Beautiful Books :クリスマスのものがたり フェリクス ホフマン
クリスマスが近づいて来ましたね。子ども達も冬休み。母としては、このホリデーシーズン、子ども達と何を一緒にしようかなと計画しているところ。子ども達からは、「ブッシュ ド ノエルを作ろうね。」という話が出ています。
Night Before Christmas クリスマスの前の晩、つまりクリスマス イヴに読む絵本として、私が一番好きな本を紹介いたします。
The Natively Book by Felix Hoffmann
スイスの絵本作家 フェリックス ホフマンの「クリスマスのものがたり」です。
たくさんクリスマスの絵本が出ていますが、私が子どもの頃、クリスマスのお話を聞いた時にイメージされた世界が再現されているただ1冊の絵本であるからです。
クリスマスのお話は、子どもながらに、ヘロデ王が怖い存在であったので、そのことも含めて、絵本にしている点で、「この本!」と思いました。その場面を含めている絵本は他にはないのではと思います。
すでにホフマンのファンであったので、「さすが、ホフマンさん!」とうなっておりました。
ホフマンの絵本に出会ったのは、子どもの頃で、仲良くしてくれていた男の子のお母さんが時々読んでくださいました。「おおかみと七ひきのこやぎ」「ねむりひめ」印象はすごく強かったです。
子供向けの甘い絵ではなく、写実的なスケッチのような何度も重ねた輪郭線が、とてもひたむきな感じで、話の場面に読むものを引き込む力を持った絵本だと思います。
子どものころの私は、まんまと七ひきのこやぎの家の中にいるような気持ちになりましたし、おひめさまが出てくるお話では、自分がおひめさまのいる塔の中にいるような気分になっていました。
大きくなるにつれて、ホフマンの絵本は家になかったので、すっかり忘れていましたが、子どもが生まれて、本屋さんで、久しぶりにホフマンの絵本を広げた時、昔の記憶がよみがえってきました。「なつかしい。」
ためらわず、「おおかみと七ひきのこやぎ」は買いましたし、その後も、ホフマンの仕事を追いかけるように絵本を探したりしていました。
現在、子どもの枕元には「グリム童話」がおいてあり、時々、眠る前にお話をひとつづつ読んでいます。こちらは、絵本ではなく、時々挿絵がはいってくるのですが、赤ずきん、にせよ、ヘンゼルとグレーテルにせよ、森の暗さや、子どもの姿など、「これが本当のグリム童話」と思わせる宝物のような本です。
文庫でも出ていますが、ちょっと高いのですが、赤い布張りのハードカバーの方を持っています。
日本での出版社は福音館書店であり、小さな絵本美術館からもホフマンの作品についての解説と生み出された背景を紹介された本も出ていました。
ホフマンは美術教師であり、絵本については、4人の子ども達それぞれのために描いたもので、しばらくは、家族の中だけのものだったそうです。子どもの病気の時に描いたもの。実際の家をモチーフに描いたものなどあり、家族にとっては、とても愛情のつまったお父さんからのプレゼントだったようです。
これを知って、ホフマンの絵本が私の心にも残ったことの意味がやっと、わかりました。仕事としてではなく、真に子どものことを思って作った本だったのです。
最初にあげた「クリスマスのものがたり」は、ホフマンの最後の絵本となったもの。
1972年 日本、スイス、アメリカで同時出版されました。 1975年に亡くなりました。
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