About An Artist : ルドゥテのセレクト
昨年の秋に植えつけたビオラ。ナーセリーに行って、数ある中から選び、植えたもの。もうそろそろ、気温も高くなってきて、場所によっては、ビオラも終わりに近い。もう少し、もたせるために部分部分で草丈を半分ぐらいに切り戻しして、爆発して共倒れてしないようにしています。最近あちこちで、そんな管理ばかりに追われていますが、その花たちを通りすがりの子どもたちにあげたり、家に持ち帰り生けてしばらく楽しんだりしています。
生けてから思い出した。昔パリのオランジェリー美術館所蔵のルドゥテの銅版画をはがきにしたものを購入した中に似たような花色のビオラの絵があったことを。
取り出して、隣に置いてみると、双子のように似た組み合わせ。私もびびっときたビオラの組み合わせがルドゥテのセレクトと同じ!
といってもこの作品をルドゥテ1830年前後ごろ、手がけたらしいが、今のようにビオラの品種が多彩であるはずもなく、より原種の花色に近いものだけしか出回っていなかったことも考えられます。
でも私たちが、この紫、黄色、白などのビオラを「ビオラらしく感じる」心は、昔も今も変わらない。そういった点でルドゥテのセレクトして描いた花の色や姿は、それぞれの植物の最も象徴的な姿を描き出しており、「うまい!」と感じてしまいます。
ルドゥテは、バラの版画で有名ですが、他の人のボタニカル アートと比べて、ふっくら、愛らしい姿に植物を表現しています。
また、銅版画を線で彫って凹版を作るのではなく、点彫りしているところや黒のインクで刷るのではなく、花色に合わせた多色刷りをした後、手彩色していることが、植物が瑞々しく表現されている重要なポイント。
この制作技法をルドゥテが開発したそうです。
ナポレオンの先妻 ジョセフィーヌのために作ったルドゥテの銅版画集『バラ図譜』は、今もいろいろな出版社から出版され、手元に置くこともできるが、私は、持っていません。なんだか、バラの図鑑だけでは、欲求不満になりそうだから。やっぱり生きているバラに出会いたい。
しかし、ビオラの花が載っている『名花選』 (5月29日から渋谷のBunkamura ミュージアムでは『美花選』〉という版画集は、「これぞ、アジサイ!」とか「ホスタらしいホスタ」というような、姿を取り出している点で、おもしろい。
手ごろな複製があれば、はがきではなく本として持っておきたい感じ。
とにかく、Bunkamuraの展覧会は、前から楽しみにしています。
展覧会の企画として、利にかなった美しい庭をデザインされるBritish Creative Designのマーク チャップマン氏がイメージ ガーデンを作られるとのこと。ベストな初日に行きたいな~!と思っているところ。
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