2025年6月 7日 (土)

Creating Garden : 日陰の小さな植え込み vol.5

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 最近、マンションのクルメツツジが枯れた部分を補うことに取り組んでいます。「季節に花がいつの間にか咲いている」そんな感じで、なるべく元からそこにあったかのような植え方をしたいと思っています。先日帰省した折、実家の庭からいろいろ株分けして植物をもらって帰ってきました。ビニール袋に植え土とともに入れて、水を含ませ、口をしっかり結び、車のトランクに入れておいて何日か経ちましたが、大丈夫でした。

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Nassella tenuissima in Mother's garden  

母に名前を聞くと、「わかんない。勝手に生えてきたの。」と言ってた縞葦(シマアシ)。日本に自生するイネ科クサヨシの斑入りです。

すっと立ち上がって、斑入り。何気なく間を埋める感じがいい。写真を見てもわかるうように京都以西の地面の色は、明らかに関東の色に比べて明るい。それは、花崗岩に覆われた土地であり、それがぼろぼろと崩れた土地。ざるのように水を通すので、肥料の効きが悪い。しかし、じめっとせず、足の踏み心地がいい、と私は思っています。

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Front : Bletilla striata ラン科シラン属

Back : Polygonatum falcatum キジカクシ科アマドコロ属

それから、白花のシラン。アマドコロも。おまけにヤブコウジももらって帰ってきました。

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これらをまた、マンションの植え込みに植え付けていきました。すっとした剣状のような葉物がほしかったので、先日、植え付けたノリウツギの背景に仮置きしてあれこれ考えてから植え付けました。

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Hosta 'Patriot' ギボウシ Yellow variegated leaves

いつのまにか、5月に購入したギボウシが花茎をのばし、先週から開花。他に何も咲いていないので、主役のように見えます。

手前に細々と残っていたクルメツツジも奥に移動させて、「日陰の小さな庭」とタイトルを付けた割には、範囲が広くなってきました。

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これからは、建物の北角なので、右側の部分、午後の西日の影響も出てくるで、耐えられるかどうかを今後見ていきたいです。

これまでの様子は、下にスクロールしていただき、Creating Gardenを選んでいただくと見ていただけます。

 

 

 

 

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2025年5月31日 (土)

Visiting a Garden : エミール・ガレの庭 in下瀬美術館

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Shimose art museum         May.20.2025

 先日、広島県の西の端、自然のままに樹木が茂る宮島の南西端が見える大竹市に2023年3月に開館した下瀬美術館に行ってきました。2024年ユネスコの建築に与えられるベルサイユ賞で『世界で最も美しい美術館』に選ばれた美術館です。コレクションは、個人のコレクターであった下瀬夫妻の収集したエミール・ガレのガラス作品や印象派、人形作家の作品などがあります。これをベースとして、随時企画展を行う美術館となっています。

広大な埋め立て地を活用したグランド・デザインは、紙芯を使って、阪神・淡路大震災以来、被災者のためにベッドや間仕切りを組み立てるプランを提供したことで有名な坂茂氏によるものです。ここでは、桜色、ターコイズ、ライム、ラベンダー、オレンジ等のコンテナーのような可動展示室が池のような場所に固定され、それを展示内容によって浮かせ、動かせるユニークなものとなっています。訪れた時も作家ごとに展示室が使われ、その空間に入ると、作家の世界観に集中して向き合えるような展示空間であると思いました。

また、本館の内部も外壁も鏡が使われ、きらきらした瀬戸内海の雰囲気を永遠に満喫できる空間となっています。反転した世界も私たちは現実の世界のように受け入れ、空と海のはざまで自然を感じながら、ゆっくり過ごしていました。

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庭は、美術館の廊下を出ると、現実の世界が別世界のようにすっと現れました。私が訪れた日には、赤いポピーが風に揺れて出迎えてくれました。このオレンジがかったポピーは、フランスの田舎の草原に咲いている植物だそうで、フランス人にとって野原をイメージさせる花。

バラは赤紫のガリカ・ローズ。 ’カーディナル・ド・リシュリュー’ でしょうか、満開でした。下瀬美術館のガレの作品に『フランスの薔薇』という作品があり、それにちなんでこのバラを選んだのだと思います。調べて行くとイギリスのヴィクトリア時代までは、フレンチ・ローズといえば、このガリカ・ローズのことを指していたそうです。しかし、フランスが原産地ではないそうです。大場秀章先生の『植物学のたのしみ』八坂書房刊によれば、ガリカ・ローズの原産地は、西アジアのコーカサス地方のようです。紀元前から文献に載っているとても古いバラの種類で、ユーラシア大陸西側各地で3000年前ごろより自生、あるいは栽培されていったようです。

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庭の全景を見渡すと、池を中心に園路が作ってあり、歩けるようになっています。池泉式回遊庭園という作り方を取り入れています。手前は、ラベンダー色の花々が黄緑色のグラスとともに植えられていいました。遠くの青い山並みを借景として望めます。海抜300m前後。

