台の先に「香りのばら園」はありました。ここも以前訪れた時は、西洋ツゲが植えられた沈床花壇であったことは、覚えていますが、がらっと変わって、立派なバラ園になっていました。

出迎えてくれたのは、深紅のフランシス・デュブリ―。花びらの形の切れ込みが大きく、花形が綺麗で、しっかり咲いていたので、「最近のバラだろう。」と最初、思いましたが、名前を見て、「あれ?」ということで、家に帰って調べてみると、作出1894年!明治27年・・・。日清戦争!といった頃のバラ。

フランスのリヨンのデュブリ―は、元は仕立屋で晩年から、バラの育種を手掛けたそうです。彼の娘は、Antonie Meilland (Papa) アントニ―・メイアンと結婚し、その娘に捧げられたバラは、20世紀最も有名なバラ ’Mme A Meilland’、あの ’ピース’ だそうです。

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ここも沈床花壇になっています。

英語では’Sunken Garden’ サンクン ガーデンと呼ばれますが、最初、英文を読んでいた時 ’sun’ [太陽」に関係あるのかな、と思ったような…勘違いをしていました。’sink’の過去分詞で受け身の形容詞的用法で「沈められた花壇」という意味になります。

地面を掘り下げ、まわりにカイヅカイブキなどの常緑の針葉樹で囲むことで、花の香りがよくたちこめるように考えられた形をとなっているそうです。ここも階段で1mは下ったような。

4つの香り、ダマスク、フルーツ、ミルラ、ティーの香りで植栽を分けていました。

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Rosa ’Sir Paul Smith’  Climbing Rose, Beales, Britain, 2006

アーチでひときわ目立っていたのが、サー・ポール・スミス。初めて見たのは、国際バラのBarakuraのショーガーデン。濃いめのフューシャ・ピンクが目に飛び込んできたことを思い出します。外側がわずかに色が薄いリバーシブルの花弁であるところも、なかなかExtraordinaly!

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アーチのバラも花盛り。全体のスケール感が山下公園よりもこじんまりして、秘密の花園のよう。

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外周は、ゆったりとしていて、バラを遠くから眺めながら、ベンチで一休み。

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Rosa 'Kazanlik'  Damask Rose  1689     

なかなか、育っているのを見ることが出来ないブルガリアのバラの谷に咲くという精油をとるバラ カザンラク。

ダマスク香とは、このバラ由来。

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Rosa  ’Maigold'     Shrub Rose  Kordes, Geramany, 1953

ジャクリーヌ・デュ・プレの交配親。確かに雄しべがピンク色。あの花の雄しべと花形はここからきている。ミルラ香。

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Rosa ’Duchesse de Brabant’  Tea Rose  Bernerd, France, 1857

とても、かわいく旺盛に咲いていたデュシェス・ドゥ・ブラバン。ピンクの花弁が透けているような感じでフワフワ咲いていた。

陽を浴びて、元気いっぱい。

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最後に登った階段のアーチ。娘が「あのバラが好き!」と言ったのが,これからもっと咲きそうだった中央から左に見えたコーネリア。

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Rosa ’Cornelia’  Hybrid Musk  Pemberton, Britain, 1925

ムスク香の植え込みのところにも咲いていて写真を撮っていました。蕾が幾分赤みが強く出るので、コーネリアとわかる。

国際バラに出た時、このバラを手伝ってくれたMちゃんが持ってきてくれてパーゴラにかぶさるように置いたことを思い出します。

多くの人に「あのバラは何?」と何度も聞かれるほど、女性に大人気でした。

 

一緒に行った娘は、「一番好きな香りは、ミルラかな!」と言っていました。

なんだか、今まで庭巡りに小さな頃からいろいろ連れまわしてきたけれど、(真夏の桂離宮では、彼女は熱中症っぽくなってしまった)初めて「自分はこの花が好き。」とか香りのことも自ら探していたので、やっと楽しんでくれる年になったんだと思い、うれしかった。

映画やイギリスが好きなので、バラのネーミングの由来も話すと興味を持ってくれていたような。

よかった、よかった。人生。いろいろな愉しみが待っている。

 

 

 

 

 

 

 

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