About An Artist : Ryuichi Sakamoto
坂本龍一さんの楽譜で時々、ピアノを弾いています。ピアノの楽譜はいろいろ持っていますが、坂本さんの音楽の響きは、不思議な魅力があります。落ち込んでしまいそうな時は、自分の弾いているピアノの響きでさえ、癒してくれる音楽なのです。
父が他界した年も私は、ピアノを弾いて自分を慰め、ぽっかり空いた心の隙間を音の響きで埋め合わせしていました。
東日本大震災の後もそうだった。こんな時に癒しを含んだ曲は、と思い返せば、バッハ、坂本龍一さん。特に、あの年のクリスマスに坂本さんが銀座のYAMAHAで演奏したものを東北の各地のピアノに伝え、自動演奏させた催しは、感動しました。雑踏の師走の街角に置かれたピアノから『戦場のメリークリスマス』が流れているテレビの映像は、こんなひどい災害にあった方々にも心に灯を届けたいというメッセージが伝わってきました。聞く気持ちになれない人もいたでしょう。でも、思いかけず、足をとめて、聴いて見ようと思った人たちの心に音が染み入っていくような映像を見ました。
私自身、キリスト教の幼稚園や日曜学校に通っていたせいもあり、クリスマスにただサンタクロースがくるからうれしい、と思っている人間ではなく、困っている人のためにこの時期に何かできないかと思う方。
坂本氏の取り組みは、そんな自分の気持ちにもぴったり合って映像を見ながら涙、涙・・・。
私自身が何もできないもどかしさを打ち破ってくれたような気がしました。ありがとうございます。
その後、病気の治療で活動を休まれていましたが、つい最近活動再開、ということでまた新しい音楽を作られていることを楽しみにしているところです。
古くは、YMOの頃より、「この音楽、かっこいい~」と音大のピアノ科に進んだ友達と選んだ『ライディーン』を体育祭の応援団のBGMに使って、はまってしまった頃からのファンでありました。
写真の楽譜は、坂本龍一完全責任編集としてRITTO MUSICより出版された『/05』もの。ちょっとした音も重なりも他の方が採譜したものと違うと弾けばひくほど価値を置くようになってきました。
本屋さんでもう一冊オレンジ色の『/04』もあったのですが、他の方の採譜の楽譜でも持っていた『戦場のメリークリスマス』等が入っていたので、そちらは買わないでいました。
でも今は、後悔。今欲しいと思っても、どうも値段が吊り上がってしまって、ちょっと入手できないのです。
願わくば、RITTO MUSUICさんがもう一度、印刷してくれるといいな~と密かに思っている私です。
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