Visiting a garden : 根津美術館のカキツバタ
Iris laevigata
5月5日、地下鉄 表参道駅より歩いて行ける根津美術館に尾形光琳の『燕子花図屏風』を見に行きました。
カキツバタが咲く頃の公開として有名ですが、なかなか、子連れでは、今まで行けなかった。本当は、子どもにも見せたかったけれど、子どもたちは、子どもの日をお友達と遊ぶ日にしていたので、大人のみで。
本物は、大きかった。屏風は、6曲(6枚画面のジグザグ)の一双(2つでセット)。長さに約7mにもなります。
印刷では、全体の部分しか紹介していないのです。百聞は一見にしかず。
花の大きさは、後でお庭の池でカキツバタが本当に咲いているのを見たので、比較してみると4倍ぐらいの大きさにも拡大していると思いました。手をひろげたぐらいの大きさ。
カキツバタ自体の花色は、少し白を入れた青紫一色。それを光琳は、群青の岩絵の具2色or3色で塗っていた。ベタ塗り。右側の屏風(右隻)の方が花色が明るい。
バックの金箔は、描いた時より古びているからだろうか、少し赤みのある金色。これが、花色とちょうど補色の関係であるため、かなり遠くから見ても、「カキツバタ!」と目立ち、すぐに絵に近づいていってしまった。
茎や葉は、緑青。この色も実際の葉色が、黄み帯びたさえた緑であるのに、少し白の入った緑であった。
絵の前には、ベンチがあったので、しばらく座って鑑賞しました。お隣の方がいろいろ絵のことを教えてくださいました。「西本願寺に収めた。」とか、「かなりの速さで仕上げた。」とか「婚礼のための屏風絵だったのではないか。」とか・・・・。
確かにこんなに期間限定で楽しむ華やかな屏風絵を飾るシチュエーションといえば、婚礼がふさわしいかも。でも、文献等は、発見されていないそうです。
光琳自身も勢力的に絵を描いていたころの作品であるようで、「青春の眩さ」を感じさせる作品であると、本に書いている方がいらっしゃいました。
「青春~。なるほど、そうね~最近すっかり、忘れていたイメージ~。」と思いながら、お庭に出ました。石段を下り巡ると、「あ~!」
本物のカキツバタが池に咲いていました。
花の色が、光輝いていました。昨年見た寺家ふるさと村のカキツバタもそう。水際に咲くこの花は、他の植物よりも光っていました。
水面の反射光は、きっと花の色をより美しくみせるのでしょう。この花を取り巻く光を光琳は金色で表現したのですね。
とても贅沢な楽しみをダブルで味わったような気分になりました。
MOA美術館で見た雪の降る中でみた梅の花と『紅白梅図屏風』の見た時の感動と同じ。
尾形光琳さん、ありがとう。私たちにも、あなたの自然に対する感動が作品を通じて、伝わってきていますよ。
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