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2015年8月22日 (土)

Natural Beauty : Mt.Misen

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View from the rope way

久しぶりに宮島の最高峰 弥山(535m)に登りました。といっても行きは、ロープウェーで標高430mまで行き、そのあとは30分ぐらい歩き、頂上へ。帰りは紅葉谷にたどり着く山道を歩いて下りました。

2番目のロープウェーからの眺めは、天気がいいと宮島から南西方面の瀬戸内海が遠くまで見えます。この日は、少しかすんでいたけれど、良く見えた方です。この写真には能美島やおむすびのように見える小黒神島が見えています。

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Top of Mt.Misen

花崗岩の巨岩が山頂付近にゴロゴロしているのが、弥山の特徴。古墳跡のようにも見えますが、自然の造形なのです。宮島を神の島として考えてきたことが、この山頂の景色からもうなずけます。

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山肌がベージュ色をしているのが、瀬戸内海沿岸地域の土地の色。新幹線に乗っていてもこの色を見ると「西日本に入った。」と思う色です。

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Tsuga sieboldii

山頂の展望台の近くに生えていた大きなツガの木。弥山の北側は、天然記念物 弥山原始林に指定されています。このツガ林は、わずかですが、原始林の中心をなしているそうです。葉色がモミよりも明るい。松ぼっくりよりも小さな球果が枝先に垂れ下がっていました。

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紅葉谷を下るコース。大きな岩がゴロゴロして段差のあるうっそうとした森の中の階段を注意深く下りていくと、何やら地鳴りのような低い音がグーグーと聞こえます。娘も気づき、じっとしていると鳥が歩いてきました。二羽いました。

調べてみると、ヤマドリのよう。日本固有種で柿本人麻呂が詠んだ「あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む」の鳥です。谷筋に住むらしく、名前は有名ですが、今ではあまり見ることのできない鳥だそうです。

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こんな岩がゴロゴロした景観が続きました。宮島は松枯れがひどい時期もあり、心配しましたが、大方は照葉広葉樹の林に覆われています。倒木していた木を邪魔にならないように短く切り、そのままこの場所で朽ちさせていくようにしているようです。運び出す際に重機を入れると道が必要になったりして、原始林の自然環境を変えてしまうからです。

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下るともっと大きな岩が転がっている場所もありました。これは、1945年9月の枕崎台風により、この紅葉谷川の上流域が大崩壊し、中流域には巨石を堆積させたものでした。またその土砂は厳島神社の境内を覆う被害をもたらしたということです。

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その時の復旧工事と砂防工事を行う上で、渓流の景色を大事にしながら造園や石工の工事を行ったそうです。
現地の材料を使い、木をなるべく切らず、コンクリート面を出さないようの配慮したそうです。そういえば、子どもの時に、紅葉谷から弥山を上った時に、自然の景色だとばかり思った川筋の景色だけれど、ところどころの堰があることを不思議に思ったものでした。

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イロハモミジの葉裏を眺める余裕のある紅葉谷公園のあたりまで下りてきて、ほっと一息。娘の膝は、途中、本当にガタガタ笑っていました。皆、転んだりしないでどうにか無事に下りました。

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右上のピークが弥山です。下りてきた一帯の原始林も、厳島神社殿に関わる建造物とともに世界文化遺産に登録されています。景観的にもこの原始林の深い青緑があるからこそ朱色の建造物が美しく見える。

というより、この島の自然そのものに神が宿ると考えた心が、美しい社殿を作らせたと考えた方が正しいのです。

そんな自然へのリスペクトを絶えず持ち、現代の人も暮らしていきたいものです。


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