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2015年3月24日 (火)

The Roses : 花の女神 フローラのバラ

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               『ボッティチェッリと花の都フィレンツェ』     博雅堂出版

ボッティチェリの《春》について本を読んでいると、『あたたかい春の風につつまれて、あたり一面 色とりどりの花が咲く野原を、フローラはバラの花をまき散らしながら、かろやかに歩いていきます。』という文章に出会いました。

それは、「まさに今!フローラがバラの花をまき散らしてくれる頃になってきた!」とギリシャ神話的に季節を感じるのもおもしろいですね。

図版をじっと見ていると、花の女神 フローラのドレスには、枝葉のついたうすいピンクのバラのベルトが巻かれ、
ドレスの白い生地の上には、カーネーション、ヤグルマソウ、バラ、タンポポの花が描かれています。ボッティチェリは、それぞれの花言葉を理解して、植物を描いたそうです。

ドレスをたくし上げて、抱え込んでいるは、白とピンクのバラ、それから濃いピンクのカーネーション?
ふと、「この時代、ボッティチェリは、どんなバラを見て描いたのだろう?」と思うようになりました。

メディチ家は、庭園を造らせ、バラも植えていたそうで、絵に描かれているバラもその当時、とても美しく咲いていたバラを登場させた思われます。

そこで、絵から判断して、薄いピンク色の丸い花びらが重なるシャローカップ状の大きさ6~7㎝前後のバラと仮説を立てて、

①バラの事典 RHSの『Encyclopedia of Roses』や
②イギリスのPeter Beales氏の『A Passion for Roses』、
③『The Peter Beales Collection Classic Roses』 Beales氏のバラのカタログ
④タキイ園芸連載 小山内健氏 『奥深きバラの世界』2009年をひっくり返しては探してみました。

ルネサンス期ボッティチェリの”Primavera”に描かれているとなると、15世紀に存在していたバラ。花色と花形をたよりに見ていきました。

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そして「これではないかな?」というアルバ系のバラを見つけました。

'Alba Maxima' ①c.1700 ②15th or before ③16世紀 ④1500年以前
'Celestial' ①c.1820 ②First noted  Ancient   ③古い品種  ④1739
'Chloris' ①c.1759 ②First noted  Ancient  ③1848年以前  ④1835年以前
'Maiden's Blush' ①1550  ②15th or earlier ③15th  ④1797年

アルバ マキシマは、最初は、ピンクがかった色でだんだん白くなる花だそうで、もしかしたら、フローラが2色のバラを抱えていることからすると、この品種?

セレスティアルとクロリスも最初は年代を見て、却下しましたが、本によって、違うので、「いや、待てよ。」と思って、候補。特にクロリスは、名前がフローラの右に描かれて口から花を吐き出しているのがクロリスなので、その名前から由来しているバラなので、これ?(クロリスはフローラにやがて変身する。)

メイデンズ ブラッシュは、ちょっと、花びらの巻き方がゆるく、違うんじゃないかな、とも思われますが優しげな雰囲気が女神のバラにふさわしい感じがします。

バラの大家であったPeter Beales氏にとって、特にこのMaiden's Blushは、最も美しいバラの一つとして位置づけされていました。

それは、祖父母の元で育てられていた四歳の頃、おばあさんにこのバラを教えてもらい、鼻を近づけて素晴らしい香りをかいだことがきっかけとなり、バラに興味を持つようになり、、園芸の世界に足を踏み入れることになったということでした。

『もしも、遠くの島に行くならば、間違いなくこのバラを選ぶ。』と書いているほど、好きなバラだったようです。

Peter Beales氏の好きな本The Flower Garden(1839年)には、『アルバ系は42種類ぐらいは、存在していたが、現在は、12種類ぐらいしか存在しない。』と書かれてあり、まったく同じものは、もう存在しないかもしれませんが、アルバ系のバラであったことは、日本の園芸の専門家の方も書かれていました。

ボッティチェリは、いったいどのバラを見て描いたのでしょう。


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