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植物学も学んだエミール・ガレのガラスに表現された植物をイメージして植栽されたようです。ガレは、北斎の浮世絵に描かれた日本の魚、昆虫、植物を作品に取り入れて表現しました。モネ同様、ジャポニスムの影響を受けていました。ガレの生きた時代には、日本の植物もシーボルトなどにより紹介され始めていました。ジャポニスムは、植物のブームにもあったのだと思いました。

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奥には きれいな楕円形の池が作られており、頭上には、パーゴラが設置。そこにハニー・サックル、フジが柱に絡まり始めていました。ロビーの完成予想模型から将来的には、フジが楕円形に屋根のように這っていくようです。

建物の南面の盛り土に植えられていた数本の桜は、今季は残念なことに芽吹かなかったようでした。「どうしてだろう。」と家に帰ってからも考えています。2024年の3月、各地で山火事が発生したように「萌芽前の雨が少なかったのでは?」。それからここが埋め立て地であり、海に近いので、台風などで潮風にあたることも多いことが原因であるような気もしてきました。よくよく、考えれば私の住んでいる場所は、ずいぶん海岸から離れていますが、台風のあとは、葉水をかけないと葉がカリカリになってしまう植物もあるからです。

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フランスを中心に流行したジャポニスムの時代に表現された芸術は、今を生きる私たち日本人にとっては、親しみを感じる西洋文化への入口です。

そこから、またここにフランス人のエミール・ガレの世界観をイメージして新しい庭を生み出そうと挑戦した方々に敬意を表したいと思います。

多くの方がこの庭を愛されることを願って、この場所をあとにしました。

 

 

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2025年5月12日 (月)

Creating Garden : 日陰の小さな植え込み vol.4

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BEFORE                              May.4.2025

 春先から5月にかけて、マンションの建物東面の右側のクルメツツジが今年も数本、枯れこんでいることがはっきりわかってきました。枯れた木を抜き、地面に繁茂しているカタバミやドクダミの根をできるだけ取り除くように抜いていくと、ずいぶん寂しくなってしまいました。

緑の流れを右側にも作りたいと思いながら、手持ちの植物の配置転換を考えて作業。

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Juniperus squamata ’Blue Carpet’

シラユキゲシの葉陰ですっかり見えなくなってしまったコニファー ’ブルー・カーペット’を右側に植え替え。枝先の色の違う部分が今年伸びてきた部分。雨が降っているときに日陰の庭を見ると、雨粒がとてもきれいです。

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Athytium niponicum 'Metallica'

葉色の珍しいニシキシダ ’メタリカ’も移動させました。メタリカは、日本にも自生する品種で、暑さ、寒さにとても強いそうです。昨年から植え込み、冬は地上部が枯れこみ、春になって、昨年の4倍ぐらいのボリュームになっています。

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Ligustrum sinense 'Variegatum'

クルメツツジが建物の角で枯れこんでしまった場所。樹高60㎝ぐらいあたりが、ぽっかり抜けてしまったので、挿し木苗で小さなポット苗で買って15年ぐらい育ててきた斑入りのセイヨウイボタノキを地植えすることにしました。鉢植えの管理もできるだけない方が楽。葉の形、樹高など溶け込んで見えました。小さな白い花を咲かせます。

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 Hydrangea paniculata ‘Limelight’ 

そして、もう一つぽっかり空いてしまった場所に「何がいいかな」、と園芸店をのぞいてみると、ノリウツギの鉢植えがありました。たぶん。昨年から置いてあったポット苗で春先、旧枝を春先カットして分岐して花芽が上がり始めたもの。

このような花芽が動き出している苗は、今植え替えると根の成長が始まり、花が上手く上がらないかもしれません、地植えにするのを迷いましたが、プラ鉢に入って窮屈そうなので、つい植え込んでしまいました。どうだろう。

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AFTER                      May.12.2025

クルメツツジは、かろうじて残っているものもありますが、相当弱っています。ノリウツギはここで土や日当たりの様子が合えば、代わりに大きくなってくれるだろうと期待しています。

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北面沿いのクルメツツジも2か所枯れて、抜きました。ここは、枯れた原因が夏の高温、乾燥もあるけれど、電気工事で植木を掘り返された後、根付かなかったのが原因。丸の部分に2022年9月にハンギング用に購入した苗を終わった後、鉢植え育てていた植物を植えてみました。

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Scutellaria javanica 'veranda'

中米原産のシソ科タツナミソウ属 スクテラリア ジャワニカ。名前が本当に覚えられないけれど、丈夫であることは確か。2022年9月、秋のハンギング・バスケット用に購入。ハンギングから鉢植えに植え替えると花が咲かずにいましたが、あきらめないで育てていると昨年、やっと濃紫の花を咲かせた小低木。この品種は、特に、暑さにも寒さにも強いようです。残っているクルメツツジの高さ、葉の形とも違和感がないので、今のところはOK.

