Natural Beauty : Migration :オオハクチョウ : ウトナイ湖 2
Cygnus cygnus
2008.12.24
ウトナイ湖の2回目。今日は、ハクチョウについて。今回、すごくうれしかったことは、2003年に訪れたときに、羽が片方きれいに広がらないハクチョウに出会いました。「みんなが飛び立つ時も、このハクチョウはついていけないんだ。」と心配したハクチョウが元気にお母さんをしていて家族が増えていたこと。
ウトナイ湖野生鳥獣保護センターでは、「ウトナイ湖通信」というものを出していて、今回それをいただき、宿でゆっくり読んでいると、次のような記事が
参考文献 『ウトナイ湖通信』 2008年12月号 ウトナイ湖野生鳥獣保護センター 発刊 No.55
トピックス
[ウトナイ生まれのオオハクチョウ リターンズ]
羽にケガを負いシベリアに帰れなくなったメスと飛ぶことのできるオスがペアとなり、2003年から毎年子育てしているというニュースは以前にも何回か紹介しました。
この下線部分に私はピンときて、「あのときのハクチョウかも?」と記憶がよみがえってきました。
記事は続きます。
成長した10羽中これまで6羽に足環標識をつけ、さらにそのうち2006年生まれの3羽には今春、緑色の首輪(5C24,5C25,5C26)をつけて継続調査を行っています。その結果、5C24は、少なくとも山形県酒田市の最上川からウトナイ湖を経由して長都(オサツ)沼 (ウトナイ湖より北北西)まで「渡った」ことが明らかにされました。
そしてこの冬。4月10日以降記録のなかった5C26、4月6日に浦臼町で確認された後に姿を消した5C25の2羽が現在、再び、湖岸で観測されています。繁殖期に道北やロシアで確認されたという情報はなく、果たして大陸へ渡って行ったかは不明です。(中略)さてこれから先は南下していくのでしょうか。それともウトナイにとどまり越冬するのでしょうか。その動きに注目しています。
注)標識調査は環境省の許可を得て、資格を持つ専門員が行っています。
2008.12.24
このような記事でした。次の日、保護センターの方に、私が2003年の冬に見たハクチョウは、この記事に書かれている個体なのか、たずねてみると、「飛べないハクチョウは他にもいるけれど、2003年に左の羽にケガをしているハクチョウであったならば、そうである可能性が高いですね。」と言われました。
2003,12.28
今、そのときの写真を見て見ると、確かに写っています。ハクチョウの寿命は10年ぐらいだそうのなので、私は、一目であのハクチョウ、とは見分けがつかないのですが、確かに今もここで暮らしているそうです。あのハクチョウが、立派に子育てし、子どもたちは「渡り」をし、あちこちに移動し、また生まれ故郷のウトナイに帰ってきているなんて。
レンジャーの方に「オスは、渡りをするのですか?」と聞くと、「ハクチョウは、ペアになると、一生添いとげ、子育ても一緒。夏の間もずっとオスもウトナイにいます。」と。
これには、またまた感心してしまった。「お父さん、ちょっと単身赴任してくる。」とか「長期出張してくる。」なんてことはないそう。
まわりと比べると、ふびんに思えたハクチョウが、鳥の一生のそれぞれのステージをたくましく、過ごしてきていたことに大きな安堵感。よかったよかった。
自然に任せ、時を待つ
こんな言葉で、このハクチョウのお話をしめたいと思います。
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