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2012年10月12日 (金)

Home Music : Gabriel's Oboe

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最近、お家の中で流行っている音楽が『ガブリエルのオーボエ』という曲です。
Sax奏者の須川展也さんのCD [『ARIAS アリア』の中にソプラノ サックスで演奏した美しいカヴァーが入っており、非常に美しく、ほろっとくるような感動的な調べです。

先日もNHKの『ららら クラシック』で須川さんがこの曲を演奏されていました。背景を知らなかったので、調べてみることに。

この曲は、『New cinema paradaise』、『海の上のピアニスト』、『Marena』などの映画音楽の作曲で有名なイタリアのEnrico Moriconneが映画『The Missions』のために作った作品。映画の中でどんな場面で使われていたのかを知りたくて、レンタルして見ました。

映画『ミッション』は、1986年公開のイギリス映画。ポルトガルやスペイン人の出てくる映画だけれど、英語をしゃべっているのが、不思議な感じ。十字架に縛られた人が滝から落ちるシーンから始まっていくシーンは公開当時有名だったことを思い出しました。

18世紀頃の設定。イエズス会の宣教師が南米の奥地に布教していく様子や統治がスペインからポルトガルに代わる時、地域に住む原住民への弾圧を描いた作品で、実際にあったことを元に作られた映画でした。最後は映画『ラスト サムライ』を思い出させる結末。

曲の題名のガブリエルとは、神父のことで、オーボエを吹いて、原住民の心を開いていきました。映画の中で、何度もアレンジされたバージョンが使われていました。テーマ曲をいろいろな演奏形態に変化させて聞かせていることに気づきました。

最も感動的な場面は、ロバート デ ニーロ が、弟を殺してしまった後、罪を償うためにに自分に課した苦行である武器を入れた重荷の縄を原住民が切り離してくれる場面。

「やっと赦された。」という気持ちになれた時に音楽が最も美しく響いていました。

”Mission"の意味は、キリスト教の礼拝の終わりに、司教が「Ite, missa est.(行きなさい、解散する)」と告げる習慣があったことから、この表現が「神の言葉を送り届けよ」と解釈されるようになり、「伝道」の意味を表すようになったそうです。その後 mission は、広く一般に「任務や使命」の意味でも用いられるようになり、現在では、軍事や宇宙開発の分野では、一連の作戦行動のことをミッションと呼ぶようになっているとのこと。

日本でもどうも、こちらのイメージが強い言葉になっていますね。

映画音楽として発表された後、あのSarah Brightmanがこの曲を再発掘。「詩を付けて歌わせてください。」とMoriconeに熱心に手紙を書き、承諾を経てイタリア語の歌詩をつけて『Nella Fantasia ネッラ ファンタジア 私の空想』という曲を発表しました。その後、この曲をいろいろな人がカヴァーしています。

「へ~!」と思って、手持ちのSarahのCDやDVDなども引っ張り出してよく見てみると、『Live from Las Vegas』の中で、確かにとても丁寧に歌っていました。
詩の内容は、映画の「赦し」のワンシーンとは、異なり、心の中の自由な創造性について歌われていました。

こうやって噛み砕かれるように言葉とともにメロディーが伝えられることで、多くの人に再び、感動を伝えているのは、確かなことで。現代の讃美歌のような存在の曲だと思います。


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