植え込みには、赤玉土にバーク堆肥を混ぜたものと元肥になる有機質肥料をそれぞれ入れて元の土と混ぜています。元の土は、目がつまって、泥のようになり、石ころがあちこち入っているような土でした。少しは、水持ちのよい生きた土になってもらいたい。

今後の様子をそれぞれ観察していきたいです。

 

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2025年5月10日 (土)

Creating Garden : 日陰の小さな植え込み vol.3

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                     Apr.22.2025

 昨年の冬からマンションのクルメツツジが枯れこんだ場所をどうにか潤いのある場所になるよう考えて作業しています。4月、地中で越冬していた植物が一斉に葉を広げ、柔らかな緑でいっぱいになりました。カタバミがグラウンド・カバーになってしまいました。

何より、ローメンテナンスは、外せないので、その場所にあった植物を取り入れたいと思って、あれこれ画策中です。

1回目の記事はこちら

2回目の記事はこちら

2024年の12月に植え込んだスキミア、クリスマスローズは、3月まで、花を楽しませてくれました。現在両方とも新しい葉を展開して株を大きくしようとしています。

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Eomecon chionantha シラユキゲシ 中国原産

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Aqilegia flabellata var.pumila ミヤマオダマキ

昨年5月に植え込んだシラユキゲシは、驚くべき繁殖力でした。あちらこちらに根を伸ばし、2株植えた場所の直径1mは、広がりすっと伸ばした花茎30㎝ぐらいから4弁の直径3㎝ぐらいのシンプルな花を咲かせ、風に揺れていました。そして花形が波上にエッジが切れ込んでいるところがユニーク。

知らなかったと思っていたら、実家の庭にも植えてありました。

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その後開花したのは、オダマキ。名前をいったい何人の人に聞かれたことでしょう。スモーキーな青緑の美しい葉からベルのように下向きに咲く姿は、本当に美しい。ベランダの鉢植えだとなかなか継続的に管理できませんでした。

それが、地植えだと寒くなると葉を落とし、春から萌芽。そして今年は、昨年よりもマウントが大きくなり、満足の生育。

こうなると、調子に乗って枯れこんだクルメツツジの部分もなんとかしなくては、と先日いった「横浜フラワー&ガーデニング・ショウ 2025」でもヒントになる植え込みを見させてもらって、「ギボウシ」を入れることにして、会場のブースの江口ナーセリーさんからギボウシを購入して帰りました。

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名前を聞くと、「パトリオットなんだけど、黄斑が出たんだよね!」とご主人。名前は、’Unknouwn’ちゃんとしておき、それを植え込んで流れを延長させていきました。

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Hosta 'Patriot' ギボウシ Yellow variegated leaves

雨粒がきれいです。

今日の記事は、ここまでにします。To be continued。

 

 

 

 

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2025年5月 8日 (木)

Visiting a Garden : アメリカ山公園

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Rosa ’Rainy blue’     Tantau, Germany,  1912

                                                                      May.5.2025

 昨年、訪れるのがちょっと遅かった横浜のアメリカ山公園のバラ園。地下鉄の駅舎の上の部分が屋上緑化ガーデンになっています。エレベーターやエスカレーターで上るといきなり、薄紫のバラ”レイニー・ブルー”が満開の姿が出迎えてくれました。

この場所は海岸段丘の崖の淵にあたり、明治時代は、アメリカ公使館、戦後はアメリカ軍の施設であった場所。地下鉄の駅舎を高くして、その屋上と淵の部分がつながった構造になっています。横浜市が2009年に公園として整備し開園した場所です。バラ園は、人工基盤の場所ですが、日当たり、風通し、そして管理がいいのでしょう、バラそれぞれのが持っている力を存分に発揮しているかのように咲き誇っていました。

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Rosa 'Hamamirai'   Keisei, Japan, 2006

横浜市制150年を記念して名前がつけられた高芯大輪のサーモン・ピンクのハマミライ。各小中学校に3本ずつ、苗木が贈られました。私も何度もこのバラの手入れをしてきました。香りもたっぷりで堂々としています。

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Rosa ’MEEBUL’ Jardins de France  Meilland, FR, 1998

隣には、昨年訪れた時に小山のようにまとまる樹形がよく気に入った”ジャルダン・ドゥ・フランス”。中輪のすっきりしたサーモンがかった彩度高めのピンク。アメリカ山にある「フランスの庭」という???な感じですが。

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Rosa 'Ausmas' Graham Thomas  Austin, UK, 1983

少し白の入る黄色のバラ、グラハム・トーマス。

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Rosa 'Francois Juranville'  Barbier, France, 1903

アーチには、フランソワ・ジュランビル。濃緑色の照葉。中輪の花でランブラー。誘因しやすい品種。

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Rosa ’Meiviolin' Pierre de Ronsard   Meilland, France, 1987

ピエール・ド・ロンサールは、これから、満開。いい感じの開花状態。

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CistusL.  Rockrose  

こんなバラのようなバラ科ではない植物がありました。「ハンニチバナ科 ロック・ローズ スカンベルギー」と書いてありました。 

調べると、日本ではかなり珍しい植物でした。

名前の通り、栄養のない岩場に育つ地中海沿岸地域の石灰質土壌、ヨーロッパ、北アフリカ、西アジアの植物。

ここで元気に育っているのは、屋上という場所に客土しているので、生育に合っているのではないかなと思いました。

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Rosa ’MEITRONI’ My Garden  Meilland, France, 2008

購入を何度も検討したマイ・ガーデン。美しく咲いていました。

 

アイスバーグの花壇もあり、白、ピンク、バーガンディーのアイスバーグが群植されていました。

 

緩やかな坂道を登っていくと外国人墓地の脇の道につながっていきます。そこを左折すると港の見える公園にたどり着けます。

 

 

 

 

 

 

 

 

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2025年5月 6日 (火)

Glassware collection : KARCAGの花瓶

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 1993年頃、札幌に住む親戚より北一硝子で求めたという球状の花瓶が送られてきました。透明なガラスではなく、中にヒビが入っていて、キラキラするのです。北海道で見た雪や氷のイメージをそのままガラスに閉じ込めたような花瓶。洗った時によくよく見ると、割れたようなヒビ模様は、内側に閉じ込められていて、表面も内側もつるっとしているのです。そして他のガラスの花瓶に比べ、ずっしりと重いのです。

どうやって、作ったのだろう。

とても気に入り、別のデザインのものがあったら、見てみたいと思い、小樽に行く度に、北一硝子で探していました。しかし、同じ製法のものは見当たらす、運河店とは少し離れた本店にも冬の雪道を子どもたちにも付き合ってもらって歩いて訪れたのですが、ありませんでした。

日本の中であちらこちらの雑貨店でもこれと同じ作りのものがないか、探していましたがありませんでした。

しかし2019年の正月、小樽を訪れた際、北一硝子のヨーロッパからのガラス製品を販売しているお店に入った時、「あれっ?」と引き寄せられるように近寄ったレモン色の花瓶がありました。

シンメトリーなバランスの取れた形。ヒビの入り方、表面の硬質な艶。「これは、うちの球状の花瓶と同じ所で作られたものだ。」と確信。

私は、透明のガラス器が好きなので、購入はしませんでしたが、ヨーロッパのどこかで作られたものであることを知ったのでした。

それから、撮影させてもらった写真を手掛かりに画像検索をはじめていくと、ハンガリーのKARCAGというメーカーがこのテクスチャーのガラス器を生産していたということが、わかってきました。

それから、アンティークサイトでも出ていて、欲しいなあと思ってもハンガリー語であったり、アメリカのサイトで送料がずいぶんかかったりするので、手にすることはあきらめていました。

ただ、今まで時々日本のメルカリさんにKARCAGが出ていたことがあったので、先日、検索してみると、ちょうど我が家に合いそうな細身のつぼ型のものが、出されていました。

KARCAGとは、書かれてもいませんが、北一硝子のものとしてお持ちであったようで、これは、私の花瓶と一緒だと思い、間違いはないだろうと購入することにしました。

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ちょうど、今年は還暦で、娘が私にプレゼントするからと言って、私に贈ってくれました。

ハンガリーのサイトで2021年に「ベール・グラスの60年」という展覧会のことを紹介していた記事がありました。mutermek.com

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翻訳をしてKARCAGについて調べると、このひび割れの技法は1961年に ゾルターン・ヴェレス(Veress Zoltán)とゾルターン・スーハ(Suha Zoltán )が 特許を取った製法で作られたものでベール・グラス(Veil glass)と呼ばれたものでした。

ガラスは3層構造になっており、両側には、高強度、耐熱性、高温溶融性硬質ガラス、真ん中には温度がはるかに低いガラスを使っています。それにより、冷却中に亀裂が入りますが、両側のガラスが非常に強いために爆発することがないそうです。

1964年に、ハンガリーの国際見本市で大賞を受賞。

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色ガラスを用いたものも数多く作られ、シンプルな抽象形でバランスの取れたガラス器が製造されました。ちょうど、先日見た映画『ブルータリスト』の美術様式になるようです。

1992年から1997年にかけて、主に日本、アメリカ、フランスからの注文により受注生産されたようです。この記述により、日本にも輸入されていたことがわかりました。

しかしながら、製造コストが高く、2008年工場は閉鎖され、その後取り壊された、とのことです。

 

ようやく、30年来の謎が解けたような感じがしています。

工場閉鎖という言葉には、絶句。ある時期に作られていたという話は、南宋の青磁の話が頭をよぎりました。

 

光の反射を封じ込めたベール・グラスの美は、永遠の美です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2025年4月14日 (月)

Maintenance : パンツの裾上げ

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AFTER          Chino pants for Men

 ズボンの裾上げは、ユニクロなどでは、お店で加工してくれますが、私は、家で洗濯した後、自分で裾上げすることがほとんど。

コットン製は、縮むことがありますしウールなどは、ダブル仕立てにしたい時もあるからです。

 

今回は、チノなどの裾までのラインがストレートなパンツの裾上げを紹介します。

一般的な方法ですが、出来上がり線にしつけ糸で印をつけるのがおすすめです。こうすることで、表裏どちらから見ても出来上がり線がわかり、作業しやすいのです。

 

① パンツをはく。

② ちょうどいいところで、折り上げ、まち針で留める。自分のパンツの時は、姿見に映して水平になっているか、左右の差などないかを確認。

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② 折山をしつけ糸で大きな縫い目でしつけ縫い。

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④ 既存の縫い目を解き、アイロンで伸ばす。出来上がり線に対してどのくらいの折り目をつけていたのかをものさしで測っておく。

⑤ 新しい出来上がり線から折り目の幅をチャコで印をつけ、余分な部分を切る。

⑥ 折り目にアイロンをあて整え、まち針で均等に留めておく。

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⑦ パンツを表側にして、裾口からのぞくようにして、返しミシンをしてミシンをかける。これは、縫う時、ぐるりと裾回りが回しやすいためです。

⑧ 完成

 

実は、下糸の調子がよくないので、表側の縫い目がちょっと気になりますが、裾回りをぐるりと回しやすいので、のぞきながら、縫います。

プロのやり方とは、違うと思いますが、何度もいろいろなやり方でやってみて、この方法を基本としています。

 

ジーンズの時は、針(#16)と糸(#20)を太いものにすると家庭用ミシンでも裾上げできます。黄土色の糸を準備しておくといいです。

 

 

 

 

 

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Organizing ideas : ガラスの棚板

 

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 洗面所にある造り付けのメディシン・キャビネット。20年以上前に近所のガラス屋さんで同じサイズに切ってもらい、一段増やして使ってきました。ノブも滑り止めにゴムで覆われたものでしたが、ホームセンターで見つけたカット・グラスのようなアクリルのつまみを見つけ、キラキラを楽しみながら使っていました。

しかし、家族それぞれ、いろいろなものを置くようになり、奥行きが9㎝しかないので、奥のものを取り出すたびに、なだれ出るよ うになっていました。

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そこでDAISOの仕切りのあるアクリル容器をアクリルカッターで切ってサイズを合わせて置くと、手前に落ちそうなものは、留めることができるようになりました。また、無印良品のアクリル容器には、細長いチューブなどは立てて収納したりするようにしました。

透明な容器は、物を取り出す前に欲しいものがどこにあるのか確認できるので、ゴソゴソしなくていいところが、メリット。

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棚板の面積を有効に使ったあと、高さ方向にまだ、置けそうだということに気づき、「棚板をさらに2枚増やすといいのでは?」という考えに至りました。

再び、近所のガラス屋さんにテクテク歩いて行ってお願いして、既存のものと同じような厚み5㎜のガラスを切ってもらいました。エッジもやすりがけをしてもらったものを2枚購入。ネットで注文もできる世の中になりましたが、梱包料金や送料、過剰包装も気になるので、昔からのガラス屋さんにお願いしました。何よりお店の人に相談しながら注文したほうが安心。Photo_20250414092601

棚受けも安定性の良いものを見つけてホームセンターで調達。

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完成。

あれこれものを移動させながら、背の低い目薬、軟膏、クリームなどの段を増やすと、それぞれの位置がよく見え、取り出しやすくなりました。

 

 

 

 

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2025年3月29日 (土)

Organizing ideas : キッチンの小さな棚

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                    Feb.2024

   キッチンのタイル壁につけた木製の棚は、昨年、急にベランダで使っていたものを持ってきて取り付けたもの。小さな瓶に入った塩が3種類とお茶の缶などを置いています。色もこの場所に合わせて少し塗りなおし、微妙なニュアンスのグレーっぽい薄グリーンがちょっと入った色になりました。

その後、脇に黒くペイントしたフックもつけたりして、計量スプーンをつるして、「あら、便利!」と楽しんでいました。

そして、今回は、バーをつけるというアイディアが浮かびました。昔、子どもに作ったおもちゃの釣り竿に使った直径10ミリの木の棒がありましたので、これを取り付けるためのソケットと呼ばれる金物を購入してきました。それから、ステンレスのリング状のフックも。

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それらを準備して、

① 木の棒は、黒くペイント。内寸より5㎜ぐらい短い長さに切る。

② バーの水平を水準器で確認して、ソケットの位置決め。

③ ソケットの片方をキリで下穴を少し開けてから、付属の木ねじで留め付け。

④ バーにリング・フックを通し、ソケットの片方も取り付け。

⑤ 完成

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ブラケット(棚受け)の間のスペースに小さなスパチュラやミニ帚等などうるさくない程度にぶら下げました。

昔は、すっきり、何も置かないですべて引き出しにしまうか、視界に入らない場所につるすなどを基本としていましたが、なんだか、最近、「すぐ取れる、すぐ片づけられる」ことが「楽でいいなー」と思うお年頃になってきました。

 

 

 

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2025年3月 6日 (木)

Maintenance : コード・カバーの取り付け

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 家の電気関係は、すべてパパに任せてきましたが、なんだかコードがあちらこちらに引かれ、私としては、興ざめな気持ち。かといって、恩恵にあやかっているので、せっかく引いてもらったコードを否定もできずにいました。しかし、ホーム・センターでコード・カバー(ケーブル・モール ELPA製)を見ていたら、きれいに壁紙が貼ってあるものを見つけました。昨年、壁紙の上からアクリルペンキを塗る作業をして、さんざん我が家の壁紙のテクスチャーを見ていたので、「これで、いいじゃん!」と思い、物は試しにと一番気になるWiFiケーブルが頭上に垂れていた部分用に購入して貼り付けてみました。色もほぼ、同じで、Fake on Fake、人の目は騙される、などとだまされている自分に満足。

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BEFORE カウンター上の棚の上にコードがもそもそ。

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AFTER コードが気にならなくなりました。

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家のあちらこちらにあるスピーカーのふすまの上を渡っていたケーブルにもカバー。

両面テープを使って、取り付けるとても、簡単な作業です。

何本のコードをまとめるかで製品の幅が決まるので、購入する時は、そこを確認。

また、長さ90㎝が基本サイズ。取り付ける場所の長さを確認しておくといいです。直角に曲げる角用の45度にカットしたものもありました。

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Organizing ideas : ペグ・ボードの取り付け

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AFTER               Peg board      Wakisangyo

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BEFORE                

 家の洗面所には、幅45㎝の両開きで天井までの高さ、奥行きは20㎝の物入れが備えつけで作られています。

そこにDIY用品、掃除用のワックス、塗料関係、電池類、紐、テープ類、接着剤などをぎっしり、収納しています。

よく使うものは、取り出しやすい場所に置くようにしていますが、どうしても、ゴソゴソ、イライラしてしまうことも多いので、何とかシステマチックに収納できないかというのが、長年の懸案。

先日、扉裏に簡つけていたプラスチック製のフックをやめて、穴が等間隔に空いたペグボード(有孔ボード)なるものを苦心の末、取り付けました。ホームセンターで見て、前から気になっていたもの。

幅45㎝×長さ90㎝のペグ・ボード(穴あきボード 和気産業)を使用。表面がシナベニヤで、表面はつやなしの透明のウレタン塗装が施してあります。

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① これをホーム・センターで半分の22.5cmにカットして持ち帰り。扉の幅と同じサイズにしましたが、後でドアのヒンジにぶつかったため、ヒンジ側を2.5cm カッターで切って、幅20㎝にして取り付けられました。

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   取り付け後のヒンジまわりの丸型に切り抜いた部分

② ドアの裏のヒンジにぶつかるので、以前、台所の水栓金物を取り付けるときに購入していた直径40ミリの穴があけられるドリル刃でヒンジの位置に穴をあけました。

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③ 取り付け用の吊り金物を強力な両面接着シート(粗面用)を使って、ドア裏に取り付け。

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④ 固定金物の下側

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⑤ 上側の取り付けの様子

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⑥ ペグ・ボードの設置。フックの取り付け。完成

以上のような流れでした。

フ ックなどの金物は、いろいろな種類がありますが、この扉裏には、あまり長さのあるものは、使えないので、このタイプで複数、これからもつけていこうと思っています。

ペグ・ボードの裏の余白のような部分に金物の脚が入り込むので、実は、大切であることが、今回わかりました。ペグ・ボードを浮かせるといった感じです。

 

 

 

 

 

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2025年3月 5日 (水)

Creating Garden : 日陰の小さな植え込み vol.2

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Before                                                Dec.21.2024

 2023年の猛暑でマンションの植え込みクルメツツジが8本も枯れた部分。

ここは、建物に接しているので,ほとんど日が差し込まず、雨水も届きにくい場所です。

 面積にして2平米ぐらいの範囲。ここを造園さんに頼むと人件費も発生し、低木でも費用がかかるので、本当にこの場所に合う植物が茂っていればいい,という発想で、昨年よりポツリポツリ植え込みをしています。 

24年の2月には、這性のコニファー’ブルー・カーペット'を3ポットを植え込み、石を配置。高山のロック・ガーデンのイメージ。

5月には、シラユキゲシ,オダマキ、フイリスズラン、シダ、リリオペを入れてみました。その時の記事はこちら

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 After                                                   Feb.3.2025

 12月には、さすがに山野草類は枯れて黄変したので、ヘレボルス ニゲル、本当のクリスマス・ローズとスキミアを植え込みました。

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Helleborus niger    クリスマス・ローズ Feb.3.2025

この2つは、寒い時期も白く凛とした姿と赤いスキミアのつぼみが見えるので、年末年始の植え込みとしてふさわしいものだと思いましたので、購入。

結果、冬中花の少ない時期も自然とニゲルの姿を見ることができましたので、多くの方も楽しめたと思っています。今はさすがにがく片が黄変してきました

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Skimmia japonica cv. rubella スキミア・ルベラ  Feb.3.2025

スキミアは、これから、開花し、小さな白い花が咲きます。

昨日、近くのショッピング・センターの植え込みに使われているスキミアが開花しているのを見ました。

 

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2025年1月15日 (水)

About cooking:おせち 2025

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 主人の実家に帰省するときは、いつもお重を頼んでくださったので、美味しい北海道の食材のつまったおせち料理をいただいてきました。

肉も魚も野菜から穀物、豆に至るまで全国に美味しいものを提供できるほどの場所なので、自宅に帰る頃には、「もう、この世のごちそうは食べつくした!」という気持ちになるほどでした。孫の顔を見せたい一心で毎年、帰省したものでした。

そんな私たちも今年は、帰省される方になり、掃除や料理のことなど老体に鞭打って、初めてほとんど一人で準備をしました。

子どもたちも独立したり、予定があったりで、わいわい、「こうやるの!」なんて伝えながら、手伝ってくれていたこともかなりの労働力を担っていたんだと、今回は、つくづく感じましたし、パパさんに家事を覚えてもらわないといけない、といったことも感じました。

きれいなデパートのおせち料理のカタログを見ながら、「この手もある。」と思いながら、締め切りを素通りして年末に突入。なんとか、掃除が出来れば、料理はなんとでも、と思ったところがまさかのインフルエンザ。混沌とした頭で、おせちのことを考え、作りたいものだけを作ろうと決めて体調が戻ってきた28日から料理に入りました。

それが、レシピをブログにあげた28日の黒豆、29日の栗きんとん、30日の紅白なますです。それから、お煮しめは31日。

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お重から取るものと銘々皿に取り分けておいた方が食べやすいものを分けています。D7k_0470-1

山の幸 伊達巻、★牛肉の八幡巻、よもぎ麩、錦玉子

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海の幸 紅白かまぼこ、数の子、★エビの養老煮、昆布巻き

 無印良品の磁器には、銘々にわけておいたほうが食べやすい黒豆,栗きんとん,紅白なますを事前にもって出すようにしています。

ただ、数が足りなかったので、お嫁さんの分も揃えておきたく、数年前から販売されている角鉢、木瓜型の豆皿、小皿など一つずつ追加でクリスマスの日に買いに行きました。もう生産中止ということもありますが、これらは、現在も購入が出来たので、うれしかったです。電車賃の方が高くつく買い物でしたが、12月は宅配業者も忙しいだろうと思い、自分で遠くの大型店舗まで買いに行きました。

イメージ通り、黒豆は角鉢、木瓜型の豆皿には、紅白なます、丸い小皿に栗きんとんを銘々に並べて出すことが出来ました。

センターにひいたのは、注染手ぬぐいの「かまわぬ」さんの手ぬぐい。梅のおしべが紅の地色の上に染め抜かれたもの。年末恒例のポチ袋を購入したと時に丸の内で求めたもの。お重は、深澤真人さんデザインの山田平安堂の長手の黒漆の二段のお重。小鉢は、唐津焼の隆太窯のふちなぶり皿。

そんな器たちも並べて、お重におせちを詰めるのをお嫁さんに手伝ってもらいながら、無事にお正月の朝を迎えることができました。

何風とかどこ風などというものはなく私が過ごしてきた日々の中でいいな、取り入れたいなと思った味やものたちが並びました。

ちなみにテーブルクロスは、結婚以来持ち続けている白い麻のテーブルクロス。

どの色よりも光を反射する白のテーブル・クロスで新しい朝の始まりを迎えるのがベストだと思っています。

 

 

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2025年1月13日 (月)

About cooking : お煮しめ 2025

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 今回は、いつもは、筑前煮を作るところをお煮しめに変えてみました。母は、お煮しめを作っていました。こどもの頃は、地味な料理であまりうれしい感じはしなかったけれど、いろいろと下ごしらえのお手伝いをした思い出があります。

そんな私も年齢的に薄味に、ということもあり、久々に高野豆腐の入るお煮しめを作りました。

日本列島の地図でこの2つの煮ものをおせちに作る実施地図作ると九州は、筑前煮なのは、確かであると思いますが、関西以西は、お煮しめ、東日本はどうなのだろう思いますが。筑前煮とはいわず、いり鶏、うま煮という地域もある。名前は違っても、2つの煮ものは根菜の種類もほとんど似ているけれど、油でいためてから煮る、というのが筑前煮で、煮しめは油は使わず、だしで煮るという違いなのだろうと思っています。

実家の母は、煮しめを作っていましたが、具材は,それぞれ煮て最後にちらし寿司のように器に合わせてもっていました。

私が参考にしたレシピは松本忠子さんが雑誌ミセスで紹介した「関西風 煮しめ」です。こちらには、筑前煮には入れない高野豆腐が入ります。またとりのつくねを入れるというものです。高野豆腐は、最近では、手軽に電子レンジで戻しながら粉末付きの煮汁を吸わせるものもあり、昔より調理しやすくなっていることに最近ようやく気付くほど、食べていませんでした。先日、生協で頼んで作ってみるとおかずの一品として十分食べ応えがあり、脂肪分の少ない植物性たんぱく食品としてもっと取り入れようと思っていたところ。

〇材料 (レシピの量を半量にしています。多品種のものを入れ、量が多くなりますので半量で。昆布だしは、前日の晩に水につけておく。)

・煮汁 

 昆布だし 4カップ

 酒 1/4カップ

 塩 小さじ1

 薄口しょう油、砂糖 各大さじ1と1/2

 みりん 1/4カップ

・ゆでたけのこ 1/2本

・里芋 3個 (皮をむいて半分に切る、今回は京芋使用 六角形に面取り)

・干ししいたけ 3枚 (水につけて戻し、軸を取り、そぎ切り)

・にんじん 1本 (1㎝厚さに切り、梅型に抜く)

・レンコン 1節 (皮をむき、1㎝厚さに切り、水にさらす)

・ごぼう 1/2本 (皮をこそげ取り、斜め切りにして水にさらす)

・ゆり根 適宜 (昆布だしに砂糖、塩を少々入れた煮汁で煮る)

・ぎんなん 適宜 (炒って、殻を割って薄皮を取り除いておく)

・高野豆腐 1枚 (手がようやく入るぐらいの湯につけ、皿などで抑え、もどし、厚さ1㎝に切る)

・油揚げ 1枚 (熱湯をかけ油抜き、4㎝幅ぐらいに切る)

・こんにゃく 1/2枚 (1㎝厚さに切り、中心に切り込みを入れ、片方を穴に入れ、たづなこんにゃくにして、ゆでる)

・きぬさや 適宜 (昆布だしでさっとゆがく)ゆがき過ぎて、色が悪くなってしまったので、かわりにグリーン・ピースを使用

・とりつくね団子 (鶏ひき肉を粘りが出るまで混ぜ、調味料を入れ、別鍋に取った上の煮汁の中にお団子を入れて、煮る)

 鶏ひき肉 150g

 卵 1/4個

 しょうが汁 小さじ1/2

 酒、片栗粉 大さじ1/2

 塩 少々

 

〇作り方

① なべに前日からつけておいた昆布と水4カップを沸騰直前まで煮立て、昆布を取り出す。(ゆり根、きぬさやを煮るだしを取っておく)

② みりん以外のすべての調味料を入れて、にんじん、きぬさや、ゆり根以外のすべての材料を入れ、20分煮る。あくを取っていく。

③ 煮汁を別鍋に取り、とりつくねを丸めて落とし、煮ていく。

④ ②にニンジンとみりんを加え、さらに10分ほど煮る。

⑤ 器に④と③の鶏つくね、きぬさや、ゆり根、ぎんなんを散らして出来上がり。

久しぶりに母の煮しめに近いものができました。記憶をたどれば、ぎんなんを歯で割るのも、たづなこんにゃくを作るのも、高野豆腐が戻っているのかを注意してみるのも子どものころのお手伝いの一つでした。

これだけの食品を揃えると、年末の食費は奮発しかない、という大盤振る舞いでしたが、これも一年に一度のハレの食事。昔から家族でとる食事を大切にした証。大地の恵みを盛り込んだものだったことがわかります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2025年1月12日 (日)

About cooking : 紅白なます 2025

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 絶対作りたいおせちの一品は、三浦大根で作る紅白なます。年末、三浦半島に行くことが出来たら、ラッキーですが、今回は、何十年かぶりにインフルエンザになってしまい、そんな時間的余裕は一切ありませんでした。ただ、30日に近くの食材店に行くと、三浦大根があったので、希望通り、紅白なますを作ることが出来ました。青首大根と何が違うかといったら、繊維が柔らかい、透き通っていてきめが細かい舌ざわり、優しい甘味。ふろ吹き大根にすると、それが如実に表れるのですが、生で食べた時も、その違いは、表れるのです。一昨年は、久しぶりに実家でお正月だったので、三浦大根をお土産に持って帰り、ふろ吹き大根を母に作ってあげました。

紅白なますのレシピは、松本和子さんが雑誌『ミセス』に掲載されていたものを参考にさせてもらっています。このレシピのポイントは「二度漬けする」というところ。なますは、ダイコンやニンジンからの水が味付けした後も必ず出てきます。決めたと思った味が変わってしまうということが、子どものころ、おせち作りを手伝っていた時に経験したことがあったので、この松本さんの抜かりのないレシピに飛びついた私でした。

酢は、純米酢と自家製柿酢を使いました。前に熟した柿をもらってきて、保存瓶の中で発酵させて柿酢を作ったものが冷蔵庫に保存してあるので、単体だと酸味が弱いけれど、ブレンドすることで、フルーツのさわやかさと微かな甘味、うま味を感じる酢として主に、すし酢に使ってきました。

〇材料

 ダイコン(三浦大根) 正味800g

 ニンジン (京人参) 正味50g

 イクラ 少々

【下漬け汁】

 酢、昆布だし(前日より昆布を水につけておき、火にかけ沸騰直前で昆布を引き上げたもの) 各1/2カップ

 てんさい糖 1/4カップ

 塩 小さじ1

【本漬け汁】

 酢 (柿酢)1/3カップ

 昆布だし 1/2カップ

 てんさい糖 大さじ3

 塩 小さじ1/2

 

〇作り方

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 ① ダイコンはマッチ棒よりも細く、ニンジンは、さらに細く切る。

 ② それぞれに塩少々を振り、しんなりしてきたらしっかり手で絞る。

 ③ 下漬け汁の調味料をよく混ぜて煮溶かして冷まして、②に混ぜ、4~5時間おく。

 ④ ざるに開けて再び水気をきっちり絞り、本漬け用の調味料を合わせて煮溶かし、冷ましたものと合わせ、保存瓶に入れて、保存。

 

 30日に漬けて元日の朝から、銘々の小皿にもり、イクラを少しもって、出しました。冷蔵庫がいっぱいでいれられなかったのですが、酢にしっかり使っているので、大丈夫でした。鏡開きの11日まで、箸休めのように出して食べきりました。最後が一番おいしかったような。

 

 

 